詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
春は桜の木の下
青い空を見上げ
見知った
友達とお花見
夏は海に行く
青い海を好きなだけ
泳いだ後に
スイカ割り
秋は自分ちの庭で
青い秋刀魚を焼いて
おろし醤油で
いただこう
冬は炬燵で蜜柑でも
青く冷たい手を暖めて
新年心新たに
書き初めでも。
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冷たい心の牢獄に
閉じこもる日々
窓の外では
昨日からずっと降り続く五月雨
浮かんでは消える
いくつかの想像(おも)い
さよならした日は
いつもこんな感じ
どうして
どうして何だろう
心がこんなに痛むのは
どうして何だろう
周りからの励ましが雑音に聞こえる
耳を塞ぎ
膝を抱え
俯いたままの僕
聞こえるのは
窓のわずかな隙間から吹き込む雨音
それと微かな風が木々を揺らす音
そうして
僕は堕ちていく
悲しみの坩堝へ
そうして
僕は傷に唾をぬる
一時的な気休め
嗚呼(ああ)
心の奥響く 不協和音
悲しみの旋律
僕は今まで何度この音色を耳にしただろう
嗚呼
きっと数え切れないほど
僕は耳にしてきた
それは僕にしか聴こえず
僕にしか解らない
いわば悲しみを背負った故の
傷を負ってしまった故の旋律なのだ
夜になっても
雨は止まず
一睡も眠れないまま
僕は朝を迎える
昨日流した涙のせいで
鏡に映った僕の瞼が腫れぼったくなっていた
変わったものは
唯一
嘘のように止んだ雨風
只それだけだ
そうして旋律は
再び僕を苦しめる
裏切りのない
純粋を手に入れられるまで
この胸の中
心の奥底で
その耳障りな
不協和音を奏で続ける
それでも僕は
きっとまたくり返す
傷みと悲しみを
背負っても
まだ信じる心を胸に微か残しているから。
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夏の日のレディ
君は長い長い坂の上で
息を切らす僕を心配することもなく
おてんばに坂の上
僕に早く早くと手を振る
夢のような
リアルのような
そんな不思議な暮らしの中
僕らは僕らなりの毎日を過ごす
きらきらとした夏の日のツーショット
息を切らしやっと坂を上りきった汗だくの僕と
涼しい顔をした白い帽子と白いスカートの夏の日のレディ
思い出がまた一つ
アルバムの中に咲く。
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窓から差し込む朝陽に起こされて
目覚める朝はとっても心地いい
机に一つカップに注がれた野菜ジュース
見上げた空の青色
心を躍らすドライブ日和
邪魔するものは何もない
遮るものは何もない
あるのは眩しいくらいの朝陽と
手に持った飲みかけの野菜ジュース
只それだけ
『"おはよう"』
明るく君に挨拶をしよう
リビングの写真の中で笑う君
もう会おうとしても会えない君
だけれどもう大分傷はふさがった
飲みかけの野菜ジュースを飲み干したら
図書館にでも行こうか…?
買い物にでも行こうか…?
残されたのは
君の居ない静かな暮らしとこの家だけ
それでも僕は君にする挨拶は絶やさない
たとえ君が返事を返してくれなくても
僕は繰り返す
おはよう おはよう
グッドモーニング
おはよう おはよう
グッドモーニング。
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空色のミュージック
あなたに届け
見慣れない新しい景色に包まれながら
足並みそろえて
悲しみも越えていこう
澄み渡った青空と白い雲
何処までも続く広く大きな夢
希望の光が輝いて見える
だけれど遠い未来の不安や心配事が僕を立ち止まらせる
望んだとおりの未来にならなくたって
それでも良いさ
僕には君が 君が
居てくれれば百人力さ
空色のミュージック
唄えばほら
不思議と元気が出てくるから
悲しみの雨雲なんかかき分けて
バラ色の明日へ
駆け出していこう
君と僕のふたりで。
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恋することに理由なんかない
恋するから恋をするんだ
好きだから愛するんだ
それだけ
それだけなのに
とってもステキなこと
それだけ
それだけなのに
とっても素晴らしいこと
それが恋なんだ。
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誰かが知ることはなくても
誰かに冷たい目で見られたって
愛し合う僕らを咎める現実は失せた
さぁ お手を
さぁ愛を形にしよう
さぁ 横になって
さぁ愛を形にしよう
僕らひとつになろう
僕ら痛みと快感を分け合おう。
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たとえるなら…
それは愛する家族との暖かな団欒
たとえるなら…
珍しく空いている帰りの電車の窓から見る夜空を泳ぐ月
たとえるなら…
あなたが見せるやさしげな笑顔と僕を心配そうに気遣う言葉
きっと
愛とはそんなもの
そんな些細な暮らしの中にあるもの
気づかずにいた
自分の愚かさ
気づいたときの
自分のにやけよう
そして今日も
そして今夜も
僕は愛のもとへ
まっすぐに家族のもとへ
帰るのだろう
それが
家族に対する
愛する君に対する
ささやかな恩返しなんだろうな
只今と同時に
ドアを開ける僕を
迎えてくれる
子供たちと
『お帰りなさい』と
言ってくれる
君のその一言の為に
僕は帰るのだろう
家族という
暖かな屋根の下
寒い冬の日の雨の夜も
その暖かな
お帰りなさいの一言を聞けば
たちまち心が暖まるから
だから僕は帰るのだろう
たとえるなら…
幸せとはそういうものを言うのだろうな。
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遥かなるこの場所から
あなたに宛てて書いた手紙
海の向こうにいるあなたへ間違いなく
この手紙はきっと届くのでしょう
あなたの手元に行き渡るのでしょう
あの日
お別れした夜
泣いて泣いて泣きすぎて
瞼が腫れてしまうほど泣いたけど
それも良い思い出
今ではもう心落ち着かせて
あなたの手紙が私のもとへ届くのを
待つばかり
今ではあなたと私をつなぐ
小さな小さな手紙だけ
それからたまにかける電話ぐらい
あなたの懐かしい
声を聴くたび
あなたの懐かしい
文字を見るたび
あの日が思い出されて
少し切なく
でも嬉しい気持ち
涙じゃなく
笑顔になって
こぼれ落ちるの。
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今 僕ら
子供なのか
今 僕ら
大人なのか
いいえ
そのどちらでもない
通りすがりの誰かがそう呟いた
あやふやな年齢
とても微妙な位置に立っている
とても
とても
不安定な場所に
今 僕ら
どう名乗ろうか
今 僕ら
名無しの人
子供でもなければ
大人でもない
身体も心も
今にも倒れてしまいそうな程
不安定なんだ
誰かが想っている以上に
迷いや不安
色々な悩みを抱えてるんだ
誰もが通る道の途中
今 僕ら
名無しの旅人
こたえを探して
空を見上げ
幾多にも広がる
分かれ道の前
立ち止まる。