詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
波は大荒れ
空は濁った灰色
甲板に立った私の頬に冷たい風が吹きつける
旅立つ私を手を振り見送る者などいない
私はたった独り
まだ見ぬ世界の中へ
今にも怖じ気づいてしまいそうな気持ちで
それでも私は船を漕ぎ出す
大人への船出に出るんだ
社会という波にもまれながら
いつか夢を叶えるため数々の困難を乗り越えて
目的地へと渡航していく
そのために僕は何もかもをあきらめて船出した
心に夢と希望を詰め込んで
荒波にも冷風にも屈せず進むのさ。
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キレイに片づけられた心の部屋
誰かが訪ねてくるのを心を開けるに価する誰かをいつも待ってる
散らかしたあなたの心の部屋を私が片づけましょう
キレイになったら
きっとあなた自身も変わると想うから
僅かばかりの希望にすがって
それでもあなたが変わらなかったとき
そしたらあきらめてキッパリ別れましょう
ここから見える景色はどれも切なさをはらんでて
キレイなように見えても実は隠れた場所に汚れがあること
見過ごしていたのかもしれない
だからあなたとあの日別れる結果になってしまったんだわね
ドアをノックするのは
心の汚れた人ばかり
キレイなように見せかけて
汚れきった人達ばかりが私の部屋を散らかした
弄ぶだけ弄んでおいて
どうせなら最期まで弄んで欲しかった
それでも物足りなく感じたあなたは
汚い心を持った少し可哀そうな欲張りな男(ひと)。
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小川のせせらぎ
澄み渡った空
甘く熟した果物や木の実
誰かの弾くハープの音がきこえる
でも君の姿は何処にもない
ただハープの音だけが悲しく響いているだけ
キレイなはずのハープの音も君がいないんじゃキレイなだけの音だってだけで終わっちまう
ぐらりと空間がねじれて歪んで目覚めるといつもと同じ僕の部屋
彼女の肩代わり
あの子が呼んでる
君のいない世界で今日もまた新しい日が始まる
君のいない世界なのにいつもとなにも変わらない
それどころか僕はふと気づくと君を忘れそうになる
危なく忘れる間際で思い出しては涙が頬を伝うんだ
この世界でたった一つだけの楽園を失った僕に残された
莫大な君の貯蓄ともう還らない君のいない
息が詰まるほどの淋しい失楽園。
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夏のある日の午後
日溜まりの中にぽつりぽつり咲く紫色の紫陽花
梅雨の雨に濡れて瑞々しく咲き誇っている
太陽の日を浴びて
こんなにキレイに咲いている紫陽花を見るのも
なんだか久しぶりだな
ゆっくりする暇もなかったから
なんだか普段見るよりも紫陽花がキレイに見えるから不思議だな
こんな普通の日常の中にある
ふとした幸せに気づけた僕は幸せなんだろうな
雨上がりの空に架かった虹のように
美しいものはすぐに消えてしまうけど
きっとだから美しいものを素直に美しいと思えるんだ
短い命だとしても立派に生きた証がちゃんと残っているように
きっと紫陽花が咲いていたという事実は僕の瞳は誰よりも覚えてる
そんなことを思ったあれから何年経ったか
紫陽花の咲く庭で
あの紫陽花は散ってしまったけど僕は未だに覚えてる。
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長い長い夏休みが終わった後の
休みの気分がしばらく抜けないみたいに
きみとの別れの痛手がまだ僕の中から抜け切れてない
きみを忘れん
この先何年経っても
何歳になっても僕はきっと忘れはしないだろう
幾多の季節を越えようと
きみが僕を忘れてしまっても
きみと僕が愛し合ったあの日だけはこの世界が破滅したって消えない
紛れもない事実
だから
僕はきみのこと
どんなことがあっても忘れんよ
それがきみと愛し合ったことの確証だから
時々は懐かしくも切なくも想わさせてもらいます
嫌がられない程度にね。
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退屈紛れに出かけた宛もない散歩
夏の日の見慣れた道
