詩人:是清。 | [投票][編集] |
「張り裂けさうな胸を」
誇張にも似た比喩で対抗
するべき事はしたのだし
其のやうに卑屈にならずとも良い筈だ
多分/きつと其の筈だ
「君の綺麗な手に見惚れてゐる」
頬染めて俯く
僕はまう今日一日
君と目を合はせられないな
触れ合つて何かしまつたら
悦びを通り越して何処かへ逝つてしまふ
揺るぎない
挫けない
強靱な精神を
情けない
笑えない
余裕の無い僕にくれよ
堪えない/止められない/まう一回
良いかい?
「狂ほしい程胸が」
むず痒い
心の振幅は広くて早い
「だうしたら良いだらうか」
君は答えられる?
ねえ
笑つて
応えて欲しいよ。
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味気無い舌/慰めるやうに/燻らせたい現在を/三日前に/議決した君と/僕の条約では禁じられてゐたけど/強い力で雨は降る/此処に降り続く/夜は幾度も君を訪ねては気紛れに去つて行く・動かないで/未だ螺旋階段を降り切る事の出来ない僕に/最後の台詞を与えてくれよ/非日常の出来事に/無常の真理を感ぢてゐる/今現在・夢から醒めないやうに/現実と事実を仕舞ひ込むだ/涙何か溢したら/完結してしまふかも知れない/此の日々が/安穏とした磐石の日常が・始まりかけてゐる/始まつてはならない/其れを恐れてゐる/始まるだらう/今直ぐに。
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醒めない夢から何か
僕の中で始まりかけてゐる
今君は僕を誘つて
目的を果たさうと企むでゐるのだらう
君の瞳が狙ふ
僕の頼りない背中に
明る過ぎる朝は負ぶさる
君の後ろの夜は遠退く
補ひ合つて
僕等は真昼の太陽に生らう。
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本来の姿を隠した町で
僕等はじつくりと焼かれて行く
生暖かい風の吹く町で
僕等は根を張り、広がつて行く
今は未だ謁る事の無い若い傲慢さ
予め区切られた場所で藻掻く人生?
「明日何か来ないさ。」
贅沢過ぎて夢何か見れない
今此之瞬間で手一杯なのさ
要領の悪い僕等
上を視て何度も欠伸を繰り返す
多忙とは云へず
退屈とも云えない毎日
前向きにと云はれても
どちらが前何て事判りやうが無いのさ
鮮やかさ、の無い僕等
上手く誤魔化す事が
出来たらどんなにか良いだらう
座り込む事等せず
取り敢えず真直ぐ見詰めて居たいだけ。
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だうしやうも無い/重い頭振り乱して/考え歩いて来た/其れが妾の半生/安穏とした日常よりも/より刺激的な場所を選ぶ/追い詰められ/何回壊れた?/何回壊した?/まう言ひ訳何てしたく無い/今此の瞬間の妾に責任を持ちたいのよ/まう無理何て云ひたく無い/弱音何か吐きたく無い/だうにかしたい/焦る/焦る妾/周り/此の時代/ねえまう泣きたく何て無いのよ/全部流れて行つてしまふから/張り詰めてゐたモノ全部/意地とか/誇りとか/精一杯の強さとか/だから/ねえ/まうそんな眼で妾を射抜かないで。
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訝し気な明日創作活動す
「歌詞知らぬ確かめて頂戴」
頂いた箸遣り場に困り/有体な場所に返り咲く
疎外感で一杯/毎度耳にするさ「発狂シサウ」
聞き飽きたさ諦念感で一敗/苦し紛れに呟いたさ
「軽じて流すなよ」
夜の信号は移りが早い
大抵の事は何事も無く過ぎて往くさ
夜具の進行は気紛れが多い
止まぬ接吻で満足するだけ
其れ程考えていなかつた/午前弐時の軟らかな拘束
知つて居たさ固く禁じた高速
吹つ飛だ友人が埴輪と成つて曚
寧ろ床だけで雌雄決しやうか
「安全は好まぬ」
「然し冒険もせぬ」
何時もの体位で勝負するだけ。
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そんな夢の介在せん眼で責めんで/だって有り得ん程低魅力/何回か甘い妄想に浸る/通常盤人並みの女子らしい事も有るでせう・全部隠れた上での事/表面上完璧自立女子/可愛気無いのは生来の事/寧ろ此の強さを取って遣って頂戴な・身長約百二十戦地に羨望の眼差し/素直に成ろうとする意欲すら皆無だもん/随分と張り切って隠そうとするぢゃない/似合はないだけじゃない/虫の好かないヒラヒラに/或る程度媚売って生きてりゃ良かったかな・せめて異性化促進に抵抗力/眼鏡だって幾らかの効果を発揮してたのだもん/何て喚いたつて/まう既に時間切れか。
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「逢過差発為波真妬裸環」/曖昧な儘/横たはつた儘/無知は罪?/軽く甘噛み/此処からが罰・ハロンの流布に因り/逮捕監禁爆発炎上/逢つて居ても/在つて居なくても/裸体で現在一部語る/繰り返し・「依生染痴尼否體意離居」/壊れてしまつた/依存つて染まつた痴態/尼に生つて舞踏/意に染ぬ離別/まう少し左・フロンの塗布に依り/正義性欲幕末免状/待つて居ても/勃つて居なくても/値が免罪総て語る/揺り返し・絶頂で終らせてよ/焦らさないでねチヤアリイ/勢い込むだ代償は何れか払つて貰はなくちや/強かなやうでも現代は是がステイタス/女子進行形だもの。
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プリイツ・スカアトの襞を多くする
重くなつたセエタアに引火する
今何て云つた?
数年前の機械ぢや妾、上手く聞き取れないよ
動かない儘で居たい/動けない儘で居たい
怠け者の體は一層、生温い椅子に馴染むで居るよ
おどけて居た/誤魔化して居た
ツケがやつと廻つて来たね
万歳
多分まう鳥渡すれば
鼓膜の震えも/愚図ついた空も
此処一帯の湿度もすぐに/元通り。
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取り敢へず、の赤い帽子/赤い頭、赤い毛、赤い足/だから體が赤く見えるの/白目は白い/流行のにび色のワンピイスで/真つ赤な體を隠し/虚飾に満ちた街を闊歩して居る/何処へ行くの?>現在だけと云ふ旬の體を隠して/其の時間を維持し続けてる/横顔に映る街は何時でも真つ赤/我物顔でふん反り返る/チヤアリイ・チヤアリイ。 続。