詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
君は今誰を求めているの
僕は一体なにを求めているんだろう
二人の求めるものが違うから
それぞれが別の道に逸れるのは仕方のないことなんだろうけど
僕はそんな決まりきった運命さえ
今裏切ろうとしている
君を失いたくないがために
僕は猛り狂った獣のように君を愛してた
こんな曇り空なのに
晴れるわけもないと
誰もが諦めても
僕と君だけは信じていた
そしていつの間にか
空は信じられないくらいに晴れ渡り
二人の明日をそっと照らすように
暖かく太陽が顔を出した。
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見えない未来の不安に狼狽えている自分
思わず耳を塞ぎたくなる
知られざる現実の厳しさと冷ややかさ
僕らはきっと
見えないからこそ怯える
見えているのならきっとそれ程怯えはしない
見えない未来に抱えている
誰もが持つ不安感と
言い知れぬ孤独感が僕を暗闇のどん底に突き落としていく
すべてそれのせいにして
無関係な誰かを
大切な誰かを
傷つけてしまう
気づけば本当に孤独になってしまっていた
胸には微かに残る
君の名残と不安の影。
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行き場をなくした
哀れな子羊が
安らぎを求めて
教会に群がり天に祈りを捧げている
もしも
僕が悪魔なら
そんなこと無駄だってことを囁くように教えてやりたい
悪魔だって多少は憐れむような心は持ってるから
だから尚更教えてやりたい
僕がいま君にできることといったら
きっと力ずくで祈りを止めさせる以外にない
神様なんて結局はまやかしだってことを
そろそろ現実に戻さないと
本当に君の心まで黒く染まってしまうから
僕は無理矢理にでもそのふざけた
無意味な祈りを止めさせ
命の危険なぞ省みず君を虚々実々な世界から救い出すよ。
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僕たちは光と影を繰り返しながら
毎日をずっと暮らしている
眩い朝と深い暗闇の夜を交わらせて
僕らはずっと生きてきた
何万年の間にどれだけ流したか知らない涙はどこへ流れてくのか
行き場さえもわからぬまま
僕たちは今日も光と影を繰り返すんだ
日暮れと夜明けという
始まりと終わりという意味の名を付けて
僕たちは暮れていく一日に涙を流し
一日の幕開けには昨日の涙が嘘のように笑顔を浮かべるのでしょう
そんな風に
一日一日と時を削られていく
哀しみと喜びの狭間を行き来する。
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赤、青、黄の信号の色が交互に
何度も何度も繰り返し点滅している
部屋のガラス窓から見える
いつもの景色
濁った空が汚い灰色をしている
今にも雨が降ってもおかしくないくらいに空が染まってる
僕らの心に
巣くう孤独という化け物は
いつしか姿を変えて
さみしさになる
今見ている空の灰色のように
汚い灰色が三つ並んで
誰も住みたがらない僕だけの世界に
哀しみの雨を降らす
いつまでも
いつまでも
止むことのない
哀しみの雨を降らす。
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僕は、そうだ
夢に見た 確かに見た
届かない星を掴もうとするかのように
ずっとずっと追い求めていた
醒めぬ眠りの中
僕は永遠に覚めることのない世界の中夢を見た
それは、世界の最果てに行った夢
荒れ果てた世界
崩れ落ちた人家や建物の残骸
異臭をはなつ人々の腐った死体
空にはいつまでも降り続く紅い雨
夢を見ることを忘れただ途方に暮れ唄う哀れな詩人
その詩人は僕であり
僕ではない
言うなれば
僕自身の影だ
そして
夢から覚めたとき
僕はみる
世界の本質を
世界の本性を
世界の醜く酷なる姿を。
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誰もいない
駅の改札
意味もないのに
虚ろな瞳で眺める
白い息が切なくさせる
冬はもう終わり
これで終わり
やっと終わり
そう呟く
僕の瞳には
微塵の光もなくなっていた
あるのはただ、
虚ろに見つめる
記憶の中の思い出と
心に繋いだ
孤独な鎖
それだけ
ただそれだけ。
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1月1日…
君の死んだ日
あの日、たくさんの涙が溢れた
あの日はすごい大雨だった
君は遺影では笑ってたけど
本当はどうなんだろう
死ぬ前から
『死にたい、死にたい』と何度も寝言のように
言っていたけど
本当はどうだったんだろう
それを知ることはもうできない
なぜなら聞ける君はもうこの世にはいないから…
君の痛みや悩み事、受け止めてあげられずにごめんねということしか
できない僕を赦せる言葉もないまま
あの日からもう
十年が経ちます
この町は相変わらずです
アナタの方はどうですか
今も変わらず
死んだことにも気づかずに
『死にたい』を繰り返していますか?
そういえば
今日はアナタの命日
1月1日…
おゃ、雨が降ってきましたね。
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繰り返す過ちは
まるで波のように
何度も何度も
正しい心を押し流して
いつも間違った方向に進んでしまう
僕は得てして
失いたくない愛を浚おうとする
君はそれでも逃げようとはしなかった
だからいつもいつも途中で自らの過ちに気づく
波のように
ザーザーと音を立てながら
君は暖かい家族の元へ帰っていく
僕はただ見送るだけ
満ちては引く
波のように
満ちるのにも限界があるから。