場違いなのではと不安がよぎる気の早い鯉は 白い湖をも泳ぐ忙しく尾を振り 溯ろうと進む漠然と鯨への 憧れを思い出す凪ぐ滄い海原を 巡って浮かぶ光景は輝いて 胸を静かに打つ届かず遠ざかり 鮫の影が閃く奔放に鮪さえ 貪るに留まらず人波などへ紛れ込みたいと思う
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