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是清。の部屋  〜 投稿順表示 〜


[92] 毒花園。
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愛し愛された御圀の哀史
滅し罰されるべき此の花園
こんなに毒々しい雄花
乾いて今尚美しい

今手にした其の価の低いだらう花
愛されて然るべき手が此処に

怠惰に横たわる花々
自身は手を汚さずに
快楽だけ得やう等と御考えなのですか
鮮やかに咲いて、直ぐ死に絶える花々
美しいもの程散り易いのですか

醜く枯れ往くのなら/いつそ貴方に殺されたい
藻掻くやうに、花弁が舞ふ
見惚れるやうに、崩れゆく貴方は
夢に紛れた、刺に刺されて

今甘い毒の中死に往く弱くやさしい生きもの。

2004/04/27 (Tue)

[93] ネバアランド。
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麗しいね/黒く長い髪は
夢みたいね/弦を弄る其の指さえも

夢見てた夢こそ/時つ胸を縛り付ける現つ
差し向つて右からが/君の云ふ人生様への礼儀

隣に猫/前脚を枕にして眠りに浸いて居る
恐がらないで/眼を開けて/窓を開けておいて

駄目だ、此処から此処から
焦燥感、狂ひさうだ。

2004/04/27 (Tue)

[94] 退屈/幸福。
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許してね、笑ひ出しさう
案外底は明るいやうだ
絶望的な程の狂さで。

生活の為に食らい付いてね
身動き出来ない不自由
自由過ぎる不自由。

笑ひ出しさう、
泣き出しさうな程、
魅力的な寝床。

2004/06/07 (Mon)

[95] 相互理解。
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後ろ足で地面を蹴り/色めいた街を堂々と闊歩する
貴方は欧米人のスタイルで道を歩いてゐる
貴方はどのやうな思ひを抱いて道を歩いてゐるのか

貴方は夢見心地で階段を昇つてゐる
貴方はどのやうな夢を描いて階段を昇つてゐるのか
否、先ず夢等有るのか
ゆめと現つに相対性等皆無だ
全部一緒/みんなおなじ
わたくしは先ず
貴方の思考を理解出来ないと謂ふ事から
伝へていかうと思ふ


ひとが信じられない/ものが喋れない/掴めない
因つて貴方を理解する事が出来ない
腕を広げて抱き締める事が不可能なものと
解り合ふ事など出来ない、さうだらう?

2004/04/27 (Tue)

[96] とかげ。
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やさしくないよ
やさしくないよ
善人何てひとりも居ないよ
皆何処か取り作つて
彼れや此れやに怯えて居る
膝を抱いて口を閉ぢた

伏し目がちにして居る子
彼れはこつそりと僕を睨んでゐるのさ
違ひないよ/見て御覧
奇麗な手を強く握り込んでゐるでせう
彼の手は僕に振り上げられる為準備されてゐるのです

誰も誰もがひとに憧れ
神経を自らを擦り減らし他人の形の皮を着る
軅て腐り果ててまう一度河を流れるだらう
定められた年の後に

道を行く沢山の眼や手や足を持つたとかげ
さぞ僕が忌々しからう

僕は真白な蛇の革を得てゐる。

2004/04/27 (Tue)

[97] わたくしのからだ。
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右足左足/真昼の口
噛み砕かれた/骨は最後に歓喜の声上げ果てた
さらなる被虐望む愚かな薄い肺
心ノ臓/収縮の有無は
活動に影響及ぼさない

安全哉
誘ふよ湾岸の備品
止まらないから殺してね/騒ぎ出す臓物

浪漫街道/花と小腸/夢に観さう/さすらひの赤血球

恥づかしがり屋の肝臓
閉ぢ籠もつて彼の大臀筋を夢見てる
まう無い筈の小指
心筋と血管で繋がる

意固地に居座る血小板/腐れても全て水に流すなよ
腫れて今美しいね喉仏
拝め食道
壊し屋に成りました 白血球が

今鋏で開いた
君の中身はとても鮮やかな色

未だ温かい


何処へ?

2004/04/27 (Tue)

[98] 三月二十一日に。
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誰が誰を駄目にしたのかな/誰が誰を許せなかつたのかな/まう諦めて/冷たい机に泣き伏す処だつた/冷たい温い/誤魔化しの續く日常に/進まない車輪に/居続ける事にならず良かつた/誰が誰を持ち直せたのかな/誰が誰を許せたのかな/ 不安定だつた足取りが/ゆつくり道に戻れるやうに/妾は妾を許して/まう一度じつくり見つめ合はなきやいけない。

2004/03/22 (Mon)

[99] たいようとくらやみ。
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斜めに生きるわたしは、
真直ぐに立てず今でも、
誰か何かの支えを必要としてゐるやうで、

恥づかしいので顔を隠して、
真暗な夜に活動致します。
誰も知らない道を通つて、

怠惰の寝台に横たわるわたしは、
脳を覚醒させる事が出来ず其れでも、
誰か何かを模索して枯渇した咽喉、

恥づかしさに眼球を潰して、
真白な昼に太陽を望みます。
誰も邪魔せぬ窓辺で、

おおきいね、只一切を受け入れる闇は、
僕には唯恐ろしい、
すべて、真白に暴く、輝く、

2004/03/31 (Wed)

[100] 螺旋階段。
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破壊された昨日の廊下で、
人の世と謂ふ名の建物、
誰も視た事の無い長い長い螺旋階段、
其の踊り場で足踏みをしてゐます。
長い間放置されてゐた明日と謂ふ名の扉、
飾り立てた此の床の瑪瑙、
忘れられて哀しい色。


2004/04/01 (Thu)

[101] 長者町アンダアグラウンド。
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灰色の町並み、
誰が何を誰が誰を欲しがるのか回転、
駆け回り飛び回るヒトの群れ、群れ、群れ、
誰も誰もが、迷子、

愛し愛されることは何誰が誰に敵意を抱き此の様な惨事を招いてしまつたのか夢を見るのか然様ならなのか
可哀想と云つて今微笑み微笑み微笑み憐れみ腐り果て

窮屈さうに愛想の御水呑み干す此の町の色の、
其れは何か誰が見付けるのか再転、
溶け込めず四苦八苦するわ是、其れ、彼れ、
彷徨ひ歩く、靴音、

今蕩けた溶解レバア橋の下に広がる留まる広がり往く若さに支配されて私達は此の町を闊歩する明らかな異彩を放ち乍ら均等な建物の並び静寂を嫌ふ町の下の下

愛し愛されている此の町に私達は庇護され育ち往く、
誰も誰もが求めてゐるものを、
私達は知る事になるだらう、
誰が何を誰が誰を欲しがるのか回転、
其れは何か誰が見付けるのか再転、
其れは未だ外気を知らずにゐる地下から
三年と謂ふ年月を経て
繭の様に、羊膜の様に、

窒息せぬやう

2004/04/05 (Mon)
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