詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
夕暮れ時の空
宛もなく
浮いてる
赤い風船
赤く色づいた雲
ともる電灯の光
帰ってく学生の後ろ姿
遙か遠く聞こえる
電車の走る音
揺れる半透明の空
荒む駅の壁
垂れ流した
涙の粒
夕闇の迫る空
そっと
風船
飛んでいく
どこか知らないけど
誰も知らないけど
そっと 風船
消えていく。
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
いけ好かない彼のこと
「ホントアイツってムカつくの」
そう言いながら怖い目で彼方を睨んでいた
僕はいつものように君の愚痴を聞いてあげるだけの
存在でしか過ぎない
君はよく言うんだ
僕のことを
「良い友達だと…。」
それはそれで
嬉しいけれど
ちょっぴり寂しいな
ちょっぴり切ないな
それでも君は彼のこと大事に思ってるんだろう
僕が言えることは
ただ一つ
「これからも末永くお幸せに」
ただそれだけ。
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
僕は悲しさ拭うために
今までどれだけの人を騙してきたんだ
思い出すだけでも吐き気がするくらいに
僕はなぜあんなにも傷だらけだったんだ
憂鬱と退屈が入り交じったような
日々がいつまで続くんだろう
考えるだけでも面倒くさいな…
カナシミノアメが今日も
退屈な世界に昨日と同じ退屈をはこんでくる
目に見えるだけの景色は皆見飽きた
明日は どうか
晴れますように
祈るしかないだけ
なるようにしかならない世界なら 尚更
明日は どうか
退屈しませんように
祈る以外にないだけ。
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
誰かが流した涙の重さなんて
僕にはきっと理解できない
ましてや大切な人を失ったときの辛さなんて
重すぎて
理解するのも嫌になるぐらい
結局、僕も傍観者で何も知らずに
ただ、正義だ悪だと叫ぶだけの野次馬だった
僕らには僕らにしか
守れない
僕らが決めたルールがあるから
ただそれに従って
二人は生きるだけ
これからも ずっと
そうして 生きていくだろう
誰かに批判を買うこともないまま
密かに僕らのルールは陪審員も検事も引っ張り出すことなく
判決も罰も
君が決めるだけ
僕は何一つ
異論はないんだ
僕ら二人で決めたことだから
今更
変えられないんだ
今、僕は
無実の判定を受けた
殺人犯の気持ちであり
あざ笑うことも
嬉しがることも
自由なんだ
それでもなぜか
心に何かが引っかかってるんだ
僕はそれをきっと一生抱えるだろうな
悲しいのともちょっと違うけど
もどかしいようなぎこちないような
そんな気持ちを抱えるだろうな
日々、重さを増してく
邪魔くさい
ルールという名の鎖
好きになれない
ルールという名の壁。
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
僕らの生きるこの世界でまかり通っているルールは
常識というだけの法律とはかけ離れた決まりのない暗黙の了解みたいなもんだ
人殺しすらうまく裁けない法律なんて
存在する意味もなく
すべては法廷という正義のカゴの中
無罪、有罪を決めるんだ
よしんば死刑確定の殺人犯だとしても
無情なまでに遺族の目の前で
否応なしに無罪に近い判決が下される
要するに そうだ
この世界のルールじゃ
悪人さえ裁けやしない
正しいことが
負けてしまって
間違ったことが
受け入れられてる
そんな現状が現実にあるんだ
君と僕の間で
決められた
外面だけの中身はスカスカの張りぼて
誰かは正義と叫ぶ
法律という名の規制
そんな事より 何より
僕にはもっと大事なことがある
守らなきゃならない君との約束がある
そうだ
それの方が実は僕には大事で
本音を言っちまえば法律だの規制だの
ツマラナい学則だのはどーでもいい話
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
君はいったい何から逃げているの
追ってくるものはなにもないのに
怖い夢を今までみていたんだね
少しだけ額に汗をにじませて
