詩人:是清。 | [投票][編集] |
今日も御空が綺麗です。
厭味な程に澄み渡つた青色を見ると、
私は少し透明な、無害な生き物になります。
然し御空は意地悪です。
忽ち曇つて仕舞ひです。
しとしと雨は降ります。
全てを歪ませるやうな曇り硝子を見てゐると、
私は少し皮肉屋になります。
例へば、朝食の席で。
真昼の居間で。
夕暮れの庭で。
真夜中の寝具で。
(「彼の時の首の痣が未だ此処に!」)
貴方は私の不機嫌を感じ取つては、
私の不愉快な遊戯に参加してくれます。
其の事で、
私がほんの少し元通りになる事を知つて居るのです。
だから私は安心して、貴方の腕に命を委ねるのです。