詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
退屈を連れながら
過ぎ去る日々
積み重なっていく
苛立ちと不安の中で
忙しさに時間を奪われて
寝て起きて寝て起きて
繰り返す日常
憂うつを背負いながら
僕の声は誰にも届きはしない
濁った都会の空気に混ざって消えてしまうから
吐き出された溜息と同時に声を失ってしまうから
独りぼっちの夢の中
立ち止まりながら
憧れを夢見る
傷ついてしまうのがとてもこわいから
やろうともせずに
ただ声に 言葉にするだけ
涙しながら笑ったふりで
重ね合わせた唇と唇
幻のように目覚めたら夢だと気づく
理想ばかりが
妄想ばかりが
膨らんでいく いつも
時にかげりを背に抱えながら
時に八つ当たりしたりして
独りの淋しさを 切なさを はかなさを
必死にごまかそうとする
でも
余計に悲しくなる
そして気がつくと
いつも
泣いてる
うつむきながら
顔を歪ませて
君の声が今すぐ聞きたいよ
僕の心にすっと陽が差すように
暖かな春を届けるように
帰りの電車の中
眠そうに疲れた顔をしてる僕
曇った窓の外
かすかにのぞく月の光
届かない夢
現実という交差点には
いつまで経っても
信号は青に変わらず
ただポツンと立ち往生
見上げた空はこんなにも青いというのに
心は萎れてて
ひどく赤茶けてる
さび付いた鉄のように
ひどく傷だらけ
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もう そうなっては…
もう こうなったら…
そんなことの繰り返し
諦めてしまえば
楽になれるけど…
諦めてしまえば
遊べるんだけど…
繰り返して繰り返されて
心の中でよく考えて 考えて
僕はきっぱりあきらめた
そしたら夢は叶わず終わって
僕はひどく悔やんでいた
それは全て
あきらめたから
僕が悪いから
仕方ない
そうなっては もう
こうなったら もう
このまま
歩いていくしか…
後悔を胸に
歩いていくしか…
そう
またあきらめてさ
もう 何もかも
すんなりあきらめてさ
歩いていくか…
なぁ 僕よ。
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学生服の学ランの黒い色とも違う
工場のドラム缶にたまった油の黒とも違う
傷跡が黒く固まって瘡蓋になったあの色とも
雨降りの空の暗雲とも違う
不安の黒色
どんよりと黒く
どんな黒よりも
もっと濃く
もっと深い
僕の胸の中
蜷局を巻く
不安の黒色
それはいつも
黒く 黒く
僕の心を染め上げる
悲しく 悲しく
僕をさせる
いつだって
何処にいたって
僕の隙を突いては
涙させ 切なくさせ
儚くもさせる
それが不安
黒く 黒く
澱んだように
消えず なくならず
僕の心に巣くう
不安の黒色
それが不安
不安の色。
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僕という人間に最後に残るのは何?
僕という人間が最後に欲するのは何?
失って
失ってしまう
握りしめていても
抱いていても
なくなって
なくなってしまう
それでも
何故かね
僕らは手にする
手にしたいと思う
せめて
この命
この心動いている間までには
側に側に居て欲しいと望む
誰もがきっと
望むだろう
悲しい顔をして
嬉しい顔をして
恥ずかしがりながら
涙しながら
笑いながら
望むのだろう
積み重なっていく
いつか
崩れ去る
その時まで
僕は望むのだろう。
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
テレビを見ていても
新聞を読んでいても
何もせずにボーっとしていても
眠りに着くいつかの夜の布団の上でも
不安は消えずにこの胸の中
ずっと在り続ける
多分これからも
ずっと在り続ける
眠れない夜も
不意に目覚めてしまう
そんな夜も
淋しさはこの胸の中
悲しさと共に響き合う
何処にいても
どんな時でも
僕は不安がってる
大半は意識的に
時々は無意識に
僕は不安がってる
もちろん
今も明日も断言できるよ
歳を重ねるたび
不安さは増していく
眠れなくなる夜が続く
目覚めてしまう夜が続く
それはきっと
多分 絶対
不安があるせいで
僕は
誰もがきっと
同じ様に眠れない夜を過ごすだろう
目覚めてしまう夜を経験するだろう
それはきっと
大人だという証
大人になるという前ぶれ
だから
不安は消えない
この先もずっと
不安は消えない
でも
それでも
僕は不安を背負って
生きていく
楽しいことがまた
僕を待ってる
そんな気がするから。
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こみ上げる涙は
誰のためでもなく
ただ悲しいから
ただ嬉しいから
自然と溢れてくる
悲しいときに
嬉しいときに
自然と溢れてくる
自分のためでもなく
他人のためでもなく
悲しいときには悲しい涙
嬉しいときには嬉しい涙
ちゃんとした理由があり
ちゃんとした意味がある
今、君が流すのは
どっちの涙だろう
悲しいのか
嬉しいのか
何も言わずに無言で涙する君の涙は
どっちの涙だろう
わからないけど
わかりたい
わかりたいから
教えてほしい
君が今
流す涙はどっちの涙ですか…?
