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甘味亭 真朱麻呂の部屋  〜 投稿順表示 〜


[3615] 夜と朝との谷間
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


愛の谷間にうもれていっそ窒息死したい
君の無駄にデカい胸の中にずっぽりはまりたいな
そんで幸せ 僕は

ゆううつな夜明けが今朝もおとずれた
会社なんて行きたくない またそんな事ばかり

会社に行く暇があるならずっと君と戯れていたい
ウデを絡めあって
欲望のままに
夜と朝との谷間に生まれる世界の中へひらひら堕ちていきたい

今すぐその谷間へ飛び込みたい。

2009/02/01 (Sun)

[3616] 愛と悲しみと渇望のバー
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


夢をなくしてしまった人たちがさまようようにたどり着いて集うバー
お酒を呑んでる
酔った頭で考えることといえば別れた女房のこととか

なぜだかお酒を呑むと悲しいことばかり輝いてしまう
妙に美しく見える

子供は元気かな
僕が心配する
差し出されたハンカチは花柄模様
振り向けば美しいレディ
心が揺れる


今夜だけはひとりではとてもいられないから
おつきあいください
どこのどなか存じませんが どうか一夜だけ
一夜と言わず永遠に一緒に本当はいたい
だけれど僕はこのあいだ別れたばかりの身

夢をなくした人たちが集い涙を言い交わすバー
カランと鈴が鳴って今夜も切ないジャズのかかってる店内で素敵な一夜が待ってる
店名は愛と悲しみと渇望のバー
なにもかもなくした男の逃げ道
ほら 君もドアをあけよう
力なんかいらないよ
さあ ふらふら
そろそろ 腰あげて。

2009/02/01 (Sun)

[3617] プロローグ
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


失くした恋はまたつぎに始まる恋のための終わりへのささやかなエピローグ

今から 始まるのがほんとうの恋だよ…

恋はね すばらしいものだ
だけれど切ないのさ
今さらだれでもしってるね
恋をしたことのある人ならみんな…

この恋はつぎの恋が始まるまでのささやかな息抜き

大丈夫だよというけど何が大丈夫なの? いつになったら始まるのでしょう
プロローグ
プロローグは

切ない恋だね
また
繰り返す切なさに胸が痛むんだ

臆病になって
心の扉を内側から閉めて
ほんとばかみたい…僕
この 弱虫…!

それでも切ないのが恋なんです
みかんみたいに甘い酸っぱいがあるのが恋なんです
始まってから気づくのも恋なんです

それでも好きになったら止まらない
それも恋

すべて
プロローグを開始するためのほんの序章
まださ
プロローグは開始されてもいない目次さ

さあ
始めなさい
淡くも美しい恋のスタート地点からふたたび走り出せ
幸せになるために
幸せにさせるため
僕らは愛し合ってく
僕らは愛し合ってる

ただ好きという気持ちふたつ出揃った時点(だけ)で始まる
それが恋のプロローグ
僕も。

2009/02/01 (Sun)

[3618] ピアニシモ
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


いつかこの場所から消えるのかなと思うと悲しくなるんだ
今 僕はここに存在していられるのに
なぜだめなんだろう
永遠が無いばかりに僕はいつか消え去る 影も残さず
米粒ひとつ残らずたいらげられた炊飯器の中みたいに…
僕に関するすべては死んだもおなじ
悲しくなるから捨ててくれ 燃やしてくれ

誰かにはグチだと思われるかもしれないけど僕には切実な問題で決して外せない出来事だよ

あなたにもその時がきたらさよならしなきゃね
ああそっか…僕より先に逝くわけがないか
お母さん
お父さん
さらに切ないな
未来を想像したら
光りの隣におなじくらいの割合で影が隣り合う

光と影を背負ったままの僕は逃げるように夢の中へ

感じる気持ちはすべてピアニシモ タクトをふるように流れる時間よ
ピアノのメロディのように鍵盤をたたく指のように切ない人たちよ

命よ 響け
終わりが仕方ないなら
命を 歌え
今を輝かせたいならば

ピアニシモ 僕を導け

光の中へ
太陽の下へ
地面から出る
芽のように
僕を深い深いこの闇から救いたまえ
叫んだ声がこだまする世界で。

2009/02/01 (Sun)

[3619] 優しい時間
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


たくさんケンカもするけど
仲がいいほどって言葉もあるから
なんて不器用なことしか言えないけど
結局は僕は君が好き
そのことだけはいつまでも変わらずねじ曲がらずにおなじ愛のうたを君に歌い続ける

