詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
空間的に時間的に私は苦しんでいる
いつでもどこでも私は苦しんでいる
君がいるこの世界にいる限りは
私はその苦しみの呪縛から逃れられない
別れてしまった大好きだったこの世界に生きている限りは。
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時々忘れそうになる懐かしい記憶
どうでもいいような退屈な記憶ばかりが残っていて
少し切なくなる
少し儚くなる
君と別れたあの日を思い出すと、ね
とっても悲しく悲しくなるんだ
青い花束
君に渡した最後の手紙
あぁ
ちょうど去年と同じ今日の別れの日。
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今日はきっと水色の日
石畳を駆けていって
君の家へ行こう
新しい水色の自転車に乗って
水色の空の下を漕いでいこう
いろんな道を通り越していって
過ぎていく景色に振り向くことなく
ビュンビュン飛ばしていって
水色に染まりきってさ走りだそう
今日はきっと水色の日
染まって、水色に
染まって、水色に
染まって、水色に
今日はステキな水色の日だから
染まって、君色に
染まって、君色に
染まって、君色に
できれば僕の色に。
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夕暮れ時の僕の町の駅にはしばらくは人の足が途絶える
僕は独りで行ったり来たりする電車を何度も見送った
今日は不思議と帰っていく人の表情がなんだかおだやかで優しげだった
忘れるように過ぎていく日々は名残を残してきた昨日よりもずっとその前からも
続いていて積み重なっていて
少し切ないようなもどかしいようなそんな気持ちで
僕は今ぎりぎりに生きてきてそしてここにいる
これから失っていくすべてはもうすでに失ったものに比べたらはるかに多いだろうけど
でもまだすべてを失うには早すぎるだろう
振り返っては溜息をこぼす想い出なんてこれからもつくりたくはない
つくりたいのは思い出しては思わず微笑んでしまうようなそんな想い出さ
月と太陽が交じり合い目覚める瞬間にもう戻らない今日が終わったとはじめて感じるのです
あぁ 絶対に届かない昨日にはもう行きたくても行けないさ
ゆっくりと歩きつづけるこの道はまだまだどこまでも果てしなく
暮れゆく空を見上げれば心なしか切なくなるんだ
明日に行くための準備などしなくてもよかった幼いあの日に別れを告げたなら
そろそろ出かけよう
港町に灯りがともる頃
僕は見るだろう
この世界で今まででいちばん美しい景色を目にするだろう
降り注ぐ夕空からの贈り物
陽光のあたる静かな路地の白い家
君との始まりの場所
またここから始まるあの日からの恋物語の続き。
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どんなふうにこれから先僕の日々は流れていくのだろう
どんなふうな形になって僕の目の前に現れるのだろう
いつか僕にも終わりがやってくるけど
最近なんか味気ない日々が続いてる
こんなことやってて意味はあるのかなんて
考えては溜息をこぼす毎日
少しずつ少しずつ僕はこの世界から距離を置いて離れてく
ちょっとずつちょっとずつこの世界は僕に冷たくなってくる
どんどんどんどん
もっともっともっと
新しい一日が始まる時に
なるべく笑顔を浮かべられたらいいのに
簡単に思っていたら以外に難しいことでした
なめきっていた僕を現実は笑ってるように時間をかけて僕を退屈にもして憂うつにもしていきます
グッドバイ…バイバイ
もう逢えない今日の景色に
グッドバイ…バイバイ
もう逢わない今日のボクにさよなら、さ
夕暮れが時々ぼやけて見えて
さみしい色に染まるもんだから
ボクは涙を流してしまう
笑顔にしようとすればするほど涙はあふれてくるよ
なんだかうれしくて悲しくて
切なかった夏の終わり
もう二度と逢うこともない八月のあの日。
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もしもさ
僕が人間じゃなくなにか別の生き物だったなら
きっと今なんて比べものにもならないくらい必死になって毎日を生きていただろう
そう、たとえば蝉だとしたならば
その短い生涯の中でなにを想い鳴き、なにを胸に鳴き終えるのだろう
きっとその答は蝉にしかわからず、私などでは到底理解することなどできないだろう
夏の間中鳴き続ける蝉は
なにを訴えているのかそれすら私にはわからない
魚も鳥も虫だって
きっと人間の私には聞こえないだけで
そのそれぞれの持つ生涯を必死に鳴いたり泳いだり飛んだりすることで何かを見いだそうとしているのかもしれない
だから、私は私
私以外の何者でもなく私は私でただの私
鳥にもなれなく