君はぼくに抱きついてきた
ぼくは はたして
君の心の闇をかき消すことができるかな
君の心の闇は
何処までも終わりなく続いてる
だけど ぼくは逃げないよ
すり減らした日々を投げ捨ててでも
ぼくは君の闇をかき消すため
君にすべてを捧げるよ…。
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
大空に飛び立つ覚悟もないまま
僕は巣立ちを迎えてしまった
当然心には不安感と戸惑いがうまれてしまう
ぼくの行く先は見えざる不安の中
希望すら届かぬ暗闇の中
ひたすら羽をばたつかせ
是が非でも飛ぼうと試みる
孤独な翼にすべてを託して。
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
僕と君の二人だけが知ってる
それぞれの秘密
他人に明かす事なんて恥ずかしくてとても無理に近いから
おそらく永遠に秘密は保たれる
冷え冷えとした
街の空気に丸め込まれ
いつしか秘密は自動的に記憶の奥底に忘れられてしまわれる
秘密がバレるより
よっぽど辛いよ…
心の奥
そっとしまわれた
六月の朧気な約束
小指と小指で契られた
愛の契約
果たされるはずの約束
君のすべてに惹かれた僕
君のすべてを欲した僕
目も耳も鼻さえつかって愛そうとしたのに
君はそんな僕の気持ちを裏切って
風のように消えていった
ほろ苦い静けさだけを残して…
君と僕を出会わせた
運命のイタズラ
君と僕を別れさせた
運命の気まぐれ
こんなことになるなら
はじめから出会わなければ良かったよ…
それでも
なぜか 一つだけ
それでも
なぜか 一つだけ
君とのめぐり逢いは僕に新たな愛をもたらした
それは
君からもらった
桁外れの勇気
感謝するのは少し違うかもしれないけど
一応言っておくけど
『アリガト』。
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
眠れずにいる夜
カラカラにのどが渇いて
階段をつたい一階に下りていく
窓の向こうには
広がる漆黒の中
孤独に浮かぶ黄金の月
今の僕には
このモヤモヤを吐き出す術もなく
慰めてくれる愛しのプリティーガールも居やしない
朝から夜にかけて
僕はずっと独りぼっちだ
見上げる夜空の
黄金の月よ
僕の同じ境遇の同じ孤独を虐げられた
時に真昼の月の君よ
誰かの寂しい夜を慰めて
誰かのカナシい帰り道をそっと照らして
自らはなにも求めることなく
頼める言葉も持ち得ず
自らにはなにも返りはしない
それなのに君は当然のように皆を照らしている
とんだお人好しだね
そうして
眠りに着く僕らを
そっと夢へ運び届ける
楽しい楽しい
現実とは遠く離れた夢の国
現実の辛さや悲しみを忘れさせるように
夢をみせる
それでも覚めてしまえば
夢は夢でしかない
悲しい現実がまためぐる
目覚めた僕は気づくだろう
薄汚れた現実を生きる僕を誰かがあざ笑う
その声を太陽は否応なく受け入れて
私に再び退屈な目覚めを音もなく届ける。
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
太陽が朝の光を街に放ち
いつも通りの退屈な毎日が始まる
見なくても分かってしまえるほど
思い出せるだけのすべての過去が悪すぎる
明日もきっと
ダルいだけの日々が続くだけ
欠伸をしながら
ワープロに向かい
延々と手を動かすだけの無駄な時間
奪われたのは自由な時間
今欲しいのは落ち着いた休息
欲を言えばしつこいぐらいに続く連休ラッシュ
帰り道 まだ薄明るい九月の下旬
街灯に照らし出された疲れた顔の冴えない僕の顔
猫背のまま見上げた空にはうっすらと見える真昼の月
心で呟く
他人には如何せん耳障りな独り言
それと誰かに対する嫌みな愚痴や悪口
吐き出せるものは吐き出してしまおう
家には仕事も愚痴も持ち込みたくはない
家には家の会社には会社の
覗かれたくないプライバシーが在るから
仕事は終わらなくてもできるだけ持ち帰らないことに決めている
そんなことを考えながら
横断歩道 信号待ちをしている僕
青は進め
赤は止まれ
黄は注意
点滅するが僕は早足で渡る
振り返って
もう一度見上げる空
昼間とは違う
くっきりと浮かんだ燦然と輝く黄金の月