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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1064] 美について
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

人はいつだって
何よりも他人に勝った美しさを求めている
誰よりも
何よりも
美しくいたいと
人は願い続けるもの

それはいつだって
外見で表面上の願いだ
内面的なものじゃない
きっと
心を犠牲にして
腐らせても
人はそれと引き換えに美しさを欲するだろう
そして
あるはずもない美しさに願いを捧げる
いつでも
何処にいても
どんなときでも
人は醜さを嫌うもの
それはそう
外面的な外面だけの美しさを基準にして

美しく
美しく
美しくいたいと
誰よりも
誰よりも
美しくありたいと
君は何度も何度も呟きながら
狂ったように連呼する
きっと それは
日に日に老いていく自分を鏡に映すたび
想いを増していくことだろう
そして
君は知っている
老いていく者は誰でも知っている
だから人は悲しむんだ
だから人は涙するんだ

束の間の美しさを
限りある美しさを
保てない
永遠のないことを
知っているすぎるから
だから女である君は
狂い若さを羨むんだ
年老いた女の君は
戻らない若さを
嫉妬し
羨み
そして
嘆くんだ
永遠なんかよりも
尊く儚い
限りある時間の中で。

2007/05/06 (Sun)

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