路地を軽はずみに漂えば はじく石ころに踊らされ気絶薫ずるのは鬱金 はたまた物怪どもの残り香 血潮にまみれておれに幽界の鬼を鎮めよと 幻聴を仄めかす風おれは歩み寄れない 銃剣の狂い咲きで いかなる遊郭も色めく浮世今しがた陶酔境は尽きて おもむろに醒めるが
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