詩人:フィリップ | [投票][得票][編集] |
夜明けの空は
いつも無表情のまま朝焼けと
夕焼けをつくる
ただやはり
無表情のまま
何かを得ようと
泥まみれになる少年は
地平線の彼方へ
夢を抱えている
音楽を得た私はただ
ギターを抱えて
立っているだけだ
水道も
電気も
ガスも無いけれど
その地の空は美しい
誰も見たことのない夜明けが
世界の果てで
繰り返されている
その光景は
世界の呼吸
繰り返される呼吸の裏で
繰り返される幾多の命
悲しみと喜び
死と再生の区別を超えて
帰路につく
私を乗せた列車は
母国とあまり変わらないけれど
その空気はやけに冷たい
さよならを言う為に朝があるのならば
その空気と光景は
私の中で
日々、繰り返される
バイバイ、線路上の野良猫
風に乗って
大地にかえるのだ