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僕の傷だらけの手からすり抜ける
君の傷ひとつないか細く繊細な白い指
鍵盤をたたくように
やさしくすり抜けるその手
夜の闇の中
少しずつ少しずつ
指から消えていく
君の指の感触
聴こえるはずもない
別れの音色(メロディ)
月と太陽が交じる
瞼を開けば
そこはもう明日の世界
窓から差す陽
眠気眼見える静かすぎる部屋
きちんと整理された
真っ白な 殺風景な部屋
机にひとつさびしく置かれた銀の指輪
見覚えのある
僕が君にあげた銀の指輪
あぁ
溶け合う夜
僕は今 朝の中
悲しみに寄りかかる場所もなく
ただただ 虚ろに
真っ青な空と雲を静かに 静かに見上げた
そっとそっと息をつきながら
僕は眩しそうに目を細めながら見上げた。
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うなだれた君の瞳に光る涙の粒
かげりを胸に潜めた丸まった背中
言葉にできない想いを
嘘やごまかしでやり過ごすのはもうやめよう
僕がどれだけ
君のこと愛してるかを
証明するものは何もないけど
日々はいつまでもぎこちない僕と君を置き去りにして
ページをめくるようにただ過ぎていくだけ
そして今日も言えずにいる想い
二人抱え切ない気持ちで夜空に浮かぶ月を眺めてる
降りしきる雨の中
心だけがずぶ濡れ
窓から吹き込む夜風は冷たくてひどくひんやりしていた
遠くの方で街明かりりが儚げに揺れた
静かすぎる部屋の中
支配するのは
ただ一つ
愛する人に伝えられないふがいなさとどうすればいいのかわからない焦燥感さ
どうしようもない切なさも
二人の時間は動かずに止まったまま
僕らは共に俯いて
忙しさを言い訳に逃げているだけ
言葉にしたい…
でも
言葉にできない…
胸の中
交錯する想い
僕がどれだけ
君を想っても叶わないならそれは幻
こわさを押し切り
伝えたならば
想像しただけで
胸が締め付けられる思いがする
動かない時間の中で
ただ僕らは置いていかれるのか
遠ざかっていく
過ぎ去っていく
季節を 時間を
ただ見送るかのように
うつろな瞳をして
憧れを 羨ましさを
抱くだけなのか
もどかしいよ
僕も 君も
もどかしいよ。
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どんな悲しみにも終わりは来ると
君は笑って言ったけど
もう二度とかえらない人の存在しない
世界で平気な顔して生きていけるような勇気は僕にはないんだ
君のいないこの世界は 暮らしは
ひどく静かすぎて
息が詰まるよ
まるで煙にまかれてるように
息が詰まるよ
まともに笑えないよ
それはそう
愛を見失ってから
もうずっと
同じ調子さ
溜息ばかり
うつむいてばかり
ああ
誰か大切な人を永遠に見失った
そんな夜には
眠ることさえできなくなる
そう今でも
君の笑顔はこの胸の中色褪せずある
だから
悲しくてやりきれない
あまりにも
失ったもの
大きすぎるから
切なくてやりきれない
傷みは僕しか知らない
身よりのない君を失った
傷みは僕しか知りえない
だから
悲しくてやりきれない
今夜も
僕は眠れないんだ
酒のちからを借りても
何をしようと
眠気は一向におとずれない
こんなにも静かだというのに
こんなにも静かすぎるから
こんなにも胸が痛むから
もう
君は 君は 君は
かえらない人だから。
最愛の女性だから
ああ
だから
だから
だから
悲しくてやりきれない
やりきれないんだ。