詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
もも色に色づき始めた桜の花びら
君の頬紅がピンク色に染まったとき
僕ははじめて春だなぁと感じ取る
桜並木を二人で
歩いていると
桜の花びらがヒラヒラと舞い落ちて
まるで雨のように二人の視界に降り注ぐ
『キレイだね』ってそれだけで春だ
僕たちの恋に終わりがないようにこの光景にも終わりがないように願いたい。
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きっといつかは
死する運命なら
僕はその前にやるべきことをし終えてから永眠したい
誰もが思うだろう
後悔や未練を残したくない気持ち
どうせ死ぬなら気持ちよく死を迎えたいと思うだろう
誰もが望むことだろう
僕も年老いて死んでしまうのは確実
誰もが同じ
それが自然界の摂理だから
裏切ることは誰もできやしない
きっといつかは
僕も骨壺の中
墓に埋葬される
だからその前にやり残したこと
君に伝えたい思いをダメ元でも伝えようと想うのです。
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そこにあったはずの今は時を越えて
思い出になってしまった
美しくも切なくさせる
それが思い出
なにもかも新鮮だったのは
ただ単に若かったからだけじゃない
きっとそれは心とも若かったからだと思う
思い出や過去にすがって生きていくのは
きっと想うよりもずっと侘びしい
思い出はたまに思い出すから美しくも懐かしくも思えるんだ
毎回のようにあの日を思い返してばかりいては思い出とはいわない
在りし日のことを懐かしく想うのは
きっと若かった自分がどうしようもなく名残惜しいからで
羨ましいからで
だからきっと
僕は過去を彼方へ遠ざけられない
だから
輝きを失ってしまったみたいに
ただ心も体も老いぼれていくだけ
在りし日の唄を口ずさみながら。
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他人とは違う何か特別なものいつも手にしていたくて
少し無理をし過ぎたのかな
とにかく相手より勝った何かがあればよかった
だからそのためには手段を選んでる場合じゃなかった
湿気た火薬を意味もなく握りしめ
熱さに耐えて得られたものはやっぱり意味のないものばかり
心にはいつの間にか誰かを羨んで積もっていった灰が残っているだけ
このまま何処を目指して
何処へ飛んでいくのか
行き場をなくした翼は意味を成さない飾りになるだけ
飛び立つ先はきっと誰も教えてはくれない
自分で見出さなくちゃダメなんだ
特別なものばかりかき集めたって無意味だってことに今さら気づいたんだ
後になって悔やむことそれが後悔
今胸の中を隙間なく埋め尽くすよ
飛び立つための翼さえなくした僕に起死回生の手だてはない
ただ飛び立つ誰かを見届けてやるだけだ
瞳をぬらしながら
心を青く染めながら
ただ飛び立てぬ悲しみを必死に押し殺すだけだ。
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私の心の扉はかたく閉ざされている
もう誰も信じないと自ら扉に鍵を掛けてしまった
暗やみの中光の差さない独りの世界
永遠にこのままでいい
聴きたくもないこと
やりたくもないこと
しなくて済むから
誰かといるよりも心が安まる
聴くもの 見るもの
感じるもの
すべてなくなればいい
すべて感じなくなればいい
そんな世界にあこがれて行き着いた場所は誰もいないこんな孤独の世界
空を見上げても一つの星も見当たらない
つまらない世界
でも
私にとっては楽園
これ以上の幸せはない。
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優しいだけの言葉は意味を持たない
傷つけたり悲しくさせる言葉はなぜか容易く口にできるのに
なぜか優しい言葉や愛に満ちた言葉が
なぜだろう気恥ずかしいのか眩しすぎるのかなかなか伝えることができない
気持ちはちゃんとここにあるのに
言葉にするだけなのに
声にならない
君に伝えたい思い
いつまで経っても言えない
