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甘味亭 真朱麻呂の部屋  〜 新着順表示 〜


[1189] ゆりかご
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

母の膝の上
まるで ゆりかご
父の眼差し
まるで ゆりかご
僕らは悲しい生き物なんだね
僕らは尊い生き物なんだね
気がつけば
そこにあなたがいて
気がつけば
やっぱりいるはずもなくて
不意に涙ぐんだりして
遠い昔、思い出したりして

それでも僕らは未来というペダルを漕ぐんだろう
それでも僕らは明日というオールを漕ぐんだろう

漕ぎ疲れる
そのときまで
僕が今度は"君"のゆりかごになってやるんだろう
母のようなやさしさで
父のような力強さで
"君"を守ってやるんだろう
無邪気に笑う君の顔にはどことなくこの僕の面影
今はもういない愛する人のぬくもりに似た
包み込むような僕の手をにぎるやさしくやわい手。

2007/06/19 (Tue)

[1188] 雨季の花
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


雨の中、永遠に枯れない花が咲いた
君の小さくなった想いを願わずとも運び届けよう

雨の日、永久に咲かない花が散った
花弁がひとひら空っぽの世界へ散っていく

何も出来ずにこの花を見ていたかった
背を屈めて少し歩いて土に埋めていく

永遠に枯れないし
咲もしないこの花を永遠に葬る

雨の兆し
晴れた空…晴れた心…前へ前へ進む僕
永遠に止まった世界の中で永遠を手に入れた花
まるでいつかの僕らのように
悲しい永遠に今
君はいて……。

2007/06/19 (Tue)

[1187] 命の羽根
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


"私"という存在は体中に何枚もの羽根を生やした一羽の鳥
その羽根の一枚一枚は私の残りの命を表す
その羽根は相手にも自分でも見えないから
はたしていつ詩が訪れるのか誰も知ることはできない
だがその透明な羽根の枚数によりそれぞれの残りの命の制限が定められている

それは今日という時間が終わるときに一枚ずつぬけ落ちていく
そして最期の羽根が抜け落ちたとき
すなわちそれが死なのだ

羽根はその死にゆくまでの過程にいくつもの生え変わりを繰り返す
そして羽根は年齢を重ねるほどに大きく立派なものになる
だがある程度の時期にさしかかると身体は老いていき
羽根はそれに伴って抜け落ちるのが早くなる

そして最期の羽根が抜け落ちた瞬間
その人の一生は終わりをむかえる
羽根は再び生えることはなく
だが血の通いをしなくなり白くなった身体は
まるで羽根が生えているように美しく
きれいに看取る者の視界の中で横たわる

静かに
ただ
静かに。

2007/06/14 (Thu)

[1186] 僕らだけの世界
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


あぁ
僕らは離れてもまたつながって
あぁ
同じ笑顔で分かり合う
分かり合えない今日を越え
分かり合えた今日に喜んで
そんなふうにいつまででも暮らしていこう
運命にひれ伏すことなく
偶然や奇跡いくらだって巻き起こして
変わらない愛でいつまででも寄り添って笑いあって行こう

永遠という名の終わりのない僕らだけの世界の中で。

2007/06/13 (Wed)

[1185] しあわせのうた
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

一人暮らしをし始めた頃
何もかもが大変だった
身の回りのすべてを自分だけでやらなければならないから
目の前にあるやるべきことをこなせばまた次から次へとやることは増え続ける

そんな僕にも可愛い彼女ができてさ
前よりは他人を気遣う心が学べた気がする
慰めあって励ましあって
僕らはそれなりにここまで歩いてきた

ほんの小さな当たり前な幸せが
心にあふれたら
不思議とふたりの顔に笑顔が生まれた
目では見えないお互いを想う気持ちで 僕らは
どこにいても何しててもつながっていられるのさ
同じ時間をこうやって過ごす度にふとしたやさしさに涙がでそうになる

ほんの短い僕らのこの命には
限られたリミットがあるけれど
でも大切なのはその短い時間の中でどれだけ君との日々を満足して生きられたかだと思うんだ
ふいに口ずさむ懐かしいメロディ
すべてが遠い思い出になっても
どんなに老いぼれても
いつまでも変わらない気持ちでいたいよ

だからそのために
一つ一つの壁をふたりで乗り越えていこう
しあわせのうた
唄いながら。

2007/06/13 (Wed)

[1184] 瞬間の光、永遠の光
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


僕らは一人一人が
もう二度とこの世界に現れることはない
唯一の存在だ

消えてしまえばもう現れることはない瞬間の輝きを持つ地味で貴重な鉱石なんだ

生き方は人の数だけあって様々だけど
きっと誰もが何かに向かって生きていると思う
時には雨に降られ
風に冷やかされたりする
だが、
暗闇をものともせずおそれず進んだ僕らには知らない間になにものにも負けないつよさがそなわっていた

そう
僕らは誰しもが瞬間の光
だが、
その生きざまは生きた証として消え去った後だとしても深く世界に刻まれる
たとえどれだけの財力と名誉を持っていても
どんなに悲惨で悲しい一生を送っていてもすべて等しく、等しい深さで世界に証は刻まれる
たとえ長年の月日の中で人々の心から忘れ去られても、証は消えずに世界に刻まれている
ただ見えないだけで…

瞬間に光り
永遠に輝き続ける光
それが僕ら
尊くかけがえのない世界にひとりだけの
唯一の存在なんだ
もう二度と現れない
それでも美しくとてもまばゆい光なんだ。

2007/06/12 (Tue)

