詩人:是清。 | [投票][編集] |
梔子/慕情/不如帰/虚しく囀る籠ノ鳥/曲がりくねつた/彼の鋼ノ檻・正しいもの等此の世に欠片も無いのだ/妾が無くした彼の人だけが/妾の総てを/否定し/嘲笑つて下さるから/不安定な情緒/不定期な御来迎も全く気に致しませぬ/但/妾を視てゐて下されば・繰り返される視線の交換より/唯一回の接吻で良い/湿度の高い逢瀬より/寧ろ乾いた寝台が好い/悲しく成る理由付けた禁欲より/直接的な間柄が善い/後ろめたい事等何一つ無いのだ/此処に敢へて記述する必要性も無いのだ/穿たれた小さな穴から無限に貴方は広がる/何も残さず。