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是清。の部屋


[110] もりのなか、きみは振返らずに、
詩人:是清。 [投票][編集]

今はまう腐敗してしまつた静かな静かな森の中
踊つて・彷徨つて・笑つてゐた二人

誰も見咎める事の無い深い深い深い森の中
あの頃の僕と今は居ない君が、
立ち止まる僕を嗤つてゐる

足元から崩れ落ちていく感覚
君を呼んだよ/喚んだよ?

頼りないあの日の青/青さ

「抜け落ちさうな紺碧の御空」
「解けて融けて・あの海に零れ落ちさうね」

君は笑つて・笑つて・嗤つて

あの不自由な空に融けてしまつた。

曇つて霞んだ灰褐色の御空
誰が濁したの?誰が壊したの?

まう二度と戻らないゆめ
流離ひ君を思ひ出すから

穢れ無い君の儘
君の姿はあの森と海にたゆたつてゐる
浮かんでゐる

溶け切つた體は其のすべてになる。

2004/05/11 (Tue)

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