詩人:是清。 | [投票][得票][編集] |
溢れる水/恐ろしく澄み渡つた空等要らない/汚濁した赤い浴槽/其れが私の居場所/曇つた鏡/醜い肉片/憎らしい筈の片割れ/其れだけが私の味方なの・冷えきつた貴方の上/生温い魚の様に/白く光を反射する躰/只々揺れるの/黒い髪を乱す此の律動に耐えて居るの・色の抜けた/只真っ白な貴方の躰/抱き締める事/漂白剤の海/泳ぎ切る/未だ青い空/漂ふ事/身動きすら出来ない/役立たずな私・燃え尽きる/青い炎で/躰の中から/変わる/幾億の細胞から/心の内側から/此の指先から/貴方に依つて/蕩々。