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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1086] キミノコエ(後半)
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]



現実…

現実…
繰り返さなければ
明日がこない
それまでは
僕は疲れた顔
僕は腫れた瞼
生暖かい溜息

そして
今日も君は空に
当たり前のように
君は空の遠くに
あの日からずっと
君は空の真上に 空の何処かに
雨降りの空の何処かに
真っ赤な傘
真っ青な傘
いろんな色の傘
僕だけが透明
何も見えない
傘を忘れた
たまにはこんな風に
わざと濡れる
忘れたふりをして
憂さ晴らしみたいに
わざと濡れる 濡れる…

そしたら
歩いていこう
明日へと
明日へと
未来へと
未来へと
独りぼっちの夢を見た後で
再び
味気ない現実をやり過ごしたら
また
夢の中へ
そして また
現実へと
飽きもせず
繰り返すこと
夢の中へ 現実へと
歩くよりものんびりと
走るよりももっとずっと早足に
日々は過ぎる
通り過ぎる 季節
行き過ぎる 時間
見送るように
立ち止まりながら
青空 星空 曇り空
見上げてる いつも
同じ空
見上げてる 明日も
死ぬ前の日も
ずっと
ずっと
ずっと
君のいない
いなくなった
世界で この地球で
日々は続く
寝て起きて寝て起きて
繰り返す 日常
聞こえるはずもないけど
思い出すと
聞こえるような気がする君の声
懐かしすぎて悲しくなって
ただ立ち尽くす
夢の中 現の中
ただ立ち止まる
コンクリの上
晴れた空の下。

2007/05/08 (Tue)

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