[1183] 大好きなひと
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


君が好きさ
君が好きさ
誰よりも何よりも
大好きだよ

道は果てしなく
どこまでも続く
終わりなど見えないほどに
でも確かに終わりはあって
今、少しこの歳になって頭ら辺が見えてきたよ
でもまだ終わるには若すぎるから
僕は少し遅めのスピードで
歩こうと思う

自分が嫌いさ
とても嫌いさ
嫌気がさしてきて
仕方ないよ

僕は僕自身を非難するよ
君を傷つけるなら
つまらない言い訳や言い逃れは見苦しいだけさ
わかっていても傷つけるんじゃわかっていないのと同じさ
そこにやさしさを求めるのは
見当違いだよ 僕よ
サヨナラはイヤだよ
だから今すぐに君のところへgow win now

ごめんね
本当にごめんね
もうバカなことはしないよ
最後のお願い
聞いてくれた君はやっぱり大好きなひと
だから裏切らないよ もう
大好きな君だから
大好きなひとだから。

2007/06/11 (Mon)

[1182] 愛の唄
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

おやすみなさい…
そんな言葉、言わないでさびしいよ
でも君がいつもの笑顔で言うから
安心しきった僕は夢の中
でもほんとは眠らないでさ
ずっと君の話を聞いていたかったよ

夜がきてしまうことをおびえていたのさ
暗闇の中はやっぱりこわいから
夢の中でも気づけば君の姿をさがしていたよ
いつだったろう、暖かな春の風の中
いつか君が誓ってくれた二人の約束
夕暮れの空の下
声を風がさらって記憶の画面にノイズがかかる
思い出せそうなのに思い出せない
帰り際交わした
もう一つの約束

君の痛みが僕の痛みになったのはいつからだろう
時々淋しげな表情(かお)をして
僕の方に向き直って笑ったけれど
『僕も君もお互いにいろいろな悩みを抱えているんだ』
ぐらいにしか思わなかったけど…

あの日の夜三回目のデート、なにも言わず抱きしめたら
君は泣きながら
陰りを脱ぎ捨てて
僕の名前を何度も呼んで抱きしめ返した
あの冬の夜の物語

唄うように僕らは声を合わせて空に言ったよ
『愛してる』
白い雪が舞うきれいな景色の中
二人は忘れられないほどのキスを交わした
星が流れるイブの夜に

もう僕はおびえないよ
もう僕はこわがらないよ 君がいるから
君がくれるつよさとやさしさが奏でるこの世界にひとつの愛の唄。

2007/06/11 (Mon)

[1181] 19年代の音楽
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


19年代の音楽を今
懐かしがりながら聴いていたのさ
目を閉じれば今も鮮やかに思い出せるほど
その時代は僕にとって
かけがえのない輝いていた日々だった
泡のようにおぼろげな記憶
手繰り寄せて初めて色づく思い出のメロディ
いつまでも忘れたくない19年代の音楽

ひどく静まり返った部屋の窓から
見える景色は眺める度その良さを知っている誰もを懐かしさで悲しくさせる
ビルとビルの間
変わり過ぎた街並み
失いすぎたもう戻らない大切な何か
思い出せないのは
あの日、すべてむりやり忘れてしまったから
でもうっすらとした側面だけは忘れられずに悲しいことに記憶に寄生する

忘れることもできないまま
僕はずっとほろ苦い二十世紀の風を受けてこのまま時間につれられて知らん顔で歩いていく
一歩、一歩、また一歩と
僕は終わりが見えるところまで
時間から逃げ出せもせず歩かざるを負えない
だから懐かしさを胸に
19年代の音楽に身を寄せるしかないんだ
あたらしい時代の色に染まりきらないように
この懐かしさを忘れないように。

2007/06/11 (Mon)

[1180] 三十世紀の未来
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


僕があのころ描いていた未来はカッコだけの言うなればマニフェスト
ロボットも実用化されているこの時代に
唯一ないのは青いネコ型のお腹についてるあのポケットだけ
未来は少しずつ知らないところで進んでいる
空飛ぶ飛行機もはるか昔はなかっただろう
夢のまた夢だったろう
それを可能にして作り上げた人間は天才の域を越えてると思う
でも運命的なものを感じるのは気のせいだろうか
すべてが誰かの思惑通りで
すべてが退屈しないための餌となる玩具だとすれば
見えない糸が体中についてる気さえする

きっと僕が思うに三十世紀になれば
今なんか問題にもならないほど
世界は爆発的な進化を遂げる
通勤に使うのは電車やバスじゃなく
空飛ぶ車だろう
下手をすれば宇宙旅行も夢じゃないかもしれない
テレビを回せば宇宙中継のスペース銀河ホテル
ロボット技術ももう少し進歩して
人と人がしゃべっているような秒速の会話ができるロボットが生産されるかも
考えたらきりがないほど
遠い未来は輝きと期待に満ちている

ただひとつ
気がかりなのは
僕の唯一の願いである不老不死の薬はなにがあってもつくれないと想う
自然の摂理はそのころも今も同じで絶対だから
どれだけ時代や科学が進もうが
人に与えられた絶対的なものを侵すことはできないから
人ごときが太刀打ちできない領域はずっと"過去のあのころ"と変わらなく続いているから
人は悲しくとも
その摂理の中でその時代その時代に光を落とす
証という足跡を残す
DNA状に幾つも連なって続く時間というその途中に僕らは消えない何かを残す。

2007/06/11 (Mon)
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