詩人:旅人モドキ(左利き) | [投票][編集] |
クラクション心臓をつんざく
じれったい霧雨にかすむ 高架わきで信号待ち
するする列車が頭ごしに遠のく
説明会も終了のホイッスルで どうせ疑惑がとぐろを巻くんだ
企業のメリットは考えたか
そんな皮肉さえ浮かぶ おれは高層ビルディングの近海を
漂流するあまのじゃく
ネオンの衣裳で身をつつみ 飲食店はオフィス街にすがる
おちつくかんじなんだ
ビジネスの都合上で帰還した おれの郷里はメガシティさ
田舎っぽくは全然ないが やっぱり先入観は捨てがたく
懐かしさが込みあげる
零時のミッドナイトでも たえず岸壁にうねりを寄せる波よ
いとおしくてたまらない
歩道橋にて観察に耽ったら ぬれた階段をあえて
一段飛ばしで駆け下りるのさ
にょきにょきっと竹林がたち並ぶ ちょっと寄りかかり一服しよう
アルミニウムの感触がひんやり 興奮をしずめ得るやすらぎ
サイレン騒ぐはスクランブルか
[前頁] [旅人モドキ(左利き)の部屋] [次頁]
- 詩人の部屋 -