僕の心のいちばん奥で光り輝いている感情は君への果てしない思い
言葉や時間には限界があるからなかなか真意にはたどり着けず言い切れないこともあるけど
そうさ
結局 伝えたいことはただひとつ
君を僕は絶対的に愛しているってこと
シンプルだけどそれが僕の真実だ
これ以上美しい感情はないだろう
それこそが僕の真意
難しいこと言っても回りくどいだけ
だから愛を正直に語る
孤独の森に迷いこむまえに抱きしめあおう
おたがいの寒さやさびしさを和らげよう

なめらかなその指
つややかな髪
どこか憎めない瞳
君の好きなとこたくさんあるけど数え上げたらきりがないね
だから君のすべてを愛そうと思う
だめなとこもまた君の持ち味さ

きびしいときも僕はやさしさをおりまぜてなるべく君の心のふるえを少なくしたい
僕だってきびしすぎる人は嫌いだもの
君だって嫌いなはずだから そのへんはちゃんとわかってるよ
痛いほど

だから少ししょっぱくて甘い不思議な塩キャラメル味の優しい時間をもっともっと
明日もずっとずっとくりかえしたい

君と僕がいるこの世界で
ふたりが笑いあえる場所で

優しい時間をつくろう
材料は毎日の日常の中にあるから

言葉にならないほどの燃えるようなせつなさと不屈の愛を心に抱きしめながら
おなじ運命の延長線をたどりやがて消えゆく僕らはおなじ悲しみをもつ人同士として愛しあう
またそれ以上の理由で愛という感情を抱く
ひとりの悲しみやさびしさは君のおかげで緩和され
君なしじゃもう生きれないこの心は君にうばわれたままで
それが妙に嬉しくて。

2009/02/02 (Mon)

[3620] しあわせという場所
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


愛してる
これ以上何が言えるだろう

僕は確かに
君を愛してる

そうだよね
愛は限界なんかない
ずっとどこまでも愛はつづいてく

愛がそろそろおきまりになってきたら
新しい愛を探すより
おなじ努力とおなじ誠意を死ぬまでおなじ人に向ける
それが愛だよ

たとえばね
彼女が大好きな風船を思い切り限界までふくらませる
パンクするかもしれないとか自分の被害も省みずに
ただ君のために

そんなくりかえしが実は愛なんだ
くだらないとかおざなりだとか言うんじゃない

愛してる
これ以上はないけれど

きっとそのくりかえしが新しい光を与えてくれるんだ
昨日と何ひとつ変わらず僕は幸せ
それがきっと愛だよ
幸せなんだよ

退屈するのはその幸せに満足しきってる証さ
大丈夫 そのうち
その良さがよくわかる時がくる

歳を重ねれば
しあわせという場所で既に僕は幸せだったと思えるから
朝陽のまぶしい坂の下
まだ坂道はつづく
けれどそれがまたどこか幸せ。

2009/02/02 (Mon)

[3621] 弱虫ピエロ
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


弱虫ピエロはいつだって涙を隠して笑顔をつくる
へたくそな笑顔をつくる
隠せてないよ
むりやり笑う糸目からは涙が今にもあふれそう
ひきつらせた顔今にも泣き出しそう

本当の弱虫はなんだ? 泣きたいのに気持ちを偽り笑う僕みたいな奴だ
カラフルなテントの中で僕だけがモノクロ
不人気者
失敗ばかりのピエロ
そうじゃない
みんなおなじさ
誰かの声は聞こえない 聞こえない
そうやっていつまで耳をふさいで世の中に媚びを売り魂まで売り渡すのか

弱虫ピエロ 膝を抱えて化粧が落ちるのも気にせず泣き崩れる

使命と自我の狭間で揺らぐ日々
裏に回れば笑顔は消える
それでもステージに上がれば笑う
バカかと思うよ
それでもへらへらゲラゲラ笑う

自分がわからない
すべてがわからない
なにもかもわからない

弱虫ピエロ
鏡に映した僕の分身
ほらそこの自分(おまえ)
笑えてないぞ…

泣いたって
ピエロ
だけど笑っても
ピエロ
でも泣けて笑えもする
それがピエロ
ピエロだって人間さ
それくらいの権利はある
だからピエロであるまえに君は人間
それを忘れるな
すべてがピエロになってしまうまえに
すべてをつくり笑いで偽ってすませられるようになるまえに
人間としてのハートを取り戻せ

僕は引き出しにしまったつぎはぎだらけのハートをもう一度胸に押し込める
ピエロの化粧を落とし人間の顔で笑う
ほら こんなにも僕は笑えてる
人間だ
僕はピエロじゃない

弱虫だけれど
それでもつよい弱虫
ピエロの笑顔は涙を偽るものじゃない
あくまで客を楽しませるもの
だからむりに悲しい気持ちを隠さなくていい
人間らしく泣いてみよう
人間らしいピエロになろう

そうだ それがいい

だから僕は弱虫ピエロ
まれに見る勇気あるピエロ。

2009/02/02 (Mon)

