詩人:なっこ | [投票][編集] |
彼女は戻らない
もう手が届かない
ありがとうと伝えたかった
他愛もない会話をしたかった
ただそれだけも叶わない
彼女は帰らない
還らない日があることを
今ここに在る、それしかないことを知った
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つないだ君の手の震えを
ふと思い出した
力強く握られた手を
思い出した
不確かな感情の中にいて
スイセンだけが鮮やかに咲いていた
きっと本当もあったのだろう
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望むものは何もなくて
でも、ただ会いたい
いつか私の背中に叫んだ
あなたの言葉が忘れられない
もうずっと遠くまで来たけれど
ただ、あなたに会いたい
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私はいつになったら許されるのだろう
好きだということができるのだろう
言ってしまえればラクなのに
それで終わってしまうとも思う
もう修復できないところまできたのに
まだ戻れるかもと期待して待っている
開けられないドアの前で立ちすくむように
ずっとノブを握りながら回すことが出来ずにいた
世界は変わるのに
時は流れるのに
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いつか見た、終わりの夢
それは静かに、何となく、気配を漂わせた
悲しいけれど、待ち望んでた
寂しいけれど、安堵した
固執して捕らわれた心は
やっと開放された
私にとって、終わりは始まりだった
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微笑むあなたは
まるで別人だった
はっきりと分かった
もういないって事
共に過ごしたあなたは、もういない
隣で微笑む彼女がうらやましかった
けれど、今ある結果は彼女の成果で
私にはできなかった事
そのことは単純で自然なことだと分かった
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中学生だったころ、祖母が死んだ
繰り返される読経の中で、もう祖母はもう還らないと知った
祖母と色んな話を沢山したかった
大学生だったころ、甥っ子が生まれた
繰り返される産声の中で、人は人から生まれるという当たり前を知った
みずみずしい生命はとても純粋でとても綺麗だ
人は死に、そして生まれる
どちらが後でも、どちらが前でもなく
繰り返される時の流れ、自然の流れ
その流れの中に私たちは存在している
私もいつか必ず死ぬ
そんなことを甥っ子の成長と共に思い知らされた
だから、人として今に存在すること、思考することは
奇跡なんだと思う
望んで存在していなくても、不幸だと感じていても
ちっぽけに思うことを真剣に悩んだりしても
奇跡なんだと思う
どんなふうに生きようと
私たちは刹那に生まれた存在に変わりない
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あなたを受け入れた
私の優しさなんかじゃない
ただの甘えだった
あの時から、罪悪につつまれた
愛されることの辛さを知った
愛する辛さは知っていたけれど
矛盾した私の存在が許せなかったのです
今でも愛してる
けれど、離れることを許してください
どうかあなたが幸せであることを
いつでも祈っています
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予定を消化する毎日は
生きてるような気がするけど
何だか虚しくて
生まれた意味は未だ見つからず
生きてる意味も未だ定まらず
何が幸せで、何が不幸なのか
よく分からない
けれど、必ず死ぬって事だけは
明確でちょっと安心した
すべて、いつか終わる
最期は笑って卒業したいな