詩人:旅人モドキ(左利き) | [投票][編集] |
叫ぶ事すらできなかった
とまどっては
吹き荒れる嵐やしおれる朝顔に
ずっと瞳をこらし立ちすくむよ
秘宝の眠る
ほら穴が崩落した石でふさがり
むりやり出口のわきに放ったら
右肩を痛め
腕が上げづらいなんて
ろうそくの灯し火みたいな
ぼんやり照らす
雲間を漂う頼りない月影なのに
おびえて足が震えるのは
どうしてだろう
割り切れなさを言葉にするのさえ
おっくうで
ふしぎと涙もこぼれなかった
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