ホーム > 詩人の部屋 > Aiの部屋 > 小さくて、真っ白な天使。

Aiの部屋


[41] 小さくて、真っ白な天使。
詩人:Ai [投票][得票][編集]

彼と、

小さな小猫を見つけました。

細く、弱った声で泣いてて

よく見たら、
両目が見えないみたいで。

『助けて』『怖いよ』

って言ってるみたいに

けど、一生懸命歩いてた。

涙が止まんなくなって

たまんない気持ちになった。

彼にそっと抱きしめられ

ずーっと泣いてしまった。

どれだけ心細いだろうか。

どれだけ怖いだろうか。

寂しくて、寂しくてたまんないだろう。

今まで小猫はたくさん見てきたけれど

こんな小猫は初めてで。

雪のように真っ白に綺麗な毛並み

痩せ細った体、両手に包めるくらいの

小さな体。

開けれなくなった目。

してあげれる事が思い付かなくて

せめて、タオルを被せて。

きっと、もう長くないのかな

あたしは彼に、

「もし、生まれ変わる事が出来たら
あたし達の子供になってまた
来てくれたらいーね。」

って。

彼は、力強くあたしを抱きしめた。

真っ暗だったあたしの心にも

光が見えました。

今までの自分が情けなくてたまらなくなって。

真っ白な小猫は
真っ白な天使だったのかな、なんて。

また、会う日まで。

2010/09/04 (Sat)

前頁] [Aiの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -