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甘味亭 真朱麻呂の部屋  〜 新着順表示 〜


[1179] 夢のつづき
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

与えられたことを与えられたとおりに決まった手順でこの先もやっていくのかと想うとなんだか悲しくなるよ
逆らえる力もない僕はプログラムされた指示に操られ動くロボットと同じになってる
ただただイライラばかりがたまって
仕方ないんだ

僕は立ちつくす
誰もいない夜に
考えてること丸見えだよって
君に見透かされた夜に
僕は少しだけ切なかった
でもその反面ほんのちょっと嬉しかった

長い夜が静かにこのまま過ぎていくよ
夢のつづきを夜空に映し出すように
僕らは寄り添って
時々見つめあって
ずっと立ちつくすよ
星たちの瞬きにみとられながら
君のあまりの可愛らしさに目を奪われながら。

2008/02/19 (Tue)

[1178] 切ない夜に風が吹く
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


切ない夜に風が吹く
心地よく胸をやさしくなでるように
昼間の疲れをそっと癒すように
ただ当たり前に愛のない部屋に暖かさを届ける
ここから見える景色は
とてもとても寂しい
音達は息を潜め星の瞬きに見とれてるようだ
なんだかこう静かなのも淋しいものだな
もし側に愛があるならもっと暖かいんだろう
そう想っても切実な現実に我を忘れ忙しくしているだけで日が暮れる
言い訳だと知っていても本当のことだから仕方ないだろう
あのとき君に伝えていれば…
今さら後悔が胸を突いても
過ぎてしまったことはもうどうにもならないだろう
低くつぶやく声はかすかにふるえてた

いつかの夜
思い出してたよ 今
君と出逢うずっと前の切ない夜を
夜風は淋しさを煽るように今も吹く
けれどその淋しさの中にはやさしさもあって
君と出逢ってはじめて教えられたんだ
独りぼっちの時があったからこそ
こんなにも君といられることが幸せなんだって思える素晴らしさを教えられたんだ

あの夜吹いた風に
今もすぐ側吹く風に
あぁ
勇気とつよさをもらった気がする
時々負けそうになるけれど風はまた勇気づけるように教えてくれる
忘れてたあの日の夜を思い起こさせてくれる
やさしく暖かく
頬をなでながら 夜も朝でも。

2007/06/10 (Sun)

[1177] 黒い兎、白い兎
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


僕の心には黒い兎が棲み着いていて
君の心には白い兎が棲み着いている
僕の兎も最初は白かったけれど
どんどんと大人になっていく内に黒く染まっていた
あいつはニヤリと笑っておまえが悪いんだよって
話をするたび言いやがる
心当たりはきっとありすぎるほどある
僕はいつだって目立ちたがり屋で出しゃばりだから
いろんな人たちを今まで押しのけて踏みつけてきた
そのための嘘ならいくらだってついたし
傷つく誰かが悲鳴を上げても容赦なく痛めつけていた
そしたら兎はいつの間にか黒くなって
性格も刺々しくなっていた

兎は僕の心だったんだ
僕の心の兎が黒いのは
闇をあまりにも背負いすぎたから
悪ふざけばかりしすぎたがら
君の心の兎が白いのは
汚れを知らない光の中を歩いてきたから
傷つくことなんて少しも知らないから
だから君と僕は結ばれないのさ
一緒にいちゃいけないんだ
黒は黒と
白は白と
それがいちばん相応しく自然な定位置だ
愛が芽生えたって
きっと君を黒くしてしまうから
そんなことは絶対にしたくないから
もう誰一人傷つかせたくはないから
だから僕は白い心を持った君からある朝だまって姿を消した
もう君が追ってこれないくらい
遠い遠い場所へ
飛び跳ねながら
僕は泣きながら
できるだけ遠くへ遠くへ姿を消した

黒い足跡と白い涙を残して。

2007/06/10 (Sun)

[1176] 光の橋
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

アーケードの光の橋からきらめく街並みを眺めてた
恋人たちは温かさを求めながら寄り添う
少しでも心の体温を保てるように
青い悲しみの雨に濡れた世界に浸透していくように悲しみが街を濡らし続ける
理由もなく悲しくなるから切なくもなる
だから誰かのやさしさや愛情が恋しくなって
ふいにこんなさびれた夜の都会であるはずもない光をさがしてしまうよ

なにを優先すべきか見えない天秤にかけて
愛の重さを僕は切に知る

光の橋は輝きを増しながら
夢のような景色を夜空に浮かび上がらせる
鮮やかに世界を彩って
君はここにいるんだよって教えてくれる
だからもうちょっと
いや、終わりまで
僕は生ききるよ
光の橋を渡りきって。

2007/06/10 (Sun)

[1175] 鎮魂歌〜レクイエム
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


気遣いややさしさなんて今はちっともいらないよ
欲しいのは心の余白を埋めるための君じゃない愛さ

きりもなく続く見苦しい言い訳に
弱い心を惑わす黒い嘘の中に
少しだって罪悪感はあるのだろうか
この細い指先に感じた微弱なしびれはいつかのさよならのささやかな鎮魂歌(レクイエム)

あぁ
そしてまた今宵、
弔いの歌が流れる
さぁ悲しみの涙流すがいい
白い天使たちの舞うその姿を目にした後で
舞い落ちる粉雪
手をかざして手のひらで溶けて消える
その一瞬の美しさを僕は忘れない
なにも言わずに
ゆっくりと舞い降りる白い雪
目をつむって僕は誓うんだ
君を忘れない、と
もう忘れない、と。