魚にも虫にもなれない
人として生き人としてこれからも生き続け
そして人として死んでいく
だから、私は私のできることをさがしながら今も一本の同じ道を歩いている
この先もずっと歩いていく
私は私で君は君
それぞれがそれぞれに違った光り方をする光を持ちながら
一人一人が違った生活を営み、違った生涯を送っていく
だから、私は私
それだけの存在
君も同じなはず
されど、この世界にたったひとりの特別な存在でもある
だから、私は私で君は君
それ以外の何者でもない
それは命が尽きた後でも変わらない永遠不変の真実
魚も鳥も虫も
すべてが同じように限りある時間の中で自分という存在の証をさがしている
それだけは私が知ることのできるこの世での唯一の確かな事。
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この気持ちに正直になってまっすぐに君に伝えられたらいいな
きっとこの出逢いを逃したらこれっきり二度と恋なんてしたくなくなるだろう
君が誰よりも好きなのだからね
僕が好きになりたいのは君だけだからね
今君にこの気持ちを投げるから
受け止めておくれ
プレイボール。
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不安で押しつぶされてしまう夜に
僕は独り泣いていたよ
もう寂しくはない君がいるからさ
でも何でだろう
不安はまだ胸の中
僕を苦しめて涙させるよ切ない夜に
月のない夜にも
涙させるんだよ
いつでも不安だよ
どこにいても不安だよ
いつの間にか隣には不安が座ってて
僕はまた不安になる
だけど君といるこの時間のあいだだけはこんなにも笑えるんだよ
泣かずに済むんだよ
だからずっとずっと一緒にいてよ
僕を不安にさせるこの淋しさを埋めてくれ。
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永遠へと雫は繰り返し繰り返し落ちてはまったく違う雫が新しく浮かび上がる
なにもない真っ暗闇の世界から
ある日突然なんらかの意思や何かによって
雫は生まれ
そして消えていく
それぞれが決まった寿命という限りを持ち
永遠へと消え去っていく
消え去った後でも言葉や想いは見えずともそこに残る
たとえば私の心の中に生まれ落とした人の想いは残り
そして雫は私の身体の中にも紅く流れている
永遠に伏せる時になった雫は騒ぎ立てはせず静かに静かに落ちていく
そしてもう戻ってこない永遠という闇の中へ沈んでいく
その人が書いた幾多の言葉さえ届かない場所に沈みきって
悲しいと涙を流せることすらなく
空っぽの私はその雫と同じ運命をたどる
誰もが同じ最期をむかえるんだ
繰り返す連鎖のその途中で
いつか私も
そして君さえも
悲しい永遠の中へ
落ちていくんだ
悲しいとすら感じられることもない
空っぽの世界へ
落ちていくんだ
たれ流す涙の雫の冷たささえ
わからぬほどに
私は落ちていった雫と同様に最期は嫌でも瞼を閉じる
それだけは確実に決まっているこの世界の不変的な掟なのだから。
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ただ延々に意味もなく言葉を連ねていく
その言葉自体に意味がなくても
連ねていく内に自然と言葉はそれぞれの形を持っていく
だがその文字の集まりは見る者によっても変化し見え方も異なる
一枚の無地で真っ白な紙にただひたすらなにも考えずに書いてみる
初めはただの紙立ったものがだんだんと文字を自らの手で生み出していく内に文字自体も踊っているように書く者の意思にこたえる
知らない内に私は書いている文字に意味を持たせようとしていることに気づく
そうすることによって更に書いていく文字は輝きを増す
まるでそこでやっと色の付いた絵画のように
鮮やかな色彩をその紙と世界の全体に際立たせていく
時にはあまりに当たり前すぎて見る者にあきれられてしまうものもあれば
偶然にも意思と意思がぶつかって互いの中で共鳴するようなそんな時もある
それはとても不思議なことで見る側と書く側の気持ちは全く違うはずなのにある時ある瞬間に重なって分かり合える偶然の一致を生む
それは天文学的な確率で時には何気なく
私の心にそっと遠慮がちにたずねてくる
まるで永遠の中に落ちていくわずかな一滴の雫のように
私の心も誰かの心さえふるわせる
一瞬の音は聞こえるか聞こえないくらいの音をして
その人にしか書くことのできないその人らしい音調をいくつもいくつもこの世界に響かせる
それは時に小さかったり
大きかったり様々で
小さくても大きくてもそれは自分の心の中でも生き
日を追い歳を重ねていく内に言葉は厚みを帯びてくる
より洗練された言葉へ
より卓越された世界へ
形を変えながら言葉も世界も進化していく
たとえ小さき雫だとしてもその場でしか生まれない貴重な雫で
大きければいいというわけでもない