詩人:旅人モドキ(左利き) | [投票][編集] |
つきがあるよと
耳に心地よい風を感じながら じっくりと夜景を見渡してんのさ
星をのんびり眺めるには
少しばかり邪魔な明るさだけど ほっこりと気持ちが安らぐんだから
鏡となって反射するか
光をはるか彼方から放つ太陽と それを受けとめる青い玉の輝きも
街の灯火でさえ照り返す
かなり中ぶらりんな秋だったら 名のある月がうかんでるっぽくない
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ルサンチマンの塊も融けそうな雨で
蝙蝠傘なんて欲しくなったんだよ
きみに遇えたからギアを入れ直して
半円の虹をくっきり描き出せるよ
サンセットに彩りをも添える光景で
表舞台から合唱した過去が蘇るよ
きみと歌った世界には柔らかくって
超人をも濡らすドロップの雫だよ
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切り捨てることに対して きみは慣れっこな性分だから
その話題に接する際にも こう皮肉たっぷりに思うのさ 現金な脅し文句を送ろう
あらわになる害毒を盾にして 愚かにも踏みにじる過ち
伝統を守り継承する誇りなど 憂いに寄り添う情けより ちっぽけで取るに足らないね
まだ幼いころに手を染め 今もきみを束縛する事件でも
うかつな失敗を棚に上げ 恥のうわ塗りをする詩人なら さすがに笑えやしまいよ
解決しないから暗い社会とは ものすごい誉め言葉だな
あの戦争が終わる日もきっと 知らんぷりをし続けては 互いに責任をなすり合いして
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伽羅の色香が おれの胸を焦がす きみは晩夏 撥ねた茶髪で かき氷を削れ 伽羅の色香へと
艶やかに頭をかしげ 伽羅の色香も漂わす 指先が煌けば おれも想いが閃く かき氷を削れ
文月の青天井 広場で林が 涼風にざわめく 梧桐が庭園を きみは夏を彩り 草花も揺らめく
声が高らかに響き 伽羅の色香は揺れ 撥ねる茶髪も揺らめき 涼風が吹いて城跡は匂いたつ
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いわば浪費だね
辺りに爆音が響き渡り
その鮮烈な
光線は止む気配など見せず
より激しく舞う
頼りない心への挑発か
おれも狂い
破裂したい衝動に駆られる
とても敵わない
眼前の猛火をも恨むか
ただ逆らう
文明が抱える矛盾も構わず
つんざく奔放な
騒がしさで祝宴を彩り
そば立つね
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ぽいと放り投げられ 歩き疲れる道すがら
あけない夜はないと きみに思い浮かぶが
いっそ出る幕がなく あける気など失せて
ごくりと別れの杯を あけて飲み干すきみ
あけない夜がふけて 月あかりでも衝こう
ぶらんと垂れ下がり 弓なりの橋が連なる
やまない雨はないと おれも考え付くけど
ずっと泣き崩れては やめる心まで案じて
ざくりと傷んだ胸の やみ難さを知るおれ
やまない雨がふれば 宵やみで酔っ払おう
ぐるっと振り回され 駆け巡る通りすがり
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アキレカエル
バヲカエル
チカラニカエル
ダキカカエル
エンコヲカエル
フリカエル
ゲンバニカエル
ヒックリカエル
イイカエル
ジダイヲカエル
カンガエル
ムセカエル
ネガエル
オキカエル
ピッタリカエル
ロンヲカエル
スリカエル
ツメカエル
ウラガエル
ワレニカエル
ヨミチガエル
ズシキヲカエル
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きみは蛍みたいにきらめく
おれの蠢きなどつゆしらず
きみが螺るももはなまめき
おれを蠱すほどにあやしげ
きみの蜂っぽいしりがゆれ
おれに蟠るしこりをぬぐう
きみを蜜があまくにおわせ
おれは蝶へといざなわれる
きみに触れあうはおみあし
おれが蛹だったかおぼろで
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大いなるキバをむけ
仕掛けられた茶番劇め
儀礼の中央を眺めてやれ
司祭が太陽光による演出で
暦など素朴に操りながら遊べ
星には雷雲による覆いをも被せ
直進しがたい夜陰も突き進め
渓谷にまで網の目が張られ
雨水すら染み渡る迷路で
狭い穴へとおびき寄せ
外敵を首尾よく導け
大集落を構築して
運搬する人さえ
大広間に入りかね
複合する住居の外へ
日乾しレンガは輝いて
標高など忘却すれば急げ
緑の台地でやらかして終え
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まるで斬新な叙事詩みたいで
どんな節で語ろうが皆は涙ぐみ
全員で声を潜めて見守りながらも
朝っぱらでさえ黙考に耽る印なんだ
きみも原っぱを訪ね歩いたのかい
だだっ広い死者の丘に佇んでは
刻文などで頻繁に述べられる
あらゆる住居が爪痕を遺す
荒野をよぎって目を凝らすが
城塞は人けも無く乾燥し寂れる
四千五百年も歳を経て吐露すれば
くまなく瀝青で謎を糊塗しては覆う