詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
明日の地図をそっと開きながら
未来の場所を必死に探していた
夢は遠く
果てしなくあって
きっと僕はその道の途中で見失う 見失った
歩き疲れたように
疲れはててしまったように
諦めに寄りかかりながら
今夜も夢の中へ
浅い眠りの中へと逃げていく
未来の羅針盤を空に描きながら僕達は
光り輝く明日を探し
迷い 悩み
そして傷つけ傷ついていく
静かすぎる真夜中
夜空の片隅に自分と同じように弱々しい光を放って
今にも消えてしまいそうな星を見つけた
諦めることだなんて
したい訳じゃないけれど
握りしめたコンパスが指し示す道はとても険しく果てしない
それでも
僕は、誓ったんだ
歩き続けると
僕は、約束したんだ
君と行くと
夢に続く道を行くと
誓ったんだ
愛の名の下に。
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降りしきる雨の中
見つけた花
五月の雨に濡れ
黄色く 黄色く
花は咲き
そして
散るときも
黄色く 黄色く
散ってくんだろう
僕も
同じように
孤独に 孤独に
散ってくのかな…?
梅雨時の空
灰色の世界
ただ唯一
その場に似合わない
黄色い花
一輪、
僕と外の世界とを繋ぐ
そんな花。
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灰色の空は 雨模様
今にも雨が降ってきそうな天気だな
楽園を探している
いつだって
何処にいたって
あやふやに言葉をつないで
逃げ道を確保してる
そして いつも
雨降りの中
傘もなく カッパもなく
泥濘にはまった足は泥だらけ
新しい靴なのに
泥だらけ
許されない罪の中で
泳ぎ方すら知らず
ただただ
溺れながら
沈むだけ
暗い海の底を
漂うように
息継ぎすら苦しいよ
楽しいはずの日曜日も
心はずっと 雨模様
かわききった夢
萎れた花
元気なくうなだれて
俯きながら
雨にうたれてた
明日も
きっと
その次の日も
雨は心に降り続く
悲しみという
雨が
止むことなく降り続く。
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届かないものなのに
どうして
人は追いたがる?
届かないものほど
どうして
人は欲しがるんだ?
きっと その答は
人間の僕が一番
解ってる 筈
でも
考えても 考えても
複雑になるばかりで
仕方ないよ。
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散りゆく 花弁
行く先を知らず
こちらから尋ねることもなく
散りゆく まま
ただ見送るだけ
ひとりの親として
そして
人生の先輩として。
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何も聞こえない
何も聞きたくない
今は何も耳にしたくない
誰にも会いたくない
誰とも話したくない
今は誰の励ましもいらない
何も 何も
誰も 誰もいらないよ。
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優しい言葉だけでは
あなたの傷は癒えない
気の利いた事をしても
あなたの傷は塞がらない
ただ月日が波のように満ちては引いていく
昨日までは大切だった気持ちをさらって
心の何処かで忘れてた想いが息を吹き返す
記憶の断片が重なり合って元に戻る
止まっていた
頭の中の映写機が回りだす
途端映る
数ある思い出のシーン
カラカラと音を立てて
思い出が一つにつながった
君ともう一度だけ
あの懐かしい海に行けたらな
気がついたら
君と行った海に居て
僕は独り
沈んでいく夕陽を見てる
あの日君と見たときと同じ砂浜に座って
忘れようとした
大切な思い出を
もう一度思い出すよ
思い出の中の
いや
確かに今見てる
追憶の風景で。
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子供達の笑い声も
街のざわめきも
全て
届かない世界に行けたなら
どんなにいいだろう
君の悲しみを
僕は解ってあげることはできるけど
癒してあげることまではできないんだ
君が失ったものは
もう取り返せないから
もう戻らないものだから
ただこうして
寄り添うだけ
それだけしか 僕には…
立ち止まっていたら
切り開いていたはずの道が塞がった
振り返ってみたら
そこはもう暗闇の真夜中で
遠くの方で
自販機の明かりがかすかに見えるだけ
君を救える術を
僕は知らない
君を慰める術を
僕は持ちえない
ただ側に寄り添うだけ
ただそれだけで
君は笑ったフリ
ただそれだけで
僕は胸が締め付けられる思い
ああ
世界はどうして
君とそれを引き離した?
ああ
悲しみの中で
生まれるのは悲しみでしかなく
きりのない連鎖の中で繰り返すだけなのに
君の胸の中で
今日もまた悲しみは生まれているっていうのに
僕は何もできずに
ただ
涙する君の背中をさするだけ
無力感に打ちひしがれて
僕は悲しみの音を拾う
一つ一つ落とさぬよう こぼさぬように
君の悲しみの音を拾う。
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まるで そう
僕は干上がった河で
苦しそうにもがきながら
今にも死にそうな目をして尾鰭をバタバタさせる魚のように
とても絶望的な現実を生きている
夜明けの空が霧に覆われて
白くなって見えなくなって
いっそのこと悲しみも見えなくなればいいと呟いた
君の瞳には、今
僕がひどく歪んで映っていて
僕の中に眠る憎しみにひどく怯えている
こうやってやさしく包み込んでいても
憎しみは君の瞳からはむき出しに見えてしまって
君の表情からはいつも
僕に対する恐怖感が垣間見れるほどで
時間の歯車はいつから
こんなにも狂い始めたのか
世界はこんなにも美しいというのに
何処に行こうと
不安は僕についてくる
暗い早朝のホームにも
放課後の廊下にも
水平線に沈む夕陽を君と眺めてても
いつの間にか不安は胸にあって
見えない何かに怯えるように
暗い闇の中
必死に光を探した
まるで 僕は
ピエロみたいに
無意味なほどに作り笑いを浮かべてみたり
気づいてみれば
君はもう居なくて
下手な悪魔の真似をして
周りの励ましさえ遮った
夕焼けが涙で滲んで
僕は独り
悲しみの中
不器用に泳ぎながら
ずっと ずっと
君を捜してた
水のない水槽の中
無表情に歩きながら
ずっと ずっと
君を捜してた
僕だけを残して
陽は今日も昇る
ずっと ずっと
空に捜してた
幾億もの星の中に
砂浜の貝殻の中に
夜にみる夢の中に
捜してた
捜してた……。
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暖かな海で私は波の音を聴いていた
遥か遠く君と出会った
夜の海で満ち引きをくり返し
押しては引き押しては引き
素足のまんまでただ生きてるって温もりを
孤独な夜にあずけたい
この耳をうつ美しいセピアを聴きながら
抱きしめたい…
抱きしめたい…
そればかりが頭から放れずに 涙を誘う
よりを戻して…
よりを戻して…
暗い海で 寒い海で
別れるため会うこと
ただ…、
最後だけ満ちる
波の音を感じながら
冷たい海で抱きしめたい
だから…、
この想いのすべてを忘れさせて
永遠の波間へと
続くあの海の底まで
沈めさせて。