詩人:是清。 | [投票][編集] |
染みつ垂れた説教なら/とつとと退場してくれ/有り難くも無い文字を喰つて生きてれば/其の内何か在るだらうと/卑しい期待。/間違つた事/矯正する為の場なのか/其れこそが驕り高ぶつた言葉だらう/罰与ふ者か、目の前の教鞭執る者よ/ 六年間の鑑別所/三年間の刑務所よ/四月が近い/今云おう/「有難う。」
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小綺麗に陳列されて居るだけの文字なら要りませむ、欲しいのは其の正直な、真直ぐな精神なのですから。お互ひを偽つたり、騙し合ふのは日常の事、正直云つて悪い子とは思ひませぬ、其れはエチケツトで在り礼儀ですので、所在解らぬ罪悪感を背負ふ事も無いでせう。時と場合に依つては、其れが失礼と為る事も有ると思ひますが其処は其れ、大人と割り切つて、此のせち辛い世の中をお渡りに為るやうお薦め致します。〜カプセル入りの幸福、使用上の御注意。 〜是清素敵製薬。
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真直ぐ背中伸ばして鳩達が翔ぶ/角の無い金型にハメられて/薄汚れた空を翔ぶ/美しき青空と騙され乍ら・軋む肉体に鞭打つて/空翔る姿を笑ひますか/同類達/深夜のカジキマグロ市場にて生温い遊戯に興じませう/安上がりな旅を楽しむ為の苦労は終ぞ惜しみませむ/何時かのカジキマグロは君を乗せ往きました。
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無性に貴方に会いたくなって/予定を曲げる/楽しくも無い苦手な女子同士の会話/狭い暗い個室/すり抜ける/泣き真似で・無性に貴方に会いたくなって/普段通りの木曜日/私寺子屋は休み/指を噛んで寒い中/貴方の元へ/取り敢えず走って行く/泣き真似で。
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其の町は染まる
赤く染まる
迫る
愛すべき貴方の 哀しみに委ねるわ
涙は虚しさ助長して
一切を拒否するモノだから。
与えられたモノだけで、
呼吸さえ出来ない 不完全な生物。
嫌い乍らも 何処かで似た影探してゐる
不覚にも 引き分けに終わつた此の遊戯
「長からむ心も知らず故郷は」
唯有明に映る 朽ちる筈の 未だ見ぬ街
「振り返るは過去の」
「落つるは白露」
「唯懐かしい君が為」
惜しくない命も但
此の地に埋まる
不安煽る変らない灰色の空
廻る
落ちる
下らない他人の街へ。
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悩みきし船出悲しも/ 未だ此処に居る/未練残るや赤々し夕暮/此の岐路に立ち/唯遠き君を見る/物思う頃は明けやらで/生々し其の映像に/寝やの暇さえ/憑れなかりけり。
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美徳と悪徳
正答と誤答
肯定と否定
正常と異常
抑制と促進
歓喜と悲哀
平等と差別
優遇と冷遇
正当と不当
秩序と混乱
解放と閉鎖
自由と束縛
服従と反抗
加害者と被害者
清流と濁流
清潔と不潔
理性と本能
精神と肉体
禁欲と淫蕩
快楽と苦痛
充実と空虚
過去と未来
創造と模倣
誕生と死滅
進化と退化
偶然と必然
白と黒
反発し乍ら魅かれ合ふ、不様な姿で
何時でも私達を置いて
狂々と此の清潔で猥雑な世界は廻るのです。
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繋がった処から/腐り始める/此の足元に落つ/実直さ/日常/清浄な精神・寄り掛かるな/腕を放せ/其れぞれを共有しようとするな/其れは個で在り/汚しては為らぬ物だ/其れこそが唯一の物だ/侵しては為らぬ自身だ。
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今日迄何を理由に/一体何度無理矢理/錆びた色合いの夢/逃げ出して来れたのだろう/侘しい佇まいの家/貴方好みの/色に染まる・悲しい事実、等受け入れる幅等無い/薄手の真実/今にも溺れそうな熱の川の中/安い胸騒ぎ/曲がった事が嫌い/綺麗事等当の昔に/勝ち取る全ては/貴方拘束する為/但胸に手を添えて/其の心音を聞く/自覚の無い堕落に/未だ未練が有るのならば/燻る燠火に/浸って自慰に奔れば良い/堕ちて往けば良い/此の訳知らぬ虚しささえも/擦れる呼吸の胸に/抱けば良いだろう/投げ遣りな姿勢。