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清彦の部屋


[177] 君のお父さん
詩人:清彦 [投票][編集]

君のお父さんを

昔から尊敬している

あの頃は怖がっていたし

ちゃんと理由が言えなかったけど

つまり君を本当に大切にしてたからだと

今は自信をもって説明ができるよ



僕は弱すぎて

無責任このうえないからさ

屁理屈を着込んでさ

愛するということが

心だけでは済まないことが

わからなかったんだ



「空を飛べるような翼があったら」

ずっと憧れていた

そんな僕のことを

バカにもせず

「青空みたいだね」って

君は言ってた




君が手首を切るのは

痛みが欲しいとか

構ってほしいとかじゃなくて

僕が詩を歌うことと

あまり違わないと思ってる



最近タバコをやめられそうなんだ

君のメンソールの味を忘れるかも

君とのキスも

抱きしめた感触も

声も涙も顔も

忘れて生きるかもしれない


僕ら

違うどこかで

違う暮らしをしてても


空を見上げたとき

たばこの匂いがしたとき

昔の歌を聞いたとき


僅かに心のどこかに

お互いに静かに

生きてたらいい



翼はもういらないし

別に強くなくてもいい

いつか君のお父さんみたいに

大切な人のために生きるよ

2020/06/05 (Fri)

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