詩人:ふくざわゆいと | [投票][得票][編集] |
他人に心 傷つけられて
他人に気持ち 踏み躙られて
それでも その相手を
恨むことも 憎むことも
出来ずにいる
約束や目標 ある程度決めた
そういった目的へ お互いが
目指して歩んでいるものだと思っていた
けれど 実際は
その方向へ向かって 歩いているのは
ボクだけだった…
悔しかった 苦しかった
キミの中で ボクはもう
要らないんだと悟った
「傷つき返してやる!」とか
「同じ痛みを思い知れ!」だとか
そういう ある意味
訴える力や 反発する熱さえ
失った
相手に 何も感じなくなった
相手にとって 自分がいかに
「価値のないもの」なのかと
だから「裏切られる」のだと
「平気で」傷つけられるのだと
知った
怒りや哀しみ そういったものや
涙の一粒も 流れやしない
むしろ なにもかも
もう どうでもよくて
その出来事に 向き合うことも
誰かと深く 関わりたいとも
思わなく 思えなくなっていっただけ
なにも感じない 相手も見えない
静かに 自分を閉じていく
二度と 届かないほど離れていく
まるで すべてが他人事のように
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