紫匂ふ/妾の為の夕立/頭文字から/忌々しい/厭な記憶が/蘇つた/一方的な/好意にすら/行為にすら/甘いだけの態度/望んだ訳では無いのに・何故に/今更/何を望むと云ふのだらう/不可思議な/感覚に/妾の指先は震へる/乾いた言葉で慰めるより/直接的な抱擁こそ必要で/寧ろ誤魔化して/忘れ去る事こそが/妾達二人に残された/最後の手段なのかも知れない。
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