詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
僕の家の前の駐車場の細い柱にリードで縛られた小さな犬
悲しそうな瞳をして道行く人に甘えようとしてる
飼い主はいつになったら迎えにくるのかな
夕方になってあたりが暗くなっても迎えにくる気配はない
やがて犬の姿も見えないくらい暗くなってしまった
犬のふるえる鳴き声だけが闇の中でひびく かすかな声
なにもできない弱気な僕を呼ぶように犬はいつまでも
くぅーん
くぅーん 鳴いてた
涙を流してるように
くぅーん
くぅーん 泣いてた
真夜中 ずっと
鳴いていた
朝 起きると冷たくなってた子犬
罪悪感が僕を包んだ
いつかの朝に。
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
昔よく叱られて何かあるたび来ていたこの河川敷
ここから見る夕陽が好きだった
どこよりもいちばん大きく見えるから
ふと目線を変えてみれば小さな男の子がひとりうつむいて
悲しそうに泣いていた
どうしたの?
めずらしく声をかけたら
その男の子はいつかの僕に似ていたよ
もちろん空似だよ
男の子はお父さんに叱られたんだと言った
そのとき僕の昔とその男の子の姿がシンクロしたんだ
他人にはどうでもいい話だろう 聞き流してくれよ
だけどそのときの僕の切なさは僕しか知らない深い切なさなんだ
そうさ
どうでもいい
でも僕には大切な記憶として今も思いでの中に鮮やかに残ってる
そのへんの矛盾が君と僕の違いだ
少年の流す涙は夕暮れに溶ける
にじんだ淡いオレンジがほら君を包む
胸が熱い 熱いんだ
どうしたらいいのかわからない
君もそうなのかい?
返事はないけど
男の子の目はそうだと言ってた
そして男の子はとたん笑って空気に溶けて消えた…
幻が見せていた幼いころの僕が手を振って消えた
あれはやっぱり僕だったんだね
あまりに思い出を懐かしく思いすぎて神様が僕にくれた幻なんだね
だけど幻なんだね
夕陽が見せた幻
きれいすぎて
わかりすぎて
僕も涙を流した
あの日と同じあたたかくてやさしい色をした涙を
そんなストーリーのほんの1ページ
いつまでも
おぼえていたいな
悲しかったけど
またそこが僕の成長記録
忘れたくないあの夕陽とあの空の色
今も胸の中で僕に笑いかけて思い出すたび僕と踊ってくれる。
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
悲しみは僕を置き去りにしてずっとずっと遠くへ遠くへ行く
喜びは僕にさんざん期待させておいてうまく弱った僕を裏切る
なにも信じられない
誰のことも信じない
僕の心
今
不信心。
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
夢も情も金も名誉も宛もなにもない
ここにはただむなしい風が吹いているだけ
形あるもの形なきものもすべて嘘のように過去を偽る
名もない花なら一輪咲いていたけど涙を忘れた瞬間に砂となって崩れた
風車がむなしく永遠をのせて回り続ける
きれいな昔をそこに描きながら胸の中でいまだ輝く記憶を絶望に重ねてなんとか命をつなぐ
明日も明後日もずっとこのからっぽの空を眺めながら
低い声をもらし飛べない鳥のように僕は傷つきすぎた翼をぺろりと舐めてる
目を開けて閉じて
ただそれだけを繰り返して今日も当たり前のように昇る朝陽に頭を垂れる
おはよう つぶやく声
あれだけ苦しめられたむなしさもまるで消えたよう
つかの間の光の中で僕は笑ってる
そのはるか真上にはからっぽの空
それをさえぎるように青空の屋根
ほら青空が雨で汚されればまた泣き出すんだろう きりがないなあ
サーカスのピエロのように笑っているだけでみんなに好かれるなら涙も隠すよ
でもたまには泣きたいよ
僕はそんな矛盾した気持ちを抱えたまま今日もからっぽの空の下 グチや文句を並べながら悲しみのつめたい雨がやむ時を期待して待つ
僕は気長に待つ
からっぽの世界の中
そこには何もないようで確かに存在している
そんな不思議な幻にだまされながら生きる
何かを欲しながら
何かを拒絶しながら
何かを嘆きながら
からっぽの心の中に涙のしずくを落とす
ポチャリ しずくが落ちる
そんなふうにみんな生きる
僕だけじゃないから…
それだけでがまんできたらいいけれど
そんなに僕ら人間は簡単じゃない
決まりきった理屈と僕の中にある絶対的な何かが絡まる
こたえは闇の中
霧が深すぎて見えない
見上げても見下ろしてもからっぽの空が僕を閉じこめるだけ
続いていく日常がそこにあるだけ
イヤならどうぞ安らかな死を そう脅すだけ。
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
夢から覚めたら
そこはどこなんだ
僕の大好きな世界はどこなんだ
夢はあまりにも
現実からかけ離れすぎて
一層叶わなそう
夢の楽しさを知ってしまったから抜け出せない 抜け出したくない
出口もわざとわからないフリ
踊りあかしたいよ
夢の中で
できれば ずっと永遠に
でも夢から覚めてしまえばそれも夢になる
夢の中で味わう楽しさと覚めてしまう恐怖に心はふるえてる
だから夢をみすぎるのもそこそこね
おぼれすぎないで
肩までつかって
30 数えるみたいにルールを決めて夢みよう
それが夢をみる人のマナー
ささやかなルールだよ
さあ お楽しみ
さあ お楽しみ
これからがおもろいとこ♪
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
君の心で僕は何色に輝いているかな
みんな僕を見る目が違うからみんなそれぞれの心の中にある目から通したら僕はいろんな色をした僕になる
きれいな色ばかりじゃない
影ゆらゆらまぶしく揺れる
夜はすべての嘘を光に変える
この素晴らしいフィルターで君にだけには好かれたい
輝いて見えるかい?
