詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
誰かを想う恋心
いっつもへそ曲がり
ダメだとわかると
また次の愛を探す
勝手気ままなこの心
素直になりたいと想えば想うほど
屈折する自分
素直になれずにいつも気づくと愛は遠ざかる
そして気づくと
独りぼっち
強がってはいるけれど
本当はもう今にも壊れてしまいそうなほど
心はひどくさび付いて
悲しみの雨が降るその度に
心は順繰りと錆びてくる
誰かを憎むだけの愛なんて
誰も欲しがらない
欲しいのは
求めてるのは
心の底から分かり合える
"本当の意味での理解者"
ただそれだけなんだ
ただそれだけなのに
いつも側にあるのは
生ぬるい溜息と
愛の欠片すらない
とても無気力な暮らし
それと大げさなほど会話の乏しい家族だけだ
ストレスだけが無駄に溜まっていって
まるで形だけの家族のようで
幸せそうな奴を見ると心苦しくなる
ただただ心苦しくなる。
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今僕の瞳に当たり前に映る橙よ
闇に飲まれるその前に
今よりもっとその赤々とした色で空を燃やせよ
浮いては沈む想い
それは幻
眠ったときに見る夢
きっと幻
現実という目覚め
そしてまた幻
繰り返される毎日
遠のく意識の中で見えた真っ赤に燃える
赤々としたきれいな夕焼け
目覚めれば夜明け
移り変わる
今日と明日
今日から明日へ
明日からその次の日へ
舞えや踊れや蝶々
踊り狂って
のたうちまわれ
その両腕に拵えた羽根をバタバタさせながら
冷たくなって息絶えろ
嗚呼、
僕の瞳に赤々と
燃えさかるように
揺れては陰る夕映えよ
いつまでも
いつまでも
そのきれいな色で空を燃やし尽くせ
そして僕の青ざめた心に暖かな灯を点せよ
僕の心が宵闇に飲み込まれて仕舞わぬ前に。
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世界に一つだけ
世界に一つだけしかない
君の名前
お母さんとお父さんが
こうなってほしいという想いを込めた
世界に一つだけ
世界に一つだけしかない
君の名前
気に入んないとか
嫌いだとか
たまには想う
けれど
とてもしっくりくるんだ
偶然にしちゃ出来すぎてるほどに
とても愛おしく思えるときがあるんだ
世界に名前のない人はいない
そう願いたい
お母さんとお父さんにもらった
この名前
愛のこもったこの名前に
自信を持って
誇らしくいたい
自分もいつか子供を授かった時には同じ様に
自信を持って
誇らしくあれるような
そんな名前をつけたい
生まれてから
死ぬまで
付き添うこの名前
僕という人間に与えられた
この世で最も重く愛情のこもった
心に刻む勲章。
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二度とこない今日の為に
今日しか出来ないことをやろう
今日しか出来ないこと見つけよう
きっとある筈さ
きっと見つかる筈さ
今日しか出来ない何かが
新しいことへ一歩踏み出す勇気
おどおどしながらも
前へ踏み出せた人はきっとえらい
逃げてばかりの僕はきっとだめな奴だ
でも、
そんな僕にだって
何かある筈だ
そして今探してる
今日の為に何が出来るかを
僕は今探してる
二度とこない今日の為に
いつか訪れる未来の為に。
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ねぇ、
どうしてそんなところにいるの?
夢の中で
僕が僕に聞く
ねぇ、
どうしていつも逃げるのですか?
