山岳地にて 炎が立ちのぼっているうだるほど蒸し暑い日だおれは食堂にたたずみたばこの煙をくゆらせているおれ以外には誰ひとり店員さえも姿はみえない炎は まるで肉体を持ったかのように立ちのぼっているんだいつの間にか西瓜のような朝陽が窓際に浮かびあがるおお そんな瞬間もあったなうだるほど蒸し暑い 火だったんだ
[前頁] [旅人モドキ(左利き)の部屋] [次頁]