吹き上げられる空の視界を無意識に横切ったオレンジ色のラジカセを抱えて穴あきの世界で風を待つ世界はずれていく右から左へ一定の速度でもって曇った吐息は髪のたなびきと一体化したまま生まれたての言葉を僕に投げ掛ける風のない空待ち惚ける指先刻まれ続ける時代の鼓動風は僕を待っていたらしい
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