詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
君はまるで人魚のように
美しい女性だ
週刊誌に載っているモデルなんかよりもずっと清楚で清潔な
嘘が嫌いな純情な
そんな人
いつになく大声で
喧嘩した真夜中の13:00時
君は深く傷ついて
僕の一言は君の心をズタズタに引き裂いて
君が人魚なら
僕は魔法使いで
君が人間になる
魔法の薬を手渡しに
そして君はラストには泡になり消えてしまう
そうだ
君が泡になる
原因を作ったのは
他でもない
この僕で
償える言葉など持ってるわけもなく
ただただふてくされて
抜けきれてない中高生の気分で
ただただふてくされて
心の中では
君の帰りを誰よりも待っている
君の笑顔を誰よりも嬉しいと思うから
ナミダなんて流してほしくない
それなのに裏腹なまでに君は僕のせいで泡になった。
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悪いことだとは
わかってるのに
やってしまうのは
わかってはいないという証拠だ
理屈や言い訳でいつも正当化してる
こんな僕は
悪魔のささやきに
簡単に乗せられて
悪魔の口車に
いとも簡単に乗せられて
気づいたとき
とんでもないことをしてしまった愚かさを嘆くしか…
手首に残る
真新しい傷跡
寂しさや不満の証拠だと人はいう
痛みや怖さを超えた悲しみが僕にささやいてくる
それを僕は悪い悪魔とよんでる
そして今夜も悪魔がささやいてくる
耳を貸すもんかと
耳をふさぐけれど
いつも誘惑に負けてしまう
微妙な心を持った
少年の心の闇
吐き出す場もなく
気づけば
傷の上に傷ををまた一つ増やしていた。
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回りくどい言い方で
君に伝わるわけもなく
僕らは今以上
愛し合えることは無理に近いくらい有り得ないらしい
それでもキスの二、三回で
体を求め合うのは
元から持ち合わせた獣の本能のせいかもしれない
年頃のマセたガキみたいに
僕らはお互いを食い散らかした
もしも
僕が君のヒーローならば
なにから君を必死扱いて守ればいいですか
見渡しても守るものなんてなかった
君にはいつからか
がたいの良い男ができたらしいから
僕は他人のまま
君とバイバイした
快感をただ
求め合う
淫らな自分に
少しだけ嫌悪感を感じたけれど
それ以前に自分のしている事が良いことなのか
悪いことなのかわからないまま
今もこうして名前も知らない女とヤっています。
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生命線をたどってみたら
僕はどうやら短いから
三十前後でお陀仏するだろうって
友達が笑いながら
人事だと思ってゲラゲラと耳につくくらい笑ってた
誰もいない
放課後の教室で
シーンとして
時間の流れが止まってしまったかのように
ただかすかに聴こえる
誰かが引いてるピアノ音色だけが
無色の空間にそっと色づけてる
着古したパーカーをブレザーの上に着て
まだ肌寒い二月の風をまとって
帰りの坂を自転車で駆け上る。
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町は賑やかに
出店や抽選会を催してる
それは夏祭りの合図でもある
花火の音で始まる
君は着付けてもらったらしい夏らしい着物に着替えて
夕方頃
河川敷で待ち合わせ
ちょうど君がきたのが
花火の始まる頃で
花火は頭上高く
音を立てながら火薬のによいと一緒に
空へ舞い上がる
君は花火の一つ一つが上がるたびに
驚いた顔で空を見上げ
ハイなテンションで僕に喋りかけてきた
時を越えた 今
僕はもう一度
久しぶりに君に会える機会ができて
あのときと同じこの場所で花火でも見ようと約束した
思い出のあの場所で
君がこないまま
花火は上がった
それは一昨年のクラス同窓会で
知った彼女の事故死
それでも僕はあの日君と見た
思い出のこの場所で来るはずもない君をずっと待ってた。
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なるたけ君には尽くしてるつもり
だけどそれは飽くまでも自分の評価であって
君がどんな風に受け取っているかは想像に難くない
長期休暇の高速は信じられないくらい混雑していた
ラジオを消して
たばこももみ消して
君に携帯で電話する
『今夜は遅くなりそうだから夕飯はいいや。途中で食ってくるわ…』
そう告げた後で返事も待たずに僕は携帯のOFFのスイッチを押した
再びラジオのスイッチをつけて
たばこの火をつけた
ラジオから聞き覚えのある懐かしい歌手の声が聴こえる
窓の外には輝く
まん丸なお月様
吐き出す煙は風に乗り揺らいですぐ消えた
前の車が進み出した分だけ同じく前に進ませた。
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『最終ラウンド
KO勝ち!』
徐につけたテレビから聴こえる
ボクシングの審判の声
僕も思えば
人生の最終ラウンド
際どい選択に迫られていた
鐘を鳴らす合図はなくても生まれた瞬間から僕の勝負は始まってたんだ
今がそのとき
くすぶったままの
君との今に
一か八かの
左ストレートをくらわすぜ
打ち返されぬようにガードも固めて
『あなたのことが好きです!』
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君が部屋に遊びに来るたび
僕は君と甘ったるいキスを交わす
なにが楽しいのか
ポルノ雑誌を捲ってニヤニヤした顔の友達
そんなものつまらねーよ
彼女もいないくせによく言うぜ
そうだ
おまえには言ってなかったな
自分と両親しかまだ知らない
僕の彼女
年は一つ下で
僕より頭一個分低いくらいの背丈で
美しいというよりも可愛いといった方が似合ってる
そんな彼女
kiss kiss kiss
僕らは愛を描くように
kiss kiss kiss
今日もお熱いキスを交わす
邪魔するものはなにもなく
君と僕の明日に阻む障害物は今のところないけど
君の方はどうかなぁ
疑ってるわけじゃないけど
君があんまりにも優しいもので
kiss kiss kiss。
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つまらないことで食い違う僕ら
後で考えたらバカらしいほど
下らないことで苛ついていたことに気づいた
顔を赤らめながら
君は少し笑った
こちらを横目でなぞるようにして
僕の身勝手なキスを君は何もいわずに受け入れてくれた
最近良いことなんてとんとなかった
気だるい毎日を過ごしているには
今の重苦しい空気は場違いみたいで
時の流れに吸い込まれて
いつの日か
君と僕が二つに裂けてしまうから
今僕が君の大事な人であるには
これからもずっと君の大事な人でいるためには
そろそろいい加減
二人大人になって
素直になればいいと思う
背中合わせの毎日に
あの日の甘い時間を流し込むように
僕は今から君に謝りに会いに行く。
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全く違う価値観の二人
でもどうにかお互いに譲り合って
毎日をどうにか暮らしてきたんだ
組み合わない歯車みたいに
そろそろガタがきたみたいだから
油をいくら注いでみても
動き出す気配はなく
そのまま二人
運命に逆らうこともなく
今、確かなものは
きっと何もない
あるとするなら
終わりへと続く僕の旅には君はどうやら付いてこないらしい
だから
このまま二人
サヨナラだ
もう会うことはないだろう
だから
涙が止まらない
サヨナラだなんてなんて嫌な響きだろう
でも二人は
サヨナラすることを拒まずに
サヨナラすることを選んだ
煌めいた沢山の思い出が
鮮明に流れ込んでくる
それはすべて
この一言で脆くも崩れさるよ
サヨナラ…、
サヨナラ………、
サヨナラ………。