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是清。の部屋


[102] ひかり。
詩人:是清。 [投票][編集]

手を伸ばす。
此の手を伸ばす。
此の穢れた手を伸ばす。
此の穢れたひかりに満ちた手を伸ばす。
此の穢れたひかりに満ちた手を其処へ伸ばす。

其れは汚濁した只の感情の川で在つたり苦し紛れに吐いたあの日の嘘かも知れない悲しい寂しい弱いヒトの群れは案外に近い場所で息を潜めて居るのかも知れない息を潜めて居るのかも知れないね

恥ずかしいと君は云つたけれど一体何を間違えてしまつたのか君は考えもしないのだね哀しいと君は云ふけれど何が君を淋しくさせてゐるか君は思い付かないのだね

「誰も視た事の無い誰も居ない国皆優しくて皆傍に居る皆寂しくないでせう皆愛し愛されてゐるでせう。」

僕の手は仕合せを語る偽善者な君に翳される君は俯くすべての仮面を剥いだ弱者の君こそ真実美しいすがた
突き落して貶めて其の深い愛を手に入れる、赦して。







2004/04/09 (Fri)

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