詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
僕の生まれたこの町はとても素晴らしい場所さ
笑顔あふれる人々はいつも絶え間ない幸せを振りまき
やさしく笑う
耳をすませばすぐ近くで波の音がきこえてくる
押しては引いてく波がまるで今日が消え去る事を知っているみたいにせつなくためらいがちにその最後を飾るんだ
手を振る僕は冷たいアスファルトの上
昨日から明日へ
そして
明日から昨日へずっとどこまでも流れてく意識
この世界に出会えて良かった
そして僕が僕に出会えて良かった
また目覚めたら僕に出会えること
なんて素晴らしいんだろうなって思えることが幸せに思えて良かった
けっきょく全てが全て良かった
僕を喜ばせるものもあれば
僕を悲しませるものもある
それがあるから僕がいる
逆にそれがなかったら僕はいない
そんな奇跡みたいな素晴らしい毎日の中生きていられる それも幸せ
運命じゃない
奇跡でもない
ましてや
偶然なんかじゃ
片づけられない
道理の上を僕は歩いて
その数だけなにかを知りそのぶん痛手を負ってきた
気づいたら意外にたくさんあった幸せ
今 見つめなおした自分への戒めの詩
あの日確かな時間はわからないけど僕に出会えて
ほんとに僕は僕に感謝
誰に感謝すればいいのかわからないけど
とりあえず全てに感謝
深い根元にも感謝
僕を生んだなにかに感謝
そしてその手助けをした母に感謝
育ててくれた父にも感謝
どこまでもさかのぼりゆかりのある全てに感謝
僕に感謝状を
どこかの体育館の威厳ある台座の上
僕が僕に読み上げるよ
その功績を
僕が僕に手渡しで
判入りの証書を渡すよ
緊張しなくても台座の下から見てる人は
皆過去や未来の僕だから大丈夫!
だから誇りを持って受け取るんだ 僕よ
昨日までの自分と明日からの自分を称えよう 今こそ!
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長びく恋は終わりにしよう
本物の恋ならば時間はかかっても必ず実るものだと
どっかの本には書いてたけど
僕はそんなの信じない 信じないよ
季節がまたひとつ
変わったら
その色を捨てたら
僕が次の季節の色に染めてあげるよ
次は何色かな
でも恋は忘れられないの
二人なれ合うまでかかった時間以上に長くのびた愛情がまだ僕をつかまえてるから
ねぇ…だけど もう一度
なんて僕は言えそうにない
一度は終わりにした恋だし
かといってあきらめられそうにない
どうすればいいのか
君に聞けるわけもなく
ひとり悩む僕は君からみたら救いようのないイタい人。
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ガシャポン人生
僕らの人生は
ガシャポン人生
いわば賭け勝負さ
なにが出てくるか
出てくるまでは
わからない
検討さえつかない
判断基準もくそもない
だから人生は
いつも大勝負さ
今日は今日で今日のガシャポンをひねる
レバーをひねっている瞬間 そしてひねり終わった瞬間
冷や冷やするぜ
高鳴れ鼓動 ドキドキ
心臓が破裂するくらいに
跳ねまわれ リズム
ポップなメロディー
ガシャポンの球体型のケースをふたつに割れば
どんな今日だかお楽しみがお楽しみじゃなくなるまで堪能せよ
人々よ
明かされる見えなかったけど今見えた真実の裏側
理想の向こう側
期待の向かい側
それがガシャポン人生
繰り返される日常
繰り返してゆく賭けの連続 持ちコインがなくなるなんて事はないから
大損もないし自分が追い込まれるスリルはあまりないけど
安全すぎるぜ
もう四十になる愛を誓ったバニーガールは未だおしりふりふり
僕を悩殺してるつもりなのか
効果はないけど
伝えるのも億劫だ
若いときはもっとおしとやかだったくせに
ガール!
