ホーム > 詩人の部屋 > 清彦の部屋 > 愛するということ

清彦の部屋


[116] 愛するということ
詩人:清彦 [投票][得票][編集]

誰かを愛するということ

目をつむってぼんやり

昔のことを思い出す

明確にくっきりとはいかないけど

心まで響く

あの景色

君の声



本を読み終えた後のように

深く吸った息を

言葉に出来なくて吐き出す

針の音は時を刻む

あれから

どれくらい時が流れたのだろう



人は簡単に狂ってしまうんだね

というより

今が狂っているのかもしれない

うつろいながら

波のように静かに揺れている



君の手首には刻まれていた

何故苦しんだのか

それなら

何故愛し合ったのか

僕は歌わずには生きられなかった

何故苦しみを避けなかったのか

世間と同化して

うまく生きられたのに



誰かを愛するということ

ひっそりと

今でも

暖かい日差しが

カーテンの隙間からこぼれるように


僕の人生に

ちらりちらり

今でも眩しく

輝いています



2015/09/23 (Wed)

前頁] [清彦の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -