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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1012] 初夏の頃
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


今もふとした時
思い出すあの夏を
恋をしてでも破れて
また恋をして破れて
繰り返していた
それでも僕は懲りずに
青春なんて言いながら笑ってた

蒸し暑い夏の坂道を
汗だくになりながら
自転車重そうに転がして
僕は君と笑う
想えばそう
寒い冬の日も
桜咲く暖かい春の日も
君とこの坂を上った
今は
でも一人
坂の途中で君を見失ったよ
何処を探しても
君はいないんだよ
なのにどうして
僕は君を探してる
照り返す夏の日の幻に翻弄されながら
僕は現実を信じられずに
君を探してる
初夏の頃

夏の幻 燃える空
不意に振り返れば
頭の中でまた君が笑う
走りだす
終わりのない君探し
探しても無駄なんてことわかっている
でも僕はどうしてか
探してしまうよ
いつも
いつも
君の帰りを待ちわびながら
おもわず名前呟いてしまう
そんなとき
僕は気付く
もう帰りはしない
あなたのことに
気付いてはじめて
僕は深く深くうなだれる
今もまだ悲しみは胸の中に消えず残る
あの
初夏の頃
失ったものが大きすぎて癒えず残る
あの
初夏の頃。

2007/04/29 (Sun)

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