とにかく今日もガシャポンをやるのさ
駄菓子屋の前 一時に集合
帰りの早い小学生だけに許された自由な時間
懐かしがりながら
思い出してた 数年前の僕
そしてその頃の日々
開け放された自由
そして今ある孤独は
蓄積されたストレスに匹敵するほど
僕を苦しめてく
僕を苦しめてく
僕を苦しめてく
ガシャポン 今はやらないから
ただ ガシャポン
やってみようかな
勇気出して笑われても
とくに大人っぽいやつ
見張りみたいにいつもいる駄菓子屋のばあちゃんは無視してひねるよ 少し汗ばんだレバーを一ひねり
隠れフィギュアは当たるかな
シークレットは当たるかな
夢中になっている僕は大人。
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神様の監視下のもとで飼われた僕らは世界の中で今日も生きる
僕を睨んでいる追っ手の目から逃れたい
あなたの冷たい目よりもずっと嫌なんだ
真夏の狂ってるんじゃないかと思うほどの暑さから
少しだけ いやだいぶ逃れられるひみつだといい場所 空に向かいのびた木々が屋根の代わりになって日陰をつくる
小さな避暑地に逃げる僕 とつぜんの風に自慢の顔をかばいながら四方八方に飛び散る髪の毛をつかまえる
スパイみたいな
コソコソした
動きを見せる君
その何メートルの距離から数歩おいて後ずさりする僕を君なら許すかな 許さないかな
白百合は可憐に揺れてステキな音色奏でる この恋はなにを言おうが乙女を乗せた難破船
君に思いを伝えるために必要なものは華奢なあなたのからだの隅々をなでる南風と沖合のカモメの影さえあればいい
港町から灯台の明かりが届くような
岩陰にひそんだ僕はカニ歩きで闇を横に進む
誰もがその胸に隠した迷えるヒストリー
僕ならあなたを光に間違いなく導くことが出来るから
ねぇ 手を貸して
痛みさえ強がって何事もなかったフリして
いつものキザなせりふで世の女どもを召しとろうとする
そんなあなた
昨日の私のデフォルメ
なんて
つい昨日は同じだった自分なのに
棚に上げる君も相当キザだよねなんて
笑いあう今があればそれでなんの問題はない!
神様の監視から
逃れられなくっても
女神にいつか
愛想尽かされても
僕はほかの女に乗り換えられるほど器用なやつじゃないから
どうかこのまま
平穏に時が流れ
二人仲良くいられること願うから
僕は見えないのにたたえられるあやふやな神様の影よりも
目に見えて信じられる僕と同じように現実にいて実在する君を信じる事にした
それでなんの問題もないよね
ねぇ僕にとっての神様 世界の全て 頷いて…?
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粉みじんに吹っ飛んだ僕の命のカケラが
明日の僕の胸に刺さって今日の記憶を植え付ける
だから明日の僕は今日の記憶を覚えてる
悲しいシナリオは忘れたいけれど
忘れちゃいけない事も世の中にはあるもんだから
自分を傷つけてまで手に取ることがどんなに嫌なのか知っているのに
人は今日を生きてく
人は今日をいつも買い付けに来る
生きる為の場所その人の生きる今日の全てが完売するまで
命のマーケットに買いにゆく 否が応でも
運命には逆らえずに
いやいや
無料だけど
悲しみという
代価と
喜びという
得なのか損なのかわからないお釣りを払って
複雑な思いで手にする同じ囲いの中で過ごすだけの1日
服用する薬みたいにきりもなく買う
乱用する麻薬のようにどうしようもなく欲しくなる
人は 人は 人は
今日を生きれないとただなにもない無に身を投げるしかないから
それならばと今日を買いに来るのかな
真っ白なシャツもやがて流した汗で汚く染まる
そんなふうに神様さえも永久の時間を与えられなかった
その罰として神様よりもっとえらい神様が昔 神様に人間の人生を監視するために永遠の命を与えられた
無期限の罰を与えられた
見えない重い十字架背負う 神様も
だから 僕はわざわざ
無意識に今日を売る店に出向いて今日を買いにおやじに金よりももっと高い物を出す
