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未央の部屋


[2] 恋雨
詩人:未央 [投票][編集]

降り注ぐ雨
落ちゆく雫の調べ

屋根の下
君は困ったように
一人立ち尽くす

誘う僕に戸惑い顔
遠慮がちに
相合い傘

雨音に
僕の鼓動は隠せても
頬の熱さは止められず
心配顔の君
苦笑いでごまかして…

都会の流れに
逆らう歩調
ゆっくり行くのは
君とだけでいい



街に咲いた傘を見て
君はのんきに綺麗という

僕の肩が濡れないかと
心配ばかりの君の方が
すべてにおいて綺麗だと
言えずに僕は頷くだけ



雨風
湿った感覚は
僕の中途半端な心
ため息しか出ず
不意にぶれた視界

頬を濡らした滴は
雨か涙か
それとも想いか

困惑顔の君に
やっと告げた僕の想い

美しいな言葉も
素敵な雰囲気も
なにも飾れずに
ただ「好き」と


そして


僕に光を照らしたのは

暗雲から覗いた太陽か
それとも
君がくれた言葉か

答は知っているけれど

もったいないので
秘めておく

2004/05/16 (Sun)

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