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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1059] 日暮れまで
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


思い出の色は懐かしい恋の始まりのような薄紅色
遠い過去に置いてきたもの
果たせなかった夢も
数え切れないほど
この胸の中の片隅にある
終わりに怯え
奇跡を待っていた
あるはずもない偶然に身を委ねながら

夕空の向こう
沈んでく夕陽
あの娘は今何してるんだろう
居場所さえ知らないままで
独りぼっちの淋しい夢物語
薄汚れたアルバムの中に閉じこめられた
もう二度と戻らない時間

霞んでいく景色
目を閉じて眠り
また目覚める僕は
いつか永遠という時間に閉じこめられて
そればかり考えてしまう僕は
他人から見れば
哀れな人
自分でも思うよ
でも それでも
涙ぐらい流させてくれよ
悲しいからさ
切ないからさ
淋しいからさ
悔しいからさ……

願わくば
日暮れまで
こうしていたい
どうしようもない程に悲しいのだから
どうしようもないから切ないのだから
淋しくも儚くもなるのだから
せめて
日暮れまで
わがまま聞いてくれよ

目を閉じ
膝抱えて
俯いて このまま
ひとりにさせてくれよ
僕は…僕は…、
追いつかなかったんだからね。

2007/05/05 (Sat)

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