それはもう戻らない今日の代わりに差し出す過ごし終わった1日 その代価として新しい今日を受け取る
金なら払うからといつか永遠の命と今日に永久に住まわせる永住賃を要求したけど
だめでした
だから僕はこうしてまた人として人らしい終わりに向かい少しでも楽しめるようになおも命をすり減らすえんぴつのようなはかなさを抱いたままえんぴつのような命と時間の中で生きる えんぴつ削りに今日の分の命を差しこむ様に。
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目をとじて息を止めたら
耳で聞くすべて瞳に映るもののすべて
残らず嘘に感じた
どこか夢をみていた
僕はずっとそのまま夢の中にいたかった
現実に残した後先の日々のことなど無視して
繰り返してく日々の向こうにある不安と繰り返してきた過去の後ろに見える幾多もの過ち その数だけ
振り返れば熱い涙の記憶が心から消えず今も記されたまま
頭もぼんやりするくらい 夏は暑く
秋の到来をずっと心待ちにしているだけさ
毎日僕はなにをやってるんだろう
夢の先端にもふれられずにのうのうと日々をおくってる
そんな自分を強くなじったり 恥じたりしても始まらない
窓の外 通り過ぎる時間と無駄に見送るせっかくの季節
恋のひとつも知らないまま
こんなに願いはあるのに なぜか叶えようとしないから
願いばかりが積もりに積もって
部屋中を埋め尽くした無駄に願ってあげくなにも手をつけず終わりにしたその残骸が
たかが24時間の1日
昼間の勤務時間や授業時間より明らかに短い
少しの自由時間 解放されてもぜんぜんそんな気しない
帰れば飯を食い風呂に入りあとは寝るだけ
そんな生活がずっとこの先長い人生続いてくのか
そんな事考えてしまう今と比べたら あの頃のほうが勉強に追われてたけどずっとそっちのほうがましだった
目をとじて息を止めて闇を見つめて
不安や孤独から目を背けて
麻薬中毒者のようなうつろな目で生きてて
それでもなんとか自分ではうまく生きてるつもりだよ
おそまつさま
夕暮れの空に浮かぶ雲が長くたなびいて
どこからか車で売りに来る豆腐屋のテープの音が遠く響く
相変わらず叱られても散らかり放しの部屋の窓に寄りかかり新しい詩のアイデアを考える 頭をひねる
意味こそない時間さ だけど言い訳は無限にあり目覚めた意識の向こう側でまた僕を明日の僕が待っている。
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僕が君に送る思いはどのくらい大きいかな
たとえばお母さんが子供を思うような
じゃなければ恋人同士が思い合う気持ちに匹敵するくらいかな
いつでも僕が君に向ける愛は大げさなくらいで
それは永遠のない時間が物語る 答はいつも思ってるよりずっとかんたんなのさ
だからなにが大切かもわかるはずだ
どんなに小さな思いでも消えない
変に隠さないでいい
小さな気持ちなら小さな気持ちらしく
精いっぱい良いとこ見せてやれ
小さな気持ちの中にはもしかしたら大きな大きな気持ち以上の思いが詰まってるかも知れない
見えた光を信じてその光へ向かってゆっくり歩いてゆこう
きっとなにかわかるはずだよ
心の疑問が解けるとき
君の中の氷は溶けるさ
明日が今日に変わる様に
自然と全ては定着する
なんの不思議もなくそれを当たり前と思う
はじめだけの不安感を抱かせながら
沈んでく 沈んでく
泡だらけの海の中に隠れた光を見た
君が僕にしてくれる全て
僕が君にしてあげられるなにか
それが同じだとは思わない
それでも幸せの価値は君の中では問題視されてない
騒ぎ立てない
ただ目の前にある幸せが十分だからとステキな笑顔を
浮かべている
僕の胸の中に
いつも君がいる
君の胸の中へ
いつも送るんだ
ささやかなパルス
後からきた日々に押し流される今日はそのとたん過去となりさらに遠くなる
それでも それでも
確かに僕はここにいた
君と笑いあいながら
それだけは消えない
それだけは消させない
この僕がぜったい
約束したから
君と結んだから
