詩人:是清。 | [投票][編集] |
意味無い言葉羅列し
今貴方の下
只征服する為に
貴方が此れから
私の名前しか呼べないように
嗚呼、私への悪口
鳴らない受話器に縋り
恨み言を呟く
口下手な唇
今迄
貴方という存在に
続く重い想い
未だ知り得ぬ
互いの体温
斑模様の夜
決戦の日
貴方の呼吸をも支配する。
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溢れる水/恐ろしく澄み渡つた空等要らない/汚濁した赤い浴槽/其れが私の居場所/曇つた鏡/醜い肉片/憎らしい筈の片割れ/其れだけが私の味方なの・冷えきつた貴方の上/生温い魚の様に/白く光を反射する躰/只々揺れるの/黒い髪を乱す此の律動に耐えて居るの・色の抜けた/只真っ白な貴方の躰/抱き締める事/漂白剤の海/泳ぎ切る/未だ青い空/漂ふ事/身動きすら出来ない/役立たずな私・燃え尽きる/青い炎で/躰の中から/変わる/幾億の細胞から/心の内側から/此の指先から/貴方に依つて/蕩々。
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鋼の瞳/両極の天秤/美しき殺意/悲しき感情/歪んだ形/管を生やし/ホルマリン漬けの恋人・模造の箱庭/貴方と私の/純粋物への憧憬/渇望/汚れた自分への罰/其れを教えた貴方の罪/贖う方法/永遠の至福と悲劇/貴方の隣の狂気。
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別段変わりの無い昼下がり/緑色の扉を叩く/薄汚れたアパアトで/貴方強引に唇奪つた/伸し上がつた今でも侵略し続ける/頭の中/此の指さえも・悲しい筈の気持ちさえも/虚しい/汚れつちまつたとまた私を責めるのですか/自分勝手な貴方/憎らしい・普段通りの深夜二時/悲しい色の布団に潜る/薄暗い安い部屋で/薄い壁恨めしく思ったの/温度の高い/唯白い吐息/息苦しい/窒息寸前に/最早意識等/唯赤い互いの血に/嗚呼見惚れるだけ・悲しい筈の涙さえも虚しい/壊れがちな涙腺に/また遠慮するのですか/逃げ腰な私/我儘な愛しい貴方。
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赤く
昇つては燃え尽きる
白い
身体は偽物
総て欺いて居る
歪むだ笑みを零し
出鱈目な詞を囁く
黄金色の縱髪
第三の太陽
軅て来る筈
今直ぐ
妾の元に
其の大きな、
輝ける手を伸ばして。
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何処に居ても/貴方の声が聞こえる/誰と居ても/貴方の仕草に重ねる・駆け引き上手な貴方/恋と愛の二択/どちらを行っても/貴方の罠に掛かる。
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年老いた者達よ、我が父母の理解者で在った者達よ/既に事は済んでいる/飛び降りよ/去ね/此迄の道程は長かった、さあ休め/暗く威圧的なファシズムの圀で在った此の場所に/光を/日の本を正してくれたのはお前達であった/安息の時だ・そして新しい時代の若人達、我が片割れ達よ/今こそ其の時だ/蜂起せよ/歓喜せよ/未だかつて無い革命と抱擁だ/熱き信念を取り戻せ/目を開くのだ/お前達の後にまた道は出来る/知らぬ振りをするな/お前達が変えるべき圀だ/お前達の其の/力強き一歩が/其の子孫迄受け継がれる事だろう/お前達の後にこそ道は出来るのだ。
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但赤く/首筋に/同じ印/其れが妾の/貴方を所有して居る証/唯一つ/多々有る理由の一つ/此処に在る偶然/運命何て云ふ/安い言葉を使ふ気は無いけれど/多分に必然と/信じ得る事も出来るでせう/ねえ貴方。/幻想等信じて居る余裕/そんな物無いでせう/ねえ貴方。/妾以外/高慢な貴方の目を/釘付けにする者等居ない筈/妾自身の/熱だけで/満たされて居る筈でせう/ねえ/ねえ貴方。
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妾の足元に/跪ひて/何度も許しを請ふ/貴方は殆ど/妾の下に在ると云ふ/所謂普通の上下関係だけれど/此ノ前親しい友人に/喋つた事とは逆の事・頭の弱い/易しい女ではなく/寧ろ/冷めた嘘を吐く/嗜虐的な/行為を好む普通の雌/貴方だけに・貴方の其の/奇麗な体を視て居ると/総て妾の/物にしたくなる/印を付けて/拘束したく成る/首輪を付けて上げませうか。