疑ひ匂ふ彼の目不純たる妾の全ては純然たる行為に注がれ不可思議な夢の果てにひとつの確信を得る不愉快な爪の跡にふたつの意識が重なる幾度もの逢瀬と破壊は有り難くも無い雨を降らせる恋人は俯く彼の線路は繋ぐ酔ひ痴れて失ふ其の儘消える「まう旅立たない」小さな声で紡ぎだす狂奏曲今は眠つてゐたいの流れ着く迄恐がる事の無い明日へと。
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