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フィリップの部屋


[206] 待ち風
詩人:フィリップ [投票][得票][編集]

吹き上げられる
空の視界を
無意識に横切った


オレンジ色の
ラジカセを抱えて
穴あきの世界で
風を待つ

世界はずれていく
右から左へ
一定の速度でもって


曇った吐息は
髪のたなびきと一体化したまま
生まれたての言葉を僕に投げ掛ける

風のない空
待ち惚ける指先
刻まれ続ける
時代の鼓動


風は
僕を待っていたらしい

2007/09/11 (Tue)

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