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是清。の部屋  〜 投稿順表示 〜


[82] 歩き方を変えました。
詩人:是清。 [投票][編集]

「曖昧に笑つた/昨日から旅立つた/やつと」>幾つもの影に脅かされて居りました/未経験の高波、崖崩れ/上手い事自分を騙して参りました/「酔ひ痴れる独り芝居」?>ゆつくりと堕ちて往つてゐるのが解りました/じつくりと腐つて往くのを感ぢました/後はまう/発酵に失敗した半端者に成るだけです。>ですから、新品の靴で歩き出す事に致しました/上手に歩けるやう、今はゆつくり、ゆつくりと>物事には時機、と謂ふものが有る事を此の度思ひ知る事になりました/まう弐度と同じ轍を踏む事の無いやう/新しく用意された階段で、私は物を考える事に致しました。

2003/11/27 (Thu)

[83] 補フ事/生レル事。
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足が足らぬ
指が足らぬ
爪が足らぬ
血が足らぬ
お前を抱く腕さえ欠いてゐる
完全なモノ等此処に無い

無く亡く泣く
だうしたつて傍に居ない
今一度/お前から生れたい。

2004/04/27 (Tue)

[84] 冷えた金曜日。
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穿つた/埋まつた/終つた御話/非道い小咄・質の悪い逆風に/煽られちまつた木枯しが/愛してくれよと泣き止まぬ/擦れつからしの縮緬に/纏はり付くわい荒れた素肌が>暖めてくれよ冷えちまつた手足/爪先から走る/走る/"電光石火"?/俺を迷はせて頂戴?/お前の裏の裏側迄/哀しみは二人煽る"情"剤/曇つちまつた飾り窓/「波を引く引く白妙の…」/奪つて欲しいと鳴き止まぬ>今俺を呼むだらう?/他に呼ぶ奴何か此処に居やしない/爪痕だらけの金曜日。

2003/12/08 (Mon)

[85] 雨降り土曜日。
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「雨ダツテ」/君泣きぬ冬の午後/凍てつく窓/「雪ニ成ラヌ」/忌々しい/時季違えた来訪者/本日は他の顔>上手くすり変えた継げぬ弐の句/黙つて唇噛むでちやア解る物も判らない>駄目ぢやアないか/振り向いた君の方/水溜まり/君の頬/夢溶けぬ此の土曜日/今融く互いの基礎と/君憂ふは明日の窓辺?/昨日の戸の軋み?/其の艶に哀しみ、躊躇ひがちにも魅かれてしまふ>今悦びぬ體欲して/堕ちる事厭はぬ純粋な瞳/愛しい/確実な事は云へぬ/腕の中で身動く気配/「喉ガ乾イタ/今欲シイ」/まう泣く事何て無い/此の腕で微睡むでゐる/君。

2003/12/08 (Mon)

[86] 唄ふ日曜日。
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袖が濡れちまつて上手い事腕を抱けない/良く噛むだ代物ソプラノ/悩むで滑つたサルビアと/心中しかけた日曜日/「何か佳い事無エかなア>「富ヲ手ニシタ夢ノ終ハリ」/とんずらするから後はよしなに/良いぢやないか前向いた君が初めて笑むだ朝方/振り返つて泣く事はまうしなくて良い/鼻唄は異国の…/"シヤンソン"!/堂々と唄へば良い/聴いてゐるのは俺と…/新しい眼鏡と鞄>だうぞ今こそ咲いてくれ/永い事待つた足が丸で彼ノ日の扉の硬さ/意識が飛ぶ寸前に生意気鳥のハイヒイル/視たやうな氣がしたのだ/其れと彼ノ声は多分君と同じ高さの「…」。

2003/12/08 (Mon)

[87] 新日。
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好かれたい文字、嫌はれた文字
明日の日に映えるのは、ほらね

身籠つた/雲が泣いてゐる
溶けて来さうに甘い空
呼んでゐる、喚んでゐる
上々に色付いて、芳醇な森

明日の為にと用意されたは見事な歯
噛み砕いた言葉の意味を今飲み下して知る
今日の雨嵐は明日の足達
濁して、汚して思ひ出すだらう

晴れたカンバスの七色/燃えて消えて
大気圏外で再度咲け
酔つてカナリヤの前髪
覚えたての白
組み立てて縞/模様に乾いて広がる道


中何嘆と輿迄踊つた/神々さへ降りて来て
髪を洗ふ
新しい日の映る海で/新しい日の…。

2004/04/27 (Tue)

[88] 街。
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澱み無い澄んだ硝子
応えない機械との対話
味気無い階段の昇降
違ひ無い街の歩幅


変ラない/モノ/は/何/デす/か

>>>弛まない/こころの琴線。

2004/04/27 (Tue)

[89] 信号。
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嫌はれた儘の革靴/踏み付ける事で今後の利用価値を謀る/傷口が今唯繋ぐ/"絆"何て甘い謂ひ方ぢや納得出来ない/今嘲笑つた/慘分後の後悔>恋だ何て甘い噺ぢやない/互いを搾取し合ふのが日常だから/藥瓶みたいに壊れて/ぶち撒けたくはない/悦んで下さるか知らん?/鍛練を重ねた一種の競技>生れ付きみたいに見せ付けないでよ/貴方を欲しがる細胞が/まう震へて鳴いてゐる/貴方は部屋の主/此の小さな世界の王>捩れる體を押さえ付ける事で是迄の利用料金に換算する/「白くて細い指」と/貴方が齧つて失くした小指/痛みと謂ふ記録の為の/最後の信号。

2004/01/12 (Mon)

[90] 川と河のあいだの町。
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日照権を訴へられない
所謂/工業地域
海の近く/きつと近く/半径弐キロ内
クラゲだらけの人働海
妾は泳ぐ/毎日泳ぐ/灰色に雲つては空と混じる水面

妾は嫌ふ/そして愛す/何処か霞んだ町/産まれた町
歩き飽きた此の道/平凡な
霞むで濁つたやうな/此の町

鮮烈な、暮れ掛かる橙。

2004/04/27 (Tue)

[91] 観劇。
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愛されてゐる自信等/当ノ昔に消え失せた/薄い靄で貴方不可視/手探りの小刀/喉元を突く>殺す氣で撃つた自前の銃弾/暴発して妾の夢を助く/心労に潰されかねない/重い/自問自答續く/"問題何て何も無い”/"溶けさうだ”ど云つて頂戴>"崩れかけた崖の住人"/随分前から其れだから/幾分今は楽か知らと/「諦め」慣れた頭に浮かぶ>今一度いぢつて頂戴/夢をみた體/紙上の事でも在るまいし/第一此処は劇場ぢやない>苦しみ伴ふ死を頂戴/藻掻く體、ゆつくりと絶えていく其の息遣ひを観てゐて/まう二度と触れない體に多少の執着、魅せて下さい。

2004/02/01 (Sun)
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