2007/06/10 (Sun)

[1174] 万華鏡
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


僕の心は万華鏡
いろんな景色や思い出を見せてくれる
君の心も万華鏡
きっと君の心にも同じ景色が映ってる

今の今まで気づかなかったよ
自分自身の過ちに
危うく誤った道を歩むところだった

小さな幸せに喜べる人
人の悲しみも一緒になって悲しめる人
そんな人だよ
優しい人だよ
君っていう奴は天性のお人好し

だから
僕は君が好きになった
そして
募る思いは言葉になって届く
いつの間にか二人は奇跡的に結ばれてたよ

僕の心の万華鏡は悲しみだって映すけど
ちゃんと幸せも映してくれてる
君の心の万華鏡も僕と同じに幸せを映してるはずだから

覗いてごらん
自分の心の万華鏡を。

2007/06/09 (Sat)

[1173] 空と海の話
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

私の見上げた視界に入った青い空
鳥たちは羽を伸ばし自由にさえずっている
雲は空に身を任すように流れ
ただひとつの汚れも知らない
真っ白なその色であちらこちらに散らばっている

七色に色分けされた
虹はいつでも私を小さな旅に駆り立てる
まるで
私の背中に乗って
私の身体を伝って
お行きなさいと言っているように

青い青い空の向こうには
きっと きっと
私が知らない明日が待っている
窓を開ける度
朝が訪れる度
私を知らない世界に連れて行ってくれる

そう
空は私にとって
今日と明日を繋ぐ
広い広い
大海原なんだ
だから
私は泳ぐんだ

どこまでも
どこまでも
私は泳ぐんだ
この身が果てるその時まで
私は泳ぎ続ける
青い空の下を
どこまでも
どこまでも
走りつづける
雲を追いかけて。

2007/06/09 (Sat)

[1172] 感情
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


人間にはいくつもの感情がある
あるからこそ
泣けたり笑えたり
それこそ
憎んだりできる
だから
私は今あなたを愛することができる
心無い言葉で傷つけることもできる
違う人間なんだ
価値観も異なるだろう
考え方も別個なんだろう
だから
時には行き違いがあったり
喧嘩をしたり無口になったりする
だが
幸いなことに感情があるおかげで
私はあなたとまたこうして笑い合えることができる
たとえ
違う異性で
違う価値観を持っていたとしても
人間であるという事実に誰が疑いをかけようか

今改めて思う
感情の大切さを
心から思う
あなたを愛せる素晴らしさを
あなたを守れる素晴らしさを

私は誇りに思う
まず、人間として
次に、ひとりの男として
きみに出逢えて本当に良かったとつくづく思う。

2007/06/09 (Sat)

[1171] こちらとあちら
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


向こう側から昔の僕がこちら側にいる今の僕を眺めてる
空にはあちら側にある月とこちら側にある月がふたつ
音もなく流れ落ちる水の壁が世界と世界を隔てている
手を伸ばしても
あちらの世界にはいけない
なぜならもう過去には戻れないから
僕だけじゃなく誰もが戻れないから
僕はただ過ぎ行った昔を思い返すだけ
それだけでいつか消え去るように
ある日突然僕は影さえ残さずいなくなる

あちらにもこちらにも存在しなくなる
でも相変わらず月はふたつ浮かんでる
世界は僕がいなくなっても存在し続ける
でも死んでしまう者にとっては終わりにも等しいだろう
時間の有り余った人を羨むのだろうな
勝手だとは想っても想わずにはいられないだろう
その想いさえ消えてしまう日はやがて誰のところにもやってくるのだから

悲しまずには終われないんだよ
涙せずにはいなくなれないんだよ
でも今はまだこちら側から
あちら側を当分眺めることができる
約束された終わりが見える頃、その一分一秒まで
僕はあちら側に行きたがるんだろう
無理だとは承知していても仕方ないほど僕は行きたくて行きたくてそれでも戻れないから
だから急がずにはいられなくなる
限りという線のすれすれまで。

2007/06/09 (Sat)

[1170] 想いが実る日
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


指先についたクリームを舐めるきみ
僕の話を興味あり気に聞き入るきみ
夜空の遠くを眺めながら一番星を探すきみ
いろんなきみが僕の頭の中で微笑んだり怒ったり拗ねたり
器用に表情を変えてはふとしたときに泣き顔みせる
ウサギのような赤い瞳をして
抱きつく温かさに
愛の必要さを改まって考えさせられる
いつまでもいつまでも
こんな風に変わらない気持ちで寄り添えたり慰め合ったりできたら
それだけで幸せだと思えるよ
それだけをずっと願い続けてるよ
これから幾つの悲しみに出逢おうとも
どんなに世間から必要にされずはねのけられても
望んで売り渡した心は
ずっとずっと
きみが大切に大切に抱きしめていてよ
そしていつか
想いが実る日が来たら花を咲かそう
形のある命という花を
家族というかたく結ばれた絆を
生み出すんだ
僕たちのこの手で
生み出すんだ
やれるはずだよ
愛し合う二人なら
やれるに決まってるよ
愛し合う僕らなら
運命だって裏返せるはずさ
だからね、
絡まって分け合って譲り合って
不器用でも信じるまま歩いていきましょう
想いの実りを信じながら歩いていきましょう
裏切りのない僕でいること誓いながら歩いていきましょう。

2007/06/09 (Sat)
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