僕は君の目には
ねぇ うそつかなくていいから本当のことおしえてよ
暗くてなにも見えないちょうどいいこの夜におしえてよ。
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
いくつもの言葉が僕の中にあふれてる
それはまるで限りなくどこまでも広がる果てしない宇宙
君に伝えたい言葉もその中にあるんだ
気持ちが決意と重なった瞬間に僕は君に伝えられる
悲しいことに負けそうだから君の笑顔が今すぐ欲しい
ランプの精に願い事頼むなら今すぐ君のところへ行きたい
それだけだから 残りふたつの願い事は君のために残しとこう
僕らも宇宙のようにずっと終わりのない永遠の中で永久の愛を誓おう
苦しい今を楽にする都合のいい酸素はないけど
僕には君が酸素の代わり
だから大丈夫
君がいれば百人力さ
宇宙の中で太陽系の中でいちばん愛してる君のために僕は探し続ける
本当に伝えたい言葉
その中に込める思い
宇宙は広すぎるけれどいつか伝えるから待っててね
この愛を
この感謝を伝えたい
気持ちは宇宙より無限大でありたい
そんな僕のすべて君に迷わずフォユー
闇をかき消して光を描けば見える
その先に 君の笑顔
まるでどこまでも果てしない宇宙に差し込んだ夜明けの太陽 昨日の孤独を忘れさせてしまうくらい君は僕を照らした
素晴らしい宇宙の中にふたり今もふたりずっとふたり
どこまでものびた永遠に続く道をなぞるように僕ら進む
輝く星ふたつ寄り添いながら
きらめくための方法ゆっくり探してく
やさしい光に包まれながらふたりの宇宙は限りなく心の中で広がる。
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
どうして悲しい気持ち忘れようとするけど
どうして悲しい気持ちほど忘れられないの
どうして素晴らしい思い出は忘れちゃうの
どうして素晴らしいほど忘れちゃうのかな
悲しみがまるできれいな思い出に嫉妬してるようさ
悲しみくん
嫉妬しないでよ
悲しみくん
嫉妬するならば
シットダウン
僕の素晴らしい思い出まで悲しい色に染めないでおくれ
きれいだったはずの思い出なんていやだから
悲しい気持ちになったらすぐシャフトダウンできたらいいのに…
そんな気持ちも大事だよという世の中がわからない
それでもその繰り返しに笑ってしまう僕もわからない
つかの間の夜明け
鮮やかに空を染める光
泣き笑い
泣き笑い
繰り返して
今日もまた
夜明けは静かに
僕を染めていく
遠ざかる足音
近づく足音
おとずれては
去りゆく 何か
悲しみくん
悲しみくん
やっぱり君なしじゃ喜びも半減しちゃうのかな
喜ぶに喜べないのかなあ
今はそういうことにしてたえておこう
あいまいな期待にだまされながら
やがてつよくたくましくなる 勝手にしろと言われても
無駄にはしない
涙も切なさも
すべて僕の力
鍛える場にしよう
悲しみくん
もうしばらくは
僕とダンスだ
死ぬまでふたりきりダンスだ
おぼつかない足取りであやういステップ
それでも確かに僕は明日へたどり着く
どうやら先導されてるのは僕で悲しみに導かれてるようだ
わざと悲しませてるのかなあ
悲しみくん
こたえてくれよ
君は本当はやさしいの?
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
涙は流しても尽きることはない
だから同じように
笑顔も何度浮かべても消えやしない
寿命も期限もないさ
命が追いつくところまでそばにいてくれる かんたんなカラクリさ
息を切らしてわき腹の痛みこらえて走るように日々がまんを繰り返す
それでも
やがてそのがまんは力に変わる
涙も強さになる
流れ流れて涙は風になる
やさしい雨が瞳から降り出す
ほら振り向けば鮮やかな夜明けが君の心をそっと照らす
差し込んだ光に手を伸ばせばほらねあたたかい
生きる喜びと生きるつらさを人は胸に抱いて 僕も胸に抱いて
はいといいえの二択でこたえを出す
自分と他人を秤にかけながら 日々机に向かう
悲しいけれどうれしいこともある
この世界でこれからも僕は…
その先よりも今をつねに頭に描く
僕は絶望の闇より絶え間ない希望の光を描く
無謀でも世間知らずでも一心に自分を信じて 歩き続ける
涙と笑顔の真下を
今日と明日の狭間を。
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
今さっき目の前に降り立ったはずの祝福の時は一瞬で消えた
口の中に放り投げたあめ玉もぼーっとしてるうちに溶けたよ
僕の目の前を素通りしていくいくつもの時間たち
時の始まりを無視するみたいに僕はいつでも他人ごと
でも それはまるで夢のようだった
夢をみている気持ちだったんだよ
恍惚のまどろみの中でかすかに感じるリアル
不思議なひととき
人生はそれの繰り返し
パラパラマンガみたいに短いけど楽しい
それゆえにくたばりたくない
いつまでもいたくなる世界
それが僕の今いる場所
いるだけで不思議な気持ちになる世界
リアルとリアルじゃない夢が混ざりあう世界。