詩人:ワタナー | [投票][編集] |
「昨日さ、中学の同級生に会ってさ。久しぶりに飲みに行ったんだよ」
「へえ」
「昨日何してた?」
「漂ってた」
「まあ・・・そうだろうけど」
「暇」
「・・・つーか、なんで俺の部屋にいんの?」
「だってここで死んだんだもん」
「成仏しないの?」
「できないの!」
「なんで?」
「だってタンスの角に足の小指ぶつけてショック死したなんて、無念過ぎて死に切れない」
「確かに無念だが、どうしたら成仏できるんだ?」
「幸せになれたらかなぁ」
「うわぁ抽象的ぃ」
「ねえねえ」
「なに?」
「幸せにして」
「・・・なんで俺が」
「だって私のこと見えるのあなただけだもん」
「いやまあそうだけど」
「おねがい!」
「幸せって言ってもなぁ」
「あ、私焼肉食べたら幸せになれるかも」
「お前、飯食えんのか?」
「う〜ん、どうなんだろ?食べたことないしなぁ」
「ていうかちょっと透けてるし無理じゃないか?」
「・・・透けてるって、なんかえっちだよね」
「生きていればな」
「成仏したいよぉ」
「・・・まぁ成仏できるまで、この部屋にいていいから」
「うん。ありがとう」
「でも脅かすなよ」
「それはどうでしょう?」
「・・・除霊師よんで除霊するぞ」
「ごめんなさい」