やりもしないのに
初めからアナタは無理だというの
涙するアナタを
後ろからギュッと抱きしめたい
けれど
厳しくしなくちゃ
きっとアナタの為にならないから
僕は抱きしめることはせずに
君の手を引いてやる気を起こさせる
きっとそうすることで
僕は僕自身を取り戻すんだ
苔(コケ)の生えた
この部屋から君を連れだして
現実を見させるんだ
そうじゃないと
きっと僕は生きながら死んでしまう…
だから ほら
行くよ
もうすぐだよ ほら
光が見えるだろ
あれが現実だ
大丈夫さ
君なら出来るさ
だって僕なんだもの
僕なら出来るさ。
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嗚呼、
雨が降る日の夕焼けは
濁っていて汚い色をしてる
あんなにきれいなオレンジを濁った色がきたなく汚す
まるで今にも死にそうな目で僕はそんな空を不安げに見てる
両耳に付けたイヤホンから
しんみりとした歌声が淡々と流れる
心休まるその歌声はピアノの音色に合わせて歌う
ららる ららる
きれいなメロディ
るらら るらら
鍵盤を滑るなめらかな指
ららる ららる
終わらないそのメロディ
繰り返されるその声
何度も何度も繰り返し聴く
その度その度聴こえるそよ風のようなやさしい声
不安が少しだけ
和らいで
怯えも少しだけ
なくなって
それでも きっと
気休めだから
また明日になれば
不安は返ってくる
それでも 少しだけ
癒されたんだ
不安定な年頃の少年の耳には
その声が心のオアシスだったんだ
きっと きっと きっと…
窓の外
雨上がりの空
うっすらと見えた
空に架かる虹の橋
遠く聞こえる
子供達の笑い声
久しぶりの"彼女"からの電話
そっと立ち上がって
そっと階段を下った。
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夢もなにもわからないまま
僕の未来はひどく道を逸れた
放課後の誰もいない教室の中
窓越しかすかに聞こえる雨音
こんな日はなんだか悲しくなる
夕暮れ時の空の下
小石を蹴りながら帰る道
下を向いて俯いて
深いため息を一つ零した
答えにばかり拘りすぎて
気付けばいつも迷路の中
答えを探してさまよってる
だけど答えはいつも見つからない
それどころか現実は複雑になるばかりで
ため息ばかりを吐きだす
そんな味気ない日がずっと続いてる
どうしてだろう…
何してるんだろう…
何にそんなに怯えてるのか
何がそんなに不安なのか
怖いことばかりで
不安なことばかりで
どれが怖いとか
不安なんだとか
わからないほど
それはずっと胸の中で
日に日に増え続ける
この先も きっと
死ぬまで僕につきまとう
嗚呼、
まるで五月雨のように
僕の心に味気ない夏をつれてくる
聞きたくもないグチばかりを友は言う
そして今日も雨は降ってる
今僕がいるこの場所にも
心にだって
雨は降ってる
そして今日も昨日の残りのカレー
金属の味とカレーの味が混ざって
吐きそうになる
コップに注がれた水がノドをスムーズに通り抜ける
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あなたを想う僕の気持ちが
どうか、
あなたも僕と同じ気持ちでありますように
そして、
いつの日か二人の距離が縮まって
隣合わせになりますように
僕は心の中で
僕にしかきこえないほどの声で
何度も何度も繰り返し想いました
遠くにいる
あなたも同じように
"二人になること"を
望んでくれているから
どうか二人の想いが消えないように消えないようにと
僕はいつも
遠くにいる君も
決まった時間に
祈ります
どうか
いつの日か
僕らを、
私達を、
"二人にしてください"
僕はそっと
空に祈ります
運命という枠を越えて
偶然という導きにかけて
国境を越えて
巡り会えることを願います。
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通り過ぎる今日に
何の躊躇いもなく
サヨナラできない
心構えもないまま
不安な夜を過ごす
そしてあっという間に夜は過ぎ
今日という一日が始まる
そうそして日々は
昨日一昨日と過去になっていく
もう戻らぬ日々の中で年齢を重ねる
どんな誰でも
心の中でクッキーがまた一つ
ぐしゃりと音をたてて粉々になる
それは今日という
何でもないような
大切なような
いつもと変わらない
ただの一日
僕の人生の中のほんの切れ端
それでも貴重な一日
もう泣いても笑っても後戻りできない
僕の一日。
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雨降りの道を歩いていた
遠くの方で雷鳴の音と
僕の腹の虫が鳴る音が聞こえる
明日にはこの雨止んでるかな
明日には…明日には…
明日には全部残らず忘れられてるかな
いつの間にか
独りぼっち
突き離して
恋しくなって
同じことの繰り返し
こんなもの愛だなんて自信を持って言えるわけもなく
気付けばいつも
独りぼっち
忘れられもしないまま日々は続く
雨は止まずに限りなく降り続く
すり減った靴の踵が泥を跳ねてズボンを汚す
ずっと遠くの方で
信号が赤から青に変わる
僕はただ
此処で立ち止まり
空を眺めるばかり
夢を語るばかり
羨むような眼差しで涙を流すだろう
誰も憎めないまま
誰も愛せないまま
日々はずっと僕を置き去りにして遠ざかる
寝ても覚めても
振り返ってみても
変わらずいつも
独りぼっち。