詩人:猫目石 | [投票][編集] |
舞道会に憧れただけ
哀れな灰かぶり
魔法使いはこない
母の形見のドレスを着て
硝子の靴は偽物
貯めた銅貨で呼んだ馬車
王子と踊る
哀れな灰かぶり
金楽器は音を立て
オーケストラを奏でる
光り輝く
シャンデリラ
12時の鐘が鳴る
別れを告げた
endlesswaltzとは程遠い
階段を駆け下りた
靴を落とすのは
ただの偶然
白い鳥が迎えに来る
哀れな灰かぶり
白いドレス
12時に鐘が鳴る
白い時計台
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君が側にいるのなら
優しい笑顔をプレゼントしよう
離さないよ
さよならはさせない
暖かい思い出が繋ぐから
君を抱き締めるから
いつか
涙は乾いて笑顔に変わる
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宛名の無い手紙
切手も無い
届かなかった、
いや届けなかった
風がまた笑う
臆病者…と
君と私を繋ぐ
頼りない形
風、よ
君に届けて欲しい、臆病な私だから
たった一枚
たった一言
好き
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私は頭が弱い
あまり考えない
だから良く怒られるのだが
理由が分からない
頭が弱いのは私のせいではないでしょう?
きっと頭をどこかにぶつけたのだ
ネジが一本取れたのだ
皆が言う
もちろん他大勢
カワイソウ、
と
じゃあ聞こうか、
何が?何を?私はカワイソウ?
頭に包帯を付けているから?
言葉を上手く喋れないから?
だからなに?
身体障害者
お似合いの言葉だと、
可愛い可愛いあの子が言った
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おじいちゃんがまた言った。
私も笑ってあいさつ。
『はじめまして。』
おじいちゃんの脳は砂時計なんだって。
おしえてもおしえても忘れちゃうんだ。
私が孫だってことも忘れてる。
『良い天気ですね。』
『そうですね。』
きのうとおなじことば。
今日は雨。
『おじいちゃん。』
『はい。』
もういっかい、
昨日と同じ会話をしよう。
おじいちゃんと話せるなら。
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死と生の綱渡り
根性見せろ
プライドは?
死にかけロマンス
ピクルスは抜け
不味い
綱渡りは嫌だね
やるくらいだったら縄を引きちぎり
首吊りガール
あぁ素敵だ
映画みたいな格好いい死に方を
ピエロは笑う
死にかけロマンス
首吊りガール
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もういいだろ?
苦しいよ
生命維持装置を止めた
呼吸が出来ない
当たり前だ
苦しい
苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい
自己責任
そうだね
点滴が水音を止めた
ストップ
バイバイ
私
冷たいね