猫の鳴き声で目を覚ます

まぁ待て
エサは煙草を一本吸ってからにしてくれ

テレビのリモコンを点けると
今日も東北地方に地震があったと
無表情の女が繰返し喋っている


嫌な世の中だ


明日はオレの収監日、刑務所行くんだ

シャブと無免許
また無免許で
2年5月
逃れられねぇ事実だ

体を患っている

少々キツい肺機種と良性と思われる縦革腫瘍だ

執行停止にゃならなかったけどな

ああ 忘れていた
お前らとも今日でお別れだ

今日は猫缶たらふく食べさせてやるよ

お前らのことはアイツに任せてある
オレは必ず生きて帰って来るから、待っててくれ


嫌な世の中だ


でも
いつまでも悪いことは続かねぇさ

明日は必ず来る

昨日もこの部屋に誰か書いてたな

辛い時 苦しい時

正直、明日のことなんか考えられねぇけど

陽はまた昇る


オレは己にそう言い聞かせた

太い血管目掛けて
溶かしたシャブをポンプで打ち込む

ふぅ〜

アタリはそこそこ
だが
かなりの上物だ


明日を失った俺のどん底


来いよ
恐いもんなど何もねぇから


失うものなど
とっくにねぇんだ

光と闇 太陽と月

超神ゼウス 魔王ルシフェル

栄光と挫折 勝利と敗北


例えば
仕掛けられた罠に屈したとしても



立ち上がれる！



絶望の裏側には
必ず希望がある


前を向いて進むからには道は険しく苦難に満ちているだろう



命ある限り
なにがなんでも諦めるな


闘って闘って
ボロボロになる頃

またきっと裏側に辿り着けるさ


俺が俺に負けない限り


幸運の女神は
必ず微笑んでくれるんだ

分厚い鉄板で覆われた閉じ込められた空間を作ろう

そこを真空状態にして火薬をこめた星のカケラを爆破する

ビッグバンの再生だ

粉々にちりばめられた破片は恒星や惑星を形成して

宇宙の縮小版が完成する

規模的に時間は短縮されて50憶年は一瞬となるだろう

その宇宙の外側にもこうした発想は存在し、創造主達は永続的に広げ続けている


アインシュタインの理論は崩壊した


まさしく宇宙は永遠である

俺は詩人

誰も知らない
自称 詩人

ニックネームは自己満足で、その名のとおり自分よがりな駄作家だ


詩に興味を感じたのは

詩人と呼ぶにふさわしい先人の言葉に 心を揺さぶられてしまったからである




言葉は時に




光をもたらし




時に言葉は




活きる術となり




言葉に





己を重ねて





声にならない想い



心の叫び



君に伝えられなかった気持ち




きっと誰かが受け止めて




宙へと放つだろう



俺は詩人




いつか誰かを




振り向かせるさ

俺は決めたのだ


生きてゆこう

明日を迎えよう


太陽が昇るように

季節が廻るように

運命など認めない

宿命だと諦めない

呼吸を続けて


鼓動を繰り返す


奇跡じゃない



俺が生きてゆこうと決めたのだ

一方通行 空回り


行き止まり 立ち塞がって


憤って 憂いて 噛みしめて 泣いた



叫んでも 声にならなかった

言葉達を


伝えるように 弔うように


解き放って



俺の自己満足が満たされる





そして
それを評価していただいて


票が入ると



チョー
嬉しいのは


何故でしょうか？

俺は詩人


本名は


『しんじ』


と言います


詩人の し は

しんじ の し


詩人の じ は

しんじの じ


詩人の ん は

しんじの ん



これは果たして

偶然でしょうか？

それとも必然ですか？




それとも




あんまり
関係ないのでしょうか？

本音と建前の人間

イジメと虐待の人間

罠と策略の人間


知性を蓄え頂点を極めし我々人間供のポリシーは



目には目を
歯には歯を


腹で芸して
媚びを売る


長いものには巻かれろ



です

ズルいヤツや汚いヤツになりたくねぇ


いいヤツと思われたいけど
偽善者と言われるのも好きじゃねぇ

だから
真ん中くらいで丁度いい



俺は
ズルくて汚くて
時々
良い人間です



そして
それが人間です