此処は静かだね


この星の声が
とても良く聞こえる

この人込みの中

君には何が見えるの？


心の奥の厄災？



それとも、、、、

白く光る天使の翼？

隣を吹き抜けた風

微かに輝いて見えた


風の道を辿り
その先に
見つけた場所は

花びらに覆われた
大きな木々


色鮮やかに咲いた
桜の華やかさ


光を含んだ風の道

ゆっくりと歩こう

壊れた映写機

最後に映した
モノクロの思い出は


画面いっぱいの

貴方の笑顔でした

さよなら

貴方の姿
此処にはないんだね


甘く悲しい恋に
一粒の涙で

終わりを告げましょう

一粒の
レモンの涙で

人は

生まれ 老い 土に還る


僕は生まれた

そして これから

老い　土に還っていくだろう


でも

それでいい


僕はこうして
生まれたことに

感謝しているのだから

ありがとう

扉の向こうには
何があるの？


問いかけても

貴方は
静かな瞳で見守るだけ

何もかもを
知っているように

その
白い扉を開くだけ


この先には
何があるのだろう

明日に続く扉の先には

過ぎた季節

何も残さず
春の香も残さずに

心凍ることで
人は人ではなくなる


私はもう

人として
生きてはいない