詩人:ワタナー | [投票][編集] |
涙を流さない女っていうのも悪くない
始めはそう思っていたんだ
なんだって自分でやって
俺に甘えたことなんてない
おまえは強い女だった
恋人っていうよりは
戦友、腐れ縁?
まぁ愛というよりは
仲間っていうほうが合っていた
生きてるって感じだったよ
おまえは俺の魂みたいだった
俺の真ん中に常にいて
俺のことを全部知ってる
綺麗なとこも汚いとこも
俺もおまえのことを知ってる
綺麗なとこも汚いとこも
ただ
過去っていうのは
そいつだけのものだから
俺が干渉することじゃない
おまえも俺の過去には触れなかった
自分では何気なく接してはいるが
やはりおまえには隠せないらしい
おまえも俺には隠せない
互いにそれは知っていた
全てを知ってしまったら
愛情がなくなるというわけじゃないが
今を生きる俺たちにとって
過去などちっぽけなもんだ
今の俺たちは未来だけを見ていればいい
だが
過去っていうのは
いつも自分にまとわるものだ
過去は変えられない事実
それはいつでも同じだ
その事実が今の俺たちの未来を変えようとしている
愛なんかじゃ
どうしようもないことがある
たった2人の人間ができることなんて
限られてるものさ
俺たちはひとりに戻った
互いの幸せのために
そこには愛があった
俺が別れると決めた夜
おまえは泣いていた
黙って去っていくつもりだった
おまえの涙が見たくなかったから
俺が去ったら
おまえが泣くと分かっていたから
おまえも分かっていたんだろう
俺が黙って去ることを
その日だけは
俺とおまえは
まさしく恋人だった
もし
いつかどこかで
また逢ったなら
次は嬉し涙を流してほしい