いつもの公園
良く遊んだ砂場
今はもうないジャングルジム
茶色に濁って錆びきったブランコにのって
あの日をしんみり思い返す
幼い僕とあの子が遊んでる
砂の城を作ってすぐまた崩れて
それでもまた作り直そうとして何度も失敗して
それでもあの子の為に一生懸命に城を築いていく
きみはそんな僕を見て汚れのない澄んだ瞳で僕の方を見る
あの頃の恥ずかしいような懐かしい思い出
僕の心に直接、染み渡るような五時のチャイム♪
その瞬間、心にそっと
静かにそっと届いた気がした
いや、確かに届いたんだ
キレイな夕焼け色をしたリボンの付いた思い出の小包がね。。。
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なみだ瞳にため込んで目を赤くしてる
君はまるでウサギのようだな
夕焼け空に約束した
君とこのまま変わらぬ愛のまま
未来には人から羨ましがられるくらいの
夫婦なろうねって
誓ったんだ
あの日の僕は半ば無理矢理に
先の見えない未来に自分勝手な妄想をおり交ぜながら
少し世界を甘く見ていたのかも…
だから僕は君との約束すら
果たせないほどにずい分悪いことやってきた
きみを傷つけるような言葉を平気で吐いたし
人が変わったみたいに自分でもなんか
訳が分からなくなってて気が付くと
僕はいつも君の頬に平手をくらわせていた
こんな僕はまるっきりダメなパパだ
お腹の子もきっとそう思ってるに違いない
別れ際 あの日と同じ夕焼けにあの日と同じシュチュエーション
映画のように動き出す他人行儀な悲しい場面(シーン)
ほら 何だっけ
言わなくちゃ…
言わなくちゃ……
君に今一番伝えたいコト
謝罪も感謝もぜんぶ詰まった大事な一言
……渡しそびれた愛してる!!
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無い物ねだりの延長戦
勝手気ままな悲劇のヒロイン
甘い言葉で丸め込む
ワザとからだを密着させて
欲望をあらわにする君は豊満な胸元ちらつかせ
誘惑じみた最終奥義
コマンド必殺
フェロモンファイヤー
あえなくダウンを決め込んだ
泣く泣く出した十万円
安月給の平社員、心を伏せて泣いている
その場しのぎの優しさにまんまとだまされ大損だ
貢がされ貢がされ
気が付きゃ財布はスッカラカン
シビアなカレカノ関係。
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君は優しい人だから僕に優しくしてくれる
でもその優しさに僕は甘えすぎていたのかもね
あんまりにも心地よくて
僕はいつもメロメロさ
今日のケンカの熱は一日経てば
冷めているよ忘れているよ
ケンカをしても二人はヤッパリ一人じゃ淋しいから
すぐに気づけば仲直り
きっと僕たちはそれほどにつながっているのさ
切っても切れない運命の糸で
僕の手のひらが君の手のひらよりも
大きくできてるのは
僕が男だからじゃない
きっと君を守るため
悲しいとき涙するとき抱きしめて包んであげるために大きいのさ
だから今夜もほら
君を抱きしめるよ
君の手のひらは小さいけど
スゴく暖かくて優しい手をしてる
それはきっと女の子だからじゃない
きっと君が優しい人だからさ
優しい人の手のひらは優しい形と大きさをしてる
抱きしめたら
つぶれてしまいそうでも
優しく抱きしめたら
すっぽり胸に納まるんだね
暖かいな
優しさのによいがする。
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自分の幸せは素直に喜べるのに
全く知らない他人の幸せ喜べないのは
当たり前なのかな
それとも僕がただ無関心なのかな
不幸と幸せの交差点
寄り道をせずに
ちゃんと最寄り駅で降りたよ
アナウンスが機械的に同じ声で降りるはずの駅の名をくり返す
触ったらすぐに崩れてしまいそうな
今日でも案外僕は楽しめているのかな
心を意味もなくときめかせ
見た目とは違い優しい心を秘めた
大人になりきれてないもう一人の僕の部分が
ほら…ほら…
無様な僕を笑ってる
君の心も僕の心も
元を正せば生まれなかったかも知れない
偶然の産物
運命なんて言葉で片づけて良い生き死にがあるはずもない
遠い日の夕暮れ
今見てるはずの夕暮れ
未来に見るだろうはずの夕暮れ
それはすべてとろけそうで崩れそうな
赤ん坊の名残 ババロア。