[3622] 風船と命の類似点
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


風船はすぐ割れちゃうね
もろいもんだ
針を刺せば割れちゃうね
はかないものさ

それでも
赤 青 黄色
みんなそれをわかってて破裂するまでの時間を精一杯生きる
風船として
自分として
一生を貫き通す

負けやしないさ
悲しみなんか
せつなさなんか
風船みたいに
飛んでゆけ
いつか割れるさ
僕みたいに

なんか似てるな
命と風船
そこに感じた類似点
そしてもう一つ感じたもの
それは風船のもつ強さ
しぼんでも頑張って浮かぼうとする
僕も老いたって色々やりたいことがある
しぼむにはまだ早すぎる
きっと明日しぼむとしてもわからないでいられるなら幸せ
それまでの時間をそう精一杯生きるだけ
それだけだよ
きっと僕ら
どう頑張っても
それだけだよ
できることは

生まれたあかしとして
せっかくの命を無駄にしないように
生きていたあかしとして
せっかくの時間をパーにしないために

風船みたいにふくらませてくれた何かに
誰かに感謝しよう
今こそ 感謝しよう

この憎くも悲しくて素晴らしい世界で生きることをゆるしてくれてありがとう
尊い時間をありがとう
この命大切にします
お母さん
お父さん
そして
いるかはわからないけどいちおう神様

僕の誕生に関わったすべてにありがとう

歌おう
歌おう
しぼみながらも心は衰えない 記憶か吹っ飛んでも魂は衰えない
しぼむほどにつよくたくましくなる
約束しよう
僕は寿命がくるまでつよく明日を望みつづけるよ
そこに描く
見えるかぎりのキャンバスに
何も見えなくなるまでは きっと

ゴミ箱に捨てられる割れた風船の残骸みたいにやがてそんな運命をたどっても
忘れない
命在りし日のときめきと輝きを

ずっと 僕は空の真上に真っ赤に燃えている。

2009/02/02 (Mon)

[3623] 振り返ればいつも黄昏
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


今日もたくさん泣きました
僕は泣けました
素直になりたい気持ち少しも偽らずに泣けました 上出来です

明日もたくさん泣きたい
悲しいことがたずねてくるのがしかたないならせめて自分の気持ちに素直になりたい 他人の言葉におずおずと従って気持ち曲げられたくなんかない

笑えないことばかり散らかってる日々
だけれど闇の中で小さく輝く星ひとつ
夜空だって暗いけどぜんぜん見えないわけじゃない 足元くらいは見えるだろう
月明かりも星明かりもあるから大丈夫
明日も僕はその真下で昼間傷ついたぶん夜はいやされたい

時間は進みたいのか進みたくないのか よそ見してるあいだに過ぎていく
水面に映る月みたいな幻が踊る世界で僕はまだ明日も生きているだろう
きりもなくそう思う
ほんとうは今にも泣き崩れてしまいそうだけど汚い1日の中にもあるわずかな美しさに心呼び止められて僕は涙の代わりに笑顔を浮かべる
死にたいなんて言っていた自分がうそみたいに笑えてる

そして はっと気づいて振り返れば黄昏の中にいつもたたずむ僕が夕陽に照らされてる、その顔には笑顔がひとつ
そのために生きてる
そのために生きてる
けっして言い過ぎじゃない

だってこんなに僕は悲しいけど考えてみれば今の生活にそれほど死にたくなるほどの異存はない
ほらそれはつまり
幸せだってあかし
何も言えない
ほらそれはつまり
満足してるあかし

僕はあざやかな朝へ明日も夢を飛び出して笑うことをなにより望む
どんなに悲しくても死にたいなんてやっぱり言うもんじゃないな
最後まで最後まで
この世界には迷惑かけよう
不器用でも生きていく
僕は空高く生まれもっての生きる権利をかかげる
死にたいと言った気持ちを谷底へ投げ捨てて。

2009/02/03 (Tue)

[3624] 恋桜
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


恋桜 花びらをピンク色に染めるもの
それは美しい初恋
いつまでもいつまでも色あせないから
ずっと初恋は初恋

美しいまま
散ることもなく
咲き続ける
心の奥の花畑で

秋に咲く桜と書いて秋桜
春に咲くのが桜だけど春桜とは言わない
でもそんな事気にしないで僕らは生きる

春に咲くのが春桜じゃなくても秋に咲くのが秋桜ならば
恋をしたときに咲くのか恋桜だね
心だけに咲く桜だから恋桜

恋桜 花びらをピンク色に染めるもの
それは美しい初恋
いつまでもいつまでも色あせないから
ずっと初恋は初恋

美しいまま
散ることもなく
咲き続ける
心の奥の花畑で

叶わなくても
散ることもなく
咲き続けている
心の奥の奥の

僕の 記憶の中で古傷のようにあるのです。

2009/02/03 (Tue)
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