こんなんじゃいつか誰かに先を越されちまう
錆び付いたレールの上を走る列車になって
今まで抱えてきた悲しみも傷みも
ぜんぶまとめて切り離せたら良い
君に言えずにいる勇気のないオレも…
恋のレールを君と一緒に走りたいよ
何処までも限りなく澄んだ青空の下
助け合って認め合って
いつか二人分かち合えるときが来たら 良いなと僕は今
ツヨく想うんだ
ツヨく願うんだ。
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アスファルトにはじける雨音がする
車が水たまりで水をはじく音がする
君との関係を絶って
もうどれくらい経つのだろう
カレンダーはあの日からめくらずにあの時のまま八月の文字が色あせてる
絶え間なく続いてる僕らの暮らしのなか
別れと出会い繰り返す事をいちいち根に持ってもいられない
それでも君のこと
どうやったって忘れられない
それだけ君との生活があの日の僕の日常に浸透していたんだね
今考えれば痛いくらいにあの日が名残惜しいよ
そういえば君と別れたあの日の朝も
今日の空みたいに雨が降っていて
濁った灰色をしていたな
こんな日にはよけい悲しくなる
君のこと思い出しては押し込めようとして
ヤッパリできなくてため息がただ切なくこぼれた
吐き出した切なげな生ぬるいため息は八月の雨音に容易にかき消された。
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燃え盛ることなく
社会の冷たい風に煽られて消えちまった
オレの情熱の炎
旅立つ男の背中は少し汗くさくて
なんだか不安げな影を帯びていた
目いっぱい丸まらせて世の中に媚びを売る
なんて情けない奴なんだ
社会という集団の中で繋いだ関係はすぐにきっと断ち切られるさ
いつかきっと嫌気が差す羽目になる
一度消えちまった
炎はもう点かない
はじめから点くわけもない
経験も実績もないうちから難しいことはできない
盾も剣も銃もないんじゃ戦いなんてできやしない
湿気った火薬なんて放り投げて
メゲずにさぁもう一度戦いを起こそう
僕の中にはまだ開花していない力が備わってる
そんな気がするから
もう一度戦ってみようぜ。
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やってもみないうちから諦めムード
面倒くさがっては僕はすぐ投げ出した
昨日の後悔をまだ今日に引きずってきたまま
僕はどうしてこんなに切羽詰まった日々を送っているんだろう
ふいに空を眺めてみた
雲が自由に青い空を泳いでいた
僕もあんな風に自由になりたいな
だけど僕には自由なんて
きっとこないだろうな
タバコの煙が僕を蝕んでいく…
悲しいような切ないような
いつもと変わらない退屈な日曜日
そしてまた慌ただしい日々にもまれるんだろう
もがきながら足掻きながら
だらしなくあくびをもらすんだろう。
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どこだか知らないけれど名前も知らないけれど
幻の花園がどこかに在るらしい
一年中寒々とした冷たい風が吹いていて
草花は枯れきり
空はいつもどんよりとした不安になりそうな曇り空で
鳥といえば烏ぐらいがたまに気晴らしに飛んでくるだけだ
人は誰も住みたがらず
何年も前から空き家となっている住めそうもない蔦の絡まる
家の原形をなくした廃墟がいくつか並んでるだけ
そうしていつしか人々からすっかり忘れ去られて
幻になってしまった
悲しい悲しい花園
孤独で嫌われ者の僕が住むにはもってこいの場所だと思う
邪魔するもの遮るもの
なにもないから
僕はここでなら伸び伸びと暮らせるよ
美しさなんて欠片もないほどにかけ離れた
汚いだけの花園
でも僕にとっては楽園だ
僕はこの花園に
名前を付けたんだ
誰からも忘れられた
僕とおんなじ孤独が板に付く
全くというほどなにもなくただ憂うつなだけの『憂うつな花園』
錆び付いて今にも壊れてしまいそうな
ブランコがキーキーと嫌な音を立てて揺れている
ただそれを見つめているうちに一日は過ぎる
住むもの、暮らすものを憂うつにさせる
憂うつ以外の何物でもない
だから『憂うつの花園』。