運命の力がどんなに巨大でも
僕は立ち向かう
僕の精いっぱいの力でぶつかる
そして僕らしい終わりに目をとじる
君と寄り添いながら
ただ当たり前な幸せの中で少しずつふたり消えてく
それが一番幸せ。
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あなたのそばにいたい
あなたの笑顔をずっと見ていたい
でもいつか僕ら別れるのが運命
それならいっそ出逢わなきゃよかったくらいだ
そんな世迷い言を口ずさむけど
裏腹に楽しんでる
矛盾ばかりの僕
君は遠くでだんだん僕から離れてく 離れてく
手を伸ばしてもつかめない光
それが君だったのに
やっとつかんだ光だったのに
なぜ 僕は…
あんなばかなこといったんだろう
二人を突き放すような事を自らいったんだろ
人生最初で最大の
取り返しのきかない
大きすぎる過ちだ
運命の輪も狂い出す
あなたと離れたあの夜からずっと
僕は壊れた人形みたいにずっと
体の自由さえきかない
心が麻痺したような気持ちがする
しびれを切らして
君の元へ今さら急いでももう無理なことと知ってるから
なにもできずなにも言えずたださまようばかりのむなしい毎日
時間ばかりばかみたいに過ぎては来る日々。
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いくつもの奇跡を人は生まれてから死ぬまでどれだけ感じるのかな
でも人生で一番最大の奇跡はもう感じてる
きっと生まれた誰もが
だって生まれたこと自体がもう奇跡なんだから
だから僕らひとりひとりが奇跡の申し子
完治(なお)らない傷を抱えて生まれてきた人も
迷い悩みそして苦しみながらそれぞれがそれぞれに胸に隠した黒い不安の塊を背負い生きてる
どんなに濃く強く書いた文字もやがて時が経てばそれに逆らえずに色あせてゆく
命も同じなんだ
隣り合う運命のままに進むのみ
輝きはしないけど精いっぱいまたたく光
まばたきのようなはかなさに心の揺れはおさまらない
生まれるときもさよならするときも同じでそれは奇跡なんだよ
大げさな位大きな命の花を世界に咲かせよう
現実は起こるべくして起こることしか起きないと誰もがいうけど
奇跡をちょっとだけ信じてみても悪くはないとも思う僕のこの気持ちは心に七色の虹をつくる
優しい人になれるための最短ルート
そうしていつか消え去るときが時計の針を重なってもそのすれすれの時間まで僕は思うんだ
生まれてきてほんとに良かったと
そこではじめて思いたい
消え去るために生まれたんじゃなく
たとえ消え去る運命が仕方ない事だとしても涙には変えないさ
とびきりの笑顔で別れたい
わけなんて空に蹴り飛ばせ
誰にも探せないところへ
青空に混ざって見分けがつかない僕の水色な気持ち
それこそが一瞬の奇跡
それはきっと永遠の奇跡
生まれた証に生きていた証に
終わりの日に記録しよう
この世界のどこかに寄せ書き書くように
地味でも簡単に消えてもかまわないんだ
風にかき消されてもその事実が残ればいい
薄っぺらい少しだけの人生だけど永遠なんかよりずっとその内容はどれだけページを使っても足りない程記したい事がありすぎる。
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広がってゆくこの街の熟知したなりのテリトリー
僕だけの秘密の場所
その一つをきみだけには教えてもいい
きみが誰にもいわないならね
さっきまでそこで生きてた命もあっという間に時間がかき消す
遠ざかる昨日の影を追いかけながら
走っていたあの日の僕
元少年の夢ははかなく無残に終わるのか
こんな形で誰かに先をこされたようなほろ苦さを抱いたまま
雨はじきに降るよ
もう少しすれば
もしかしたら
もう降ってたのかな
ただ僕がただ僕が
気づかなかっただけで
未来は今だけは輝いて見えるね
でもいつかその未来にたどり着いたらそのむなしさを知る
今はたどり着かないからいいけれど
なんだか
なんだか
心が焦げ臭い
だからか
だからか
こんなに
胸が熱いのは。