詩人:是清。 | [投票][編集] |
今はまう腐敗してしまつた静かな静かな森の中
踊つて・彷徨つて・笑つてゐた二人
誰も見咎める事の無い深い深い深い森の中
あの頃の僕と今は居ない君が、
立ち止まる僕を嗤つてゐる
足元から崩れ落ちていく感覚
君を呼んだよ/喚んだよ?
頼りないあの日の青/青さ
「抜け落ちさうな紺碧の御空」
「解けて融けて・あの海に零れ落ちさうね」
君は笑つて・笑つて・嗤つて
あの不自由な空に融けてしまつた。
曇つて霞んだ灰褐色の御空
誰が濁したの?誰が壊したの?
まう二度と戻らないゆめ
流離ひ君を思ひ出すから
穢れ無い君の儘
君の姿はあの森と海にたゆたつてゐる
浮かんでゐる
溶け切